はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨市場の暴落は真の発展前の「成長痛」|ブルームバーグ仮想通貨サミット

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場暴落は真の発展前の「成長痛」
ブルームバーグの業界サミットにて、仮想通貨・金融界の有識者や幹部らが参加し、現在の下落相場はあくまでも一時的な現象であると語り、今後より規模の大きい市場となる価格安定通貨とSTOなども討論の話題となっていた。

仮想通貨サミット:暴落は「成長痛」と2019年のトレンドについて

仮想通貨にとって低迷の年となった2018年を締めくくるかのように、12月7日、 イギリスのロンドンに 仮想通貨業界の専門家が集い、2019年の展望について討論するイベント、ブルームバーグ・クリプトサミット が開催された。

このサミットに参加した仮想通貨関連企業の幹部や金融アナリストは、2019年には、仮想通貨相場の緩やかな回復が見込まれるだろうとの考えを共有しているようだ。最高値(ATH)より80%近い暴落を見たビットコインをはじめとする仮想通貨の全体市場だが、この暴落は新興の仮想通貨市場の「成長痛」の一環ではないかとの見方を示している。

パネリストの一人、英投資企業CCLA Investment Management社の最高投資責任者、James Bevan氏は、現在の大暴落を仮想通貨の「実存的危機とは見なしていない」と言い、次のように続けている。

今の暴落は単に、道のりのデコボコのような、一過性の問題に過ぎないと見ている。これまで、機関投資家は、既存の通貨や取引システムにおいても、数多く、同様の『デコボコ道』を経験してきているのだ。

そして、2019年に大きく成長が見込まれる分野として、パネリストは、『証券型セキュリティトークン』と『価格安定通貨ステーブルコイン』の二つの分野をあげている。

セキュリティトークン

セキュリティトークンは、不動産や株式などの資産の所有権をデジタル化した契約とも言えるが、あらゆる資産をトークン化することが可能だと考えられており、伝統的資産との統合が行われた場合、社会に測り知れないインパクトを与える可能性が大きいと予測されている。 

CoinPost関連記事

仮想通貨常識を変える、次世代の資金調達方法STOの潜在能力:IPOとの競合の可能性も
昨年のICOブームを経て様々な詐欺的なプロジェクトが溢れた中、新たな資金調達法として注目を浴びるセキュリティトークン・オファリング(STO)。 適応できる分野が広く、規制に準ずる為、その大きな潜在能力に期待が寄せられている。

また、イギリスに拠点を置く大手仮想通貨ファンド、Bletchley Park Asset Management社の共同設立者兼最高投資責任者のLewis Fellas氏は、今年大きな注目を集めたステーブルコイン市場は、まだ始まったばかりに過ぎず、2019年、大きな成長が見込まれるとの意見を述べている。 

およそ120に上る種類のステーブルコインが開発中だとといわれており、長らく独占的地位を占めてきたテザー(USDT)は、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)が承認したGemini dollar(GUSD)やPaxos Standard(PAX) 、Circle社と取引所Coinbaseが共同で発行するUSDCoin(USDC) など、すでに多くの競合にさらされている。

なお、先日、ビットコインキャッシュの分裂騒動による全体相場の急落の際、ステーブルコンの全体取引高が200%増、中ではUSDCは400%の増加を見せたことから、下落相場のヘッジツールや法定通貨がサポートされない取引所において、今後も需要が伸びていると予想される。

規制に関しても

仮想通貨市場の成長において避けて通れない課題である、規制についても、サミットでは、討論されている。パネリストは2019年は、より大規模な規制が行われる年になるだろうと予想しており、仮想通貨に正当性を与えるという意味では、歓迎されるものだと述べている。

しかし、仮想通貨関連事業の誘致に力を注いでいるマルタなどに代表される管轄範囲が比較的に小さい国の金融市場における緩やかな規制と、アメリカやイギリスなどのより厳格な規制を課している国々との差は、基準が厳しい国に拠点を置く仮想通貨関連企業にとっては、競争力の面で大きな困難をもたらすと、英仮想通貨企業CoinShares社の最高経営責任者Ryan Radloff氏は意見を表明している。

一方で、仮想通貨取引所Poloniexを有するCircle Internet Financial社のグローバルマーケティング部門責任者を務めるMarieke Flament氏は、誰かが規制の「車輪を動かし始める」(スタートを切る)ことこそが重要で、そこから起こる可能性のあるミスから、仮想通貨業界が学べることも多いと述べ、次のように続けた。

いくつかの大国が(規制整備に)足を踏み入れ、道筋を示し始めたことはいいことだ。 しかし、他の国々が築いてきたものに対しての信頼性を傷つけるということではない。 誰かが始めなければ、みんな、ただ待っているだけなのだから。

このサミットでの討論から、仮想通貨業界の将来は、より大きな規制、大規模な機関投資家の参入、ボラティリティの低下、伝統的資産との統合が必然であると、ブルームバーグ側は総括している。

▶️本日の速報をチェック
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者7,000名突破。

CoinPostの関連記事

米国会議員二人が仮想通貨の市場操作にメス|2つの新法案提出
米時間6日、国会民主党議員Darren Soto氏と共和党議員Ted Budd氏が協力しあって新しい2つの法案を提出した。1つは仮想通貨の市場操作防止で、2つ目は最適な仮想通貨規制を作成していく為に各国の規制を調査し国会へ提案させるもの。この様な動きは法的規制を健全化し、新たなイノベーションを促しうると期待される。
最重要ビットコインETF申請企業責任者が「ナスダック提携に関する詳細」を明かす|仮想通貨市場の展望も
VanEck/MVIS社仮想通貨戦略部門Gabor Gurbacs氏が、正式に発表された仮想通貨先物商品を目的としたナスダックとの提携について語り、注目される詳細が明らかになった。仮想通貨商品市場が20年後には約1100兆円(1000億円ドル)規模になるとデジタル通貨の将来性を大きく見込んでいる。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/10 水曜日
18:54
新経済連盟が「仮想通貨税制改正」提言を公表、分離課税や損失繰越控除など優遇措置を要求
新経済連盟が2026年度税制改正で暗号資産税制の大幅優遇を提言。現在最大55%の税率を株式と同様の分離課税20%に変更、損失繰越控除導入、暗号資産間交換の課税タイミング見直しなどを要求。Web3企業海外流出に危機感を示し、日本の競争力向上を訴える。
17:39
リップル幹部が語る「大きな転換点」、RLUSDによる世界戦略と日本市場への期待|CoinPostインタビュー
XRPを発行する米リップルのシニア・バイスプレジデントにCoinPost独占インタビューを実施。SEC訴訟の勝利を分水嶺と位置づけ、戦略の中核であるステーブルコイン「RLUSD」を軸に世界展開を加速させるリップルの幹部に現在の手応えや今後の展望を聞いた。
17:29
Web3×AI時代に日本が取り残されないために|WebX2025
Web3とAIの技術融合について、Startale渡辺氏、Binance Japan千野氏、Robot Consulting横山氏が議論した。スマートウォレットやAIエージェントの実装事例、日本の規制課題と今後の展望を解説。
16:00
「トークンはネットワークの象徴」Animoca BrandsのYat Sui会長、WebXで文化へのインパクトを語る
Animoca Brands会長のYat Sui氏がWebX2025に登壇し、トークン化とそのネットワーク効果について、今後の展望について語った。「10億人をWeb3にオンボードする」という大胆な目標を掲げる同社が注力する分野も披露した。
14:49
SMBCステーブルコイン参入の真意、デジタル戦略部が語る未来|独占インタビュー
SMBCグループがAva Labs、Fireblocks、TISと締結したステーブルコイン基本合意の背景を独自取材。総合商社向けホールセール決済、独自のエンベデッド戦略など、詳細を聞いた。
14:00
自民党小森議員 暗号資産の分離課税議論は「順調に進展」残る課題は範囲の線引き|WebX2025
WebX2024で明らかになった暗号資産税制改正の最新動向。1000万口座突破を契機に政府が分離課税導入を本格検討。12月の税制改正大綱、2026年通常国会での実現が濃厚。焦点はDeFi・DEX取引の適用範囲。小森議員ら政府関係者と業界団体代表が語る実現への道筋を詳報。
13:50
米国と日本 仮想通貨規制の行方は? バイナンス幹部や元ホワイトハウス顧問などが議論|WebX2025
WebX2025で米国と日本の暗号資産規制の今後について塩崎彰久議員、バイナンス幹部、元ホワイトハウス顧問らが議論した。規制の整備による成長可能性や現在の課題などが語られている。
12:50
米キャンター、金保護付きビットコインファンドを提供開始
米キャンター・フィッツジェラルドが金価格による下落保護機能付きビットコイン投資ファンドを正式開始。5年満期で値上がり連動、金で元本保護を提供する新商品。
10:40
仮想通貨市場構造を定める「クラリティ法案」支持の条件は? 米民主党議員12名らが公開
米上院の民主党議員12名がクラリティ法案を支持する条件を公開した。CFTCへの追加権限付与、ステーブルコイン利回り禁止などを要求。トランプ大統領の仮想通貨事業を批判した。
10:23
暗号資産のデジタルウォレット、Bitget WalletとMetaMaskの機能比較と選び方
デジタルウォレットの特徴比較ページ。Bitget Walletは130以上のブロックチェーン対応、GetGas機能でUSDT/USDCでガス代支払い可能、3億ドル保護基金付きの次世代ウォレットです。MetaMaskとの詳細比較も紹介。
10:15
ハイパーリキッドが過去最高値更新、USDH提案で21チームが参加
人気DEXのハイパーリキッド(HYPE)が9日に55.04ドルで過去最高値を更新。USDHステーブルコイン提案にエテナやパクソスなど21チームが参加し注目を集めている。
08:30
世界2位のイーサリアム保有企業シャープリンク、自社株買いを開始
米シャープリンク社が9日、自社株買いプログラムの実行開始を発表。約36億ドル相当のイーサリアムを保有し、株主価値の長期的向上を目指す。
08:10
米Cboe取引所、ビットコインとイーサリアムの長期型先物を11月から開始予定
Cboeグローバルマーケッツが11月10日からビットコインとイーサリアムの継続先物取引開始を発表。10年満期で定期的なロールオーバー不要の新商品。
07:20
米国初のドージコインETF、木曜日上場予定 ビットワイズの申請は承認延期
レックス・シェアーズとオスプレー・ファンドのドージコインETF「DOJE」が木曜日に取引開始予定。一方でSECはビットワイズのドージコインETF承認を延期した。
06:25
メタプラネット、海外募集でビットコイン追加購入に1800億円超充当予定
メタプラネットが10日に海外募集による増資を決議した。調達資金2041億円のうち1800億円以上をビットコイン購入に充当し、トレジャリー戦略を強化する。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧