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中国系上場企業DDC、5000BTC保有目標のビットコイン準備金戦略を発表 

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

DDCのビットコイン準備金計画

米国上場の消費者向け食品ブランド「DayDayCook(DDC)」は15日、暗号資産(仮想通貨)ビットコインを戦略的準備金として採用する計画を発表した。

創業者兼CEOのノーマ・チュー氏は株主宛ての書簡で、「DDCをデジタル資産イノベーションの最前線に位置付けるための先駆的な取り組み」としてこの戦略を採用したと説明。すでに同社が100BTCを購入済みであることを明らかにした。

DDCのビットコイン戦略は、専任の財務管理チームと新たに増員された仮想通貨諮問委員会によって監督され、今後3年間で5,000BTC、2025年末までに500BTCの保有を目指すという。

DDCは、香港を拠点に中国本土で事業を展開しており、2023年にニューヨーク証券取引所に上場した食品ブランド。より健康的なライフスタイルのための食品の開発、製造、販売および、料理レシピやコンテンツ配信、広告サービスなども手掛けている。2024年の売上高は2億7,330万元(約54億円)で、前年比33%増と堅調な成長を記録した。

大幅な売り上げ増加の要因には、米国ブランドの戦略的買収と、中核事業である中国事業が好調であることが挙げられている。また、最近発表された中国ベンチャー企業との提携により、今後5年間で年間300万ドル(約4億3,500万円)の純利益が見込まれている。

このような好調な業績を背景に、DDCは仮想通貨を含めた準備金の多様化に取り組んでいる。チュー氏は、「ビットコインはマクロ経済の不確実性に対するヘッジであり、長期的な価値創造の基盤」と述べ、企業財務戦略としてのビットコイン投資の重要性を強調した。

中国の規制に対する対策

一方、中国本土で事業を展開するDDCにとって、ビットコイン準備金計画の取り組みにおいて懸念されるのが中国の仮想通貨規制問題だ。中国では2021年以来、仮想通貨の取引とマイニングを全面的に禁止しており、現時点でもこの規制は有効だ。

ただし、中国では仮想通貨の保有自体は明確には禁止されていない。DDCはビットコインを「戦略的準備資産」として長期保有する方針を表明しており、このような規制のグレーゾーンを活用している可能性が考えられる。

また、DDCは香港に拠点を持っているため、アジアにおける仮想通貨の主要ハブとしての地位確立を目指す香港の緩和された規制環境を利用することが可能とみられる。香港の法人を通したビットコインの購入や、米国や香港での資金調達により、中国の規制対象とならない資金をビットコイン購入に充てるという対策も考えられる。

DDCは3月、投資家グループが100BTCをDDCの財務準備金に拠出する引き換えとして、段階的なプレミアム価格設定モデルに基づいた普通株式の発行を行うと発表した。1株あたり0.50ドルから1.25ドルの範囲で発行されるもので、直近の取引水準に対して100%から400%のプレミアムがつくと説明されている。

透明性の向上と今後の展望

DDCのビットコイン準備金については、株主向けの書簡では公表されているが、米証券取引委員会(SEC)への最新の提出書類には、戦略やビットコイン保有について明確な言及がない。

中国の規制当局に対する配慮ではないかとの声も聞かれる中、このような透明性の不足は投資家からの信頼低下や株価への悪影響を招く可能性があり、今後の課題となる。

DDCの戦略には、このような透明性リスクとともに、ビットコインの価格変動リスクや、中国本土での仮想通貨規制強化リスクなどが伴う。

一方で、DDCの動きはビットコイン採用のグローバルトレンドと連動している。米国ではトランプ政権が仮想通貨推進政策を掲げ、戦略的ビットコイン準備金を設立した。ビットコイン保有の増加や準備金設立のトレンドは企業や州レベル、また国家レベルで広がっている。

関連:米国初の事例、ニューハンプシャー州が仮想通貨準備金の創設を認可

いち早くビットコインを法定通貨としたエルサルバドルの保有はよく知られるところだが、マイニングにより獲得したビットコインを保有するブータンにも注目が集まった。また、台湾の議員がビットコイン準備金創設を提唱したり、直近ではウクライナで準備金創設に向けた法整備が進んでいると報じられた。

関連:ウクライナ、国家のビットコイン準備金創設へ=報道

DDCは香港拠点と海外での資金調達を活用し、中国での規制を回避しつつビットコインの保有を進めている。中国本土で事業展開するDDCの活動が、今後どのように進展していくのか、中国当局の動向が注目される。

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