
ビットコイン戦略で増資へ
株式会社メタプラネットは27日、海外募集による新株式発行を行って増資することを同日開催の取締役会で決議したと発表した。
海外募集の主な目的は、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を大規模に短期間で購入して、ビットコイン純資産価値(BTC NAV)を飛躍的に拡大すること。今回調達する資金のうち約1238億円をビットコインの購入に充当する予定だとしている。
ビットコイントレジャリー企業に転身したメタプラネットは、資金調達を繰り返しながら、ビットコインの購入を継続中。今回の海外募集も、ビットコイントレジャリー戦略の一環である。
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海外で募集を行う理由は、持続的成長を実現するため。メタプラネットは、既存株主との関係強化に加えて、海外の大手グローバル機関投資家層とのアクセスおよびエンゲージメント強化が持続的成長に不可欠であると認識しているとした。
グローバル機関投資家は長期安定資金の供給源であると同時に、国際的な信認を高め、メタプラネットの資本市場での評価や流動性向上にも資する存在であると考えられると説明。そのため、今回の募集は海外市場で実施し、成長戦略の実現に向けた財務基盤の一層の強化を図ると述べている。
資金の使途
今回の海外募集による調達資金の手取概算額は約1303億円となる予定。このうちビットコイン購入に約1238億円充当するとし、購入は2025年9月から2025年10月にかけて行うとした。
また、約65億円はビットコイン・インカム事業に充当すると説明。具体的には、2025年9月から2025年12月にかけて、プットオプション売取引に係る証拠金の積み増しに充当すると述べている。
なお、今回の海外募集における発行済株式総数の予定推移は以下の通り。
- 8月22日現在の発行済株式総数:722,014,340株
- 本海外募集による増加株式数:555,000,000株
- 本海外募集後の発行済株式総数:1,277,014,340株
メタプラネットが海外募集の知らせをXに投稿したのは27日の午後5時過ぎ。同社の株価は27日の終値で890円と5.7%上昇し、28日にかけてのPTS(私設取引システム)での取引では901.9円まで値を上げている。
27日には海外募集に加え、第20回新株予約権の大量行使、第19回普通社債の一部繰上償還、第20回乃至第22回新株予約権の行使停止指定に関する知らせも公開した。
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