CoinPostで今最も読まれています

【速報】仮想通貨イーサリアムの大型アップデートが延期 リエントランシー攻撃への脆弱性発覚で

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イーサリアム大型アップデート、脆弱性の指摘受け延期が決定
日本時間17日午後1時頃に予定されていたイーサリアムの大型アップデート、コンスタンティノープルにおけるリエントリー攻撃への脆弱性が監査機関ChainSecurity社の指摘で発覚した。これを受け、イーサリアム財団はアップデートの延期を発表、Geth・Parity最新版へのアップデートを促した。

イーサリアムの大型アップデート、延期が決定

本日午前7時前後、イーサリアム財団が今週17日に予定されていた大型アップデート、コンスタンティノープルにおける脆弱性が発覚したため、延期を発表した。

今回の延期から考えられるイーサリアム(ETH)価格への影響とリエントリー攻撃に関する説明を追記しました。

具体的な脆弱性として挙げられたリエントリー攻撃が、スマートコントラクト監査団体のChainSecurityの公開した「コンスタンティノープルはリエントリー攻撃を可能にする」と題されたブログ投稿内で指摘され、発覚した

出典:ChainSecurity

今週17日に予定されていたアップデート項目の一つ「EIP1283」で、以前のイーサリアムより低いガス(取引手数料)が実現した事や追加される新たなスマートコントラクトのコードが今回の脆弱性の主な理由として挙げられている。なお、これらの脆弱性は、まだアップデートが行われていない現時点において未だ適用されていないため、問題かする心配はない。

ChainSecurity社の脆弱性に関する指摘を受けイーサリアム財団は急遽日本時間17日、予定されていたアップデートの延期を発表した。

出典:ethereum.org

延期をする上での対応としては、アップデート実行ブロックとして設定されていたブロック数7,080,000到達前に、ノード運営者(取引所、マイナー、ウォレットサービス提供者、等)がGeth、又はParityの最新版へアップデートするようを促している。

なおイーサリアム保有者は、アップデート延期に際して何もする必要はない。

アップデート延期、ETH価格への影響

今回の大型アップデート「コンスタンティノープル」延期発表はイーサリアムの価格にも影響を及ぼしている。

発表があった日本時間午前5時半前後、イーサリアム(ETH)価格は急落し、全面的に価格の下落がみられた上位仮想通貨銘柄においても他通貨よりも大きい約-6%の下げ幅を見せた。

出典:CoinMarketCap

出典:CoinMarketCap

リエントリー攻撃とは

また今回実装される予定だったコンスタンティノープル内のアップデート項目の一つであるEIP-1283で指摘されたのは「リエントリー攻撃」と呼ばれるもので、これはイーサリアムのスマートコントラクトに何度も入り(エントリー)、被害対象のアカウントから送金を過度にくり返してしまう脆弱性だ。

被害にあった場合、残高以上に複数回送金を攻撃先のアドレスにしてしまうバグである。

通常はガスと呼ばれる手数料を払う事でこのようなバグは免れていたが、今回のアップデートで取引手数料が低下する事もEIP-1283の脆弱性をさらに活用される可能性が懸念視されている。

脆弱性を発見した専門家のコメント

監査機関ChainSecurityのCTOで、今回リエントランシー攻撃の脆弱性を発見したHubert Ritzdorf氏は大手仮想通貨メディアCoinDeskに対して以下の様に述べた。

今までは少額のガスを払う事で便利な事はできたが、悪意のある事はできなかった。

しかし今回複数の機能が安くなった事で、さらに少額のガスで不正行為も可能になってしまう。

また同じくChainSecurityのCOO、Matthias Egli氏はこの脆弱性はイーサリアムバーチャルマシン自体の問題ではなく、イーサリアム独自の開発言語であるSolidity特有の問題であると述べ、コンスタンティノープル延期は正しい決断だとコメントした。

コアの問題ではなく、Solidityの仕組みがリエントリー攻撃を可能にする。(アップデートが実装された場合)

今まで考慮されなかったガス・コストを低下する事の余波はこれだろう。しかしこの脆弱性を修正したとしても、既に実装されているスマートコントラクトを「壊す」こととなるかもしれない。

(アップデートの延期は)正しい決断だ。少なくとも研究者達が実際の(ガス低下が与える)影響を考える時間が生まれる。しかし約1ヶ月は延期されるであろうハードフォークにおいて今回のEIP(1283)は含まれない可能性が高いだろう。

なお脆弱性を指摘したChainSecurity関係者は約1ヶ月延期されるであろうと予想しているが、現段階では本日発表された延期がいつまで続くかは未だ公表されていない。引き続きイーサリアムコミュニティからの新情報を待つ必要があると言える。

ビットコイン価格の乱高下やイーサリアム価格など、本日の仮想通貨市場に関する詳細はこちらからどうぞ。

ビットコイン価格が乱高下 相場の下落要因を3つの最新ニュースから考察|仮想通貨朝市況
ビットコインが断続的に値幅の大きい相場変動が起きている流れを引き継ぎ、日本時間5時30分付近で急落した。発表された下落要因になり得るニュースの最新状況を追った。
▶️本日の速報をチェック
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者10,000名突破。

CoinPostの関連記事

仮想通貨イーサリアム 「ProgPoW」の実装が仮決定|ASIC寡占の対策の重要性とは
1月4日のイーサリアムコア開発者の会合にて、イーサリアムの「ProgPoW」実装が仮決定した。それはASIC対策として機能するアルゴリズムであり、GPUマイニングの持続性と非中央集権性の維持という点で重要なものとなることが注目。
イーサリアム設立者ヴィタリック氏「チェーン分岐しない場合、アップグレードと呼ぶべき」|投資家不安を取り除く呼称を強調
イーサリアム設立者ヴィタリック氏は、ハードフォークとアップグレードの違いについて言及。投資家の不安を取り除く呼称にすべきであるとの見解を示した。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/16 火曜日
17:08
暗号資産取引関連の損益計算、約15%が「今回が初めて」と回答|Gtaxアンケート
株式会社Aerial Partnersが実施した「Gtax」利用者向けの2024年暗号資産(仮想通貨)確定申告アンケート結果。取引用途が多岐にわたり、計算処理が複雑化する中で、損益計算の計算ツールへの切り替え需要が高まっていることが示された。
16:23
テレビ朝日のBCGアクセラレータープログラム、競走馬育成ゲームを発表
株式会社テレビ朝日と株式会社テレビ朝日ミュージック、extra mileがブロックチェーンゲームアクセラレーター「tv asahi Blockchain Games」を立ち上げ。インキュベーションからパブリッシングまでのサポート。初のゲームタイトル「NEOBRED」も注目。
14:25
リップル裁判、23日の公判前にSECと和解する可能性は
米証券取引委員会対リップル社の公判が4月23日に迫る中、16日に公判前会議が予定されていることから、両者が和解するのではないかとの憶測が広まっている。
12:12
ビットコインなど仮想通貨相場リスクオフムード、中東情勢不安強まる
イランとイスラエルを巡る中東情勢は予断を許さず、仮想通貨相場は米株指数の下落に伴いリスクオフに傾いた。ビットコインの反発も限定的で、アルト市場にも強い下押し圧力が掛かっている。
11:30
アービトラム、不正防御プロトコルBOLDをテストネットローンチ
仮想通貨イーサリアムL2アービトラムの開発企業であるOffchain Labsは、テストネットで不正防御プロトコルBOLDを立ち上げたと発表した。
11:10
不動産RWAプロトコル「Parcl」、エアドロップ確認を開始
仮想通貨PRCLエアドロップに関しては現在Parclの公式ページからユーザーへの付与額を確認することができる。取得はまだ始まっておらず、同16日21時59分より始まる予定だ。
09:45
ドイツ最大の州立銀行が仮想通貨取引提供へ、LBBWとBitpanda提携 
仮想通貨取引プラットフォームBitpandaはドイツ最大の連邦州立銀行LBBWとの提携を発表した。法人顧客にビットコインなどの取引・保管を提供する。
08:45
ソラナブロックチェーン、混雑軽減のパッチを導入
今回正式にリリースされた「v1.17.31」は複数のアップデートにおける最初のものとなる。このパッチには、データパケットの処理方法と最適化の改善、特定のノードをその利害関係に基づいて分類する方法の変更、システムのローカルテスト環境におけるデフォルト設定の更新などが含まれている。
07:45
香港の仮想通貨現物ETF、アナリストが影響を分析
香港における仮想通貨ビットコインとイーサリアムの現物ETFへの流入額は、最大5億ドルだとブルームバーグアナリストは分析。米国のETF市場と規模を比較している。
07:00
ビットコイン半減期まであと4日、コインベースが動画で価値の変遷辿る
米仮想通貨取引所大手コインベースは1週間を切った半減期カウントダウンに合わせて、ビットコイン関連のソーシャルメディアCMを公開した。
06:20
OKX、ソラナミームコイン2銘柄新規上場
これらの仮想通貨銘柄はこれまで価格が大きく上昇してきてソラナの代表的なミームコインとなった。MEWは前日比で25.7%値上がりしている。
05:50
STEPNとアディダス提携、NFTスニーカーリリースへ
NFTの第一段階ラッフルミントは、日本時間4月17日9時よりアローリストのメンバーのみを対象とする。このコラボNFTを保有しているユーザーには、特典が今後付与される予定だ。
04/15 月曜日
16:12
香港当局、ビットコインとイーサリアムの「現物ETF」を上場承認
香港当局は15日、アジア初となるビットコインETFとイーサリアムETFの上場承認を行なった。中国マネーの流入や米SEC(証券取引委員会)におけるイーサリアム現物ETFへの影響が注視される。
13:52
オーストラリア当局、無認可の仮想通貨マイニング企業3社を提訴 
豪当局は仮想通貨マイニング企業3社を提訴した。金融ライセンスを取得せずに、年金ファンドで仮想通貨関連商品に出資するよう勧誘していたとされる。
11:52
ビットコイン急落後の週明け相場、2400億円相当の大規模ロスカットも
イスラエルとイランの対立先鋭化および中東情勢悪化に伴いビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)相場が暴落して迎えた前週末。先物市場では2400億円相当の大規模ロスカットが発生した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア