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米オピオイド危機──麻薬鎮痛剤「フェンタニル」関連取引で中国業者が仮想通貨を利用=Elliptic報告

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

中国業者の大半が、仮想通貨で代金受け取り

暗号資産(仮想通貨)分析企業Ellipticは23日に、麻薬鎮痛剤「フェンタニル」と仮想通貨に関するレポートを発表。フェンタニルに関する取引で、多くの中国業者が仮想通貨の形で代金を受け取っていると指摘した。

フェンタニルは鎮痛剤として使用される強力な合成オピオイドだが、米国では麻薬としての過剰摂取が問題となっており、同国における18~45歳の死因の一つともなっている。また、国際麻薬カルテルの利益源としても指摘されるところだ。

現在は、主にメキシコの麻薬カルテルが、中国の事業者から仕入れたフェンタニルの前駆体を使用して、フェンタニルを製造し米国に流しているとされる。

今回、Ellipticのリサーチチームは、フェンタニル関連事業者と電子メールなどでコンタクトを取り調査を行った形だ。フェンタニル前駆体を販売しており、支払い方法として仮想通貨を受け取る中国企業90社以上を特定した。

業者の一部は、商品が「フェンタニルの製造に利用できる」と明言。また、メキシコの顧客に前駆体を販売した際、相手方が米ドル建てステーブルコインのUSDTやビットコイン(BTC)で代金を支払ったとも述べたという。

出典:Elliptic

Ellipticによると、こうした業者の90%が支払い用の仮想通貨ウォレットアドレスを示した。ビットコインやUSDTの形で代金を受け取っている形だ。こうした業者への、仮想通貨による送金数は、前年比450%増加していた。また業者らのウォレットがこれまでに受け取った総額は約37億円(2,700万ドル)以上だった。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

仮想通貨を人民元に変換か

中国では、政府の仮想通貨に対する厳しい取り締まりが行われており、仮想通貨取引所も運営が禁止されている。また、中国外に拠点を置く取引所も、中国人居住者にサービスを提供できないことになっている。

そうした状況にも関わらず、今回Ellipticが調査した中国の業者の大半は、中国国外に拠点を置く3つの取引所でアカウントを持っており、これを使用していた。

Ellipticは、フェンタニル関連の業者が、仮想通貨を人民元に変換するために仲介業者を利用している可能性があると指摘している。

Ellipticは、該当する3つの仮想通貨取引所にフェンタニル関連業者の利用があると通知した。また、同社の提供する分析ツール内で、フェンタニル関連の販売事業に関係のある数百の仮想通貨アドレスにレッドフラグを立てている。

米国政府も認識

米国政府も、フェンタニル関連取引において、仮想通貨が利用されていることを認識しており、取り組みを行っているところだ。2019年時点で、フェンタニルの流通過程で仮想通貨などのオンライン決済が利用されていると指摘していた。

関連米ホワイトハウス「違法ドラッグの売買に仮想通貨が悪用されている」

今年4月にも、米財務省はメキシコの麻薬カルテルにフェンタニル前駆体を供給したとして中国の事業者を経済制裁リストに追加。こうした企業が支払いを受け取るための仮想通貨ウォレットも制裁指定している。

ホワイトハウスも同月、フェンタニルのサプライチェーンを取り締まる取り組みを強化すると発表した。

この際、「麻薬密売業者は、原材料供給業者と国境を超えた取引を行っており、テクノロジーを利用して資金を集めている」とも述べている。バイデン政権は、こうした犯罪者による資金や物資へのアクセスを阻止するために、政府機関全体で協力していくと続けた。

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