NEARプロトコル(NEAR)とは
NEARプロトコルは、分散型アプリケーション(dApp)プラットフォームであり、開発者とユーザーの利便性に重点を置いたイーサリアムの競合です。NEARはProof-of-Stakeブロックチェーンであり、スケーラビリティを実現するためにシャーディング技術を使用しています。
NEARプロトコルは、開発者やユーザーにとって使いやすいプラットフォームを作ることに重点を置いています。チェーン抽象化スタック「NEAR Blockchain Operating System (BOS)」を備え、暗号化されたウォレットアドレスだけでなく、人間が読めるアカウント名や、新規ユーザーがウォレットを全く必要とせずにdAppsやスマートコントラクトとやり取りできる機能を取り入れています。
資金調達と開発者
共同創設者のイリア・ポロスキン(Illia Polosukhin)氏は人工知能研究者としてのキャリアを持ち、ビッグデータ予測分析やテキストマイニングの分野で豊富な経験を積んでいます。グーグルでは深層学習と自然言語理解のリサーチャーとして3年以上技術管理者を務め、エヌビディアの大型カンファレンスにも登壇し、AIや機械学習における「トランスフォーマー」モデルについて論じました。
2 goats 🐐🐐 The handshake between @ilblackdragon (Founder of @NEARProtocol and Jensen Huang (Founder of @nvidia)
— Cade 🐺 (@CadeBergmann) March 20, 2024
AI is Near 🫡 pic.twitter.com/T18qfKHfTs
NEARは2017年に「NEAR.AI」という人工知能スタートアップとして立ち上げられましたが、2018年にブロックチェーン分野へ拡大しました。
NEARプロトコルは、2020年4月にトークンセールでアンドリーセン・ホロウィッツやパンテラ・キャピタルなどから2000万ドル以上を調達し、メインネットをローンチしました。2020年5月にはNEAR Foundationを設立し、2020年9月にはコミュニティ主導の運営体制へ移行しました。
NEARトークン
ネイティブNEARトークンは、NEARプラットフォーム上の取引手数料やストレージの支払いに使用されます。NEARプロトコルは現在100以上のノードで運営されており、バリデーターになるには最低67,000NEARトークンが必要です。トランザクション検証者はエポックごとにNEARトークンの報酬を受け取り、これは年率換算でNEARの総供給量の4.5%に相当します。
NEARプロトコルは取引手数料の一部を開発者に配分し、革新的でインパクトのあるdAppsを構築するインセンティブを提供しています。各取引手数料の一部は焼却(バーン)されるため、取引量が増加するほどNEARトークンの希少性が高まります。また、NEARはエコシステムの開発に再投資するために、毎年NEARの総供給量の0.5%を受け取るプロトコル金庫を設立しました。
ニア(NEAR)の現物ETFに対する期待とその根拠
米暗号資産マーケットメーカーのGSRは2024年6月、 ビットコイン(BTC)と イーサリアム(ETH)に続き、 ソラナ(SOL)が第3番目に承認される現物ETF(上場投資信託)となる可能性があり、実現した場合、価格は大幅に上昇するとの見解を示しました。
レポートでは、現物ETFの承認を獲得する重要な二つの要因として、分散化のレベルと市場の需要を挙げ、独自の指標を用いて、ニア(NEAR)を含む主要仮想通貨を分析し「ETF可能性スコア」を策定。
[caption id="attachment_541374" align="aligncenter" width="1086"]出典:GSR『Is Solana Next?』[/caption]先月承認されたイーサリアムがトップに、ソラナが2位、続いてNEAR、アバランチ(APT)、アプトス(APT)が上位5位を占めるという結果になっています。
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5つの注目点
1. 独自のシャーディング技術「Nightshade」
NEARプロトコル独自の「完全シャード化」されたネットワーク「Nightshade」は、バリデータの責任とブロックチェーン自体をより小さな部分に分割することでスケーラビリティを可能にしています。1秒間に最大10万トランザクション(TPS)を処理するよう設計されています。
2. ガス料金の一部のバーン
バリデーターにはプロトコルのインフレから安定した報酬が支払われますが、スマートコントラクトにガス代が発生した場合、このガス代の大部分(約30%)はスマートコントラクトの開発者に直接支払われます。取引量が多くなるほど、NEARの総供給量はデフレ(貨幣の価値が上がる)になるコンセプトです。
3. マルチチェーン再ステーキング「LiNEAR」
NEARプロトコルは、Chain Signaturesの導入により、NEARアカウントに紐づくスマートコントラクトから他のブロックチェーン上での取引への署名を可能にしました。ビットコイン、イーサリアム、コスモス、ドージコイン、XRP Ledgerなどの主要なブロックチェーンに対応し、将来的にはSolana、TON Network、Polkadotへの対応も予定しています。
Chain Signaturesに基づいた「LiNEAR」が稼働し、マルチチェーン、マルチアセットの再ステーキングフレームワークを構築し、NEARを含む非ETHアセットの資産運用を可能にしています。
4. カーボンニュートラル
NEARプロトコルは環境の持続可能性に重点を置いており、カーボンオフセット企業と提携してカーボンニュートラルを保証しています。NEARプロトコル上で構築する「Open Forest Protocol (OFP)」は、世界初のオンチェーンカーボンクレジットの発行を準備中。近い将来、リトアニアのカーボン開発プロジェクトから初の植林/再植林カーボンクレジットを発行予定。現在70以上のプロジェクトがプラットフォームに参加、さらに90以上が進行中です。
5. AIブロックチェーンとしての位置づけ
NEAR基金は、NEARを次世代のAI研究とアプリケーションのための最良のエコシステムにするために投資しています。
出資先の一つであるNEAR Blockchain Operating System (BOS)は、AIを活用した小売パーソナライゼーションを提供するCosmose AIと連携し、ロイヤルティと幸福感を高める超パーソナライズされたショッピング体験を生み出します。
さらに、NEARは「Near Task」というAI関連のプロダクトをリリースする予定です。Near Taskは、学習データをAIモデルに提供する分散型ツールです。