アービトラム(ARB)とは
アービトラムは、イーサリアムのL2プロジェクト。複数のプロダクトを開発してイーサリアムのスケーラビリティ問題の改善に取り組んでいる。アービトラムは、L2の中で最大級のマーケットシェアを誇る。
ARBはアービトラムのガバナンストークン。ARB保有者は「Arbitrum DAO」のメンバーとなり、プロジェクトの意思決定に参加できる。
主要プロダクトのArbitrum Oneのメインネットが正式にローンチしたのは2021年8月、ARBが発行されたのは2023年3月である。
- 現在価格(2025年10月3日時点):0.5495ドル(約80.8円)
- 年初来高値(2025年1月):0.954ドル(約140.1円)
- 年初来騰落率(YTD):−38.00%
- 過去最高値(2024年1月):2.40ドル(約352円)
価格動向
25年9月:Arbitrumが構築する経済圏:Digital Sovereign Nation(デジタル主権国)というビジョン
24年2月:イーサリアム”Dencun”最終テスト成功 レイヤー2銘柄で好調な市場反応
- 2024年5月:ガス代が1000分の1に スクエニ「シンビオジェネシス」がArbitrum採用
- 2024年8月:アービトラムのRWA採用事例、米運用会社大手F・テンプルトンのオンチェーンファンドが立ち上げ
- 2025年1月:イーサリアムL2のアービトラム、新プロトコル「BoLD」導入に向け最終投票開始
- 2025年1月:イーサリアムL2のアービトラム、ロッテのメタバースに過去最大の助成金提供
- Aave(約12.7億ドル):融資プロトコル。ユーザーは資産を担保に預け入れて借入を行えるほか、貸し出すことで金利を獲得できる。
- USD AI(約5.05億ドル):RWAレンディング。現実資産と連動したレンディングプロトコルで、安定した利回り獲得を目的とする。
- GMX(約4.91億ドル):永久先物の分散型取引所。ビットコインやイーサリアムなど主要暗号資産を最大100倍のレバレッジで取引できる。
- 資金調達総額:約1.2億ドル
- 大規模な投資ラウンド:(2021年8月、1億ドル調達のシリーズB)
- リードインベスター:Lightspeed Venture Partners
- フォロー投資家:Polychain Capital、Ribbit Capital、Pantera Capital、Alameda Research、Mark Cuban氏など
時価総額|関連銘柄
アービトラム(ARB)の時価総額は2025年10月時点で約24.1億ドルで、L2セクターの中では3位に位置する。同セクターで1位のMantle(MNT)の時価総額は約63.6億ドル、2位のポリゴン(POL)の時価総額は約25.1億ドルとなっている。ARBの下位には、イミュータブル(IMX)が約13.7億ドル、さらにオプティミズム(OP)が約12億ドル前後で続いている。
主な出来事
エコシステム支援組織
オフチェーンラボ:アービトラムのプロダクト群を開発する企業。イーサリアムが拡張性を向上させて、潜在能力を全て発揮できるように取り組んでいる。
アービトラム財団:アービトラムの技術の発展、助成金提供によるエコシステムの成長、コミュニティの教育をミッションにする企業。ArbitrumDAOのサポートも行う。
トークンアロケーション

ARBトークンは2023年3月に発行が開始され、初期発行量は100億ARBで、インフレ率は最大で年2%と設定された。
初期発行分は、Arbitrum DAOに35.28%(約35億ARB)、チーム・貢献者・アドバイザーに26.94%(約27億ARB)、投資家に17.53%(約18億ARB)、ユーザーへのエアドロップに11.62%(約12億ARB)、アービトラム財団に7.5%(7.5億ARB)、アプリ開発のDAOに1.13%(約1.1億ARB)が配分されている。
この内、投資家とチームへの配布分は4年間のロックアップ期間を設定。トークン発行した23年3月16日の1年後に最初の分をリリースし、その後3年間は毎月アンロックしていくとした。
また、アービトラム財団への配布分は23年4月17日からロックアップを開始。より頻繁に少量ずつリリースする「ライナー型」を採用し、4年かけてロックを解除すると説明している。
Total Value Locked(TVL)
Total Value Locked(TVL)は、DeFi(分散型金融)プラットフォームやプロトコルの価値を評価するための重要な指標の一つ。2025年10月時点、アービトラムのTVLは約36.9億ドル。プロトコル別のTVLトップ3は以下の通り。
出資している主なVC
アービトラムの将来性
ロードマップ
オフチェーンラボが2024年8月に公開したロードマップによれば、アービトラムのプロジェクトは現在も様々な技術のアップデートに取り組んでいる。今後も使いやすさ、相互運用性、実用性を向上させて、アービトラムの普及を推進していくと説明した。
具体的には、トランザクションの順序を決めるシーケンサーの分散化、独自チェーン(オービットチェーン)の拡張性や相互運用性の向上のための新ツール提供などを行なっていくとしている。
期待される今後の動向
アービトラムは、トラザクション処理を速めたり、トランザクションコストを安価にできたり、各プロジェクトが独自チェーンを展開したりできることなどから、今後も技術の採用が進み、エコシステムが発展する可能性がある。
特に注目を集めているユースケースの1つが、手数料を安価にする必要性が高いブロックチェーンゲーム。実際に、国内ゲーム大手のスクウェア・エニックス社の「SYMBIOGENESIS(シンビオジェネシス)など、採用が続いている。
投資リスク、懸念材料
ARBトークンに投資する上で認識しておきたいリスクは、L2ソリューションの領域は競合プロジェクトがあること。イーサリアムのスケーラビリティを解決しようと取り組み、ユーザー獲得を争っているプロジェクトが複数存在しているため、アービトラムの今後の動向を注視する必要がある。
また、Arbitrum One上のシーケンサーを、最初はオフチェーンラボが管理する中央集権的な主体が担っていることなど、分散化を進められるかも注目が集まっている。



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