イーサリアムクラシック(ETC)の概要
イーサリアムクラシック(ETC)は2016年7月、イーサリアム(ETH)から分裂して誕生した仮想通貨である。
イーサリアムのネットワークは2016年6月に、自律分散型投資ファンド「The DAO」への攻撃によって流出した仮想通貨DAOを取り戻すためハードフォークを実施。このハードフォークを支持しなかったマイナーによって存続することになった旧仕様のイーサリアムが、現在のイーサリアムクラシックである。なお、分裂したネットワークが現在のイーサリアムだ。
イーサリアムとの相違点
分裂から誕生したため、イーサリアムクラシックは、イーサリアムと共通する特徴を多く備えている。ローンチ後に、イーサリアムのアップグレードを踏襲した内容で、ネットワークをアップグレードすることがあることも特徴だ。
特に大きな共通点は、分散型アプリ(dApps)を構築することに使用できる分散型ブロックチェーンプラットフォームであることと、パブリックブロックチェーンであることだ。
コンセンサスアルゴリズムは、ETH1.0と同じくPoW(プルーフオブワーク)を採用。イーサリアムクラシックは、一定の計算量を実現したことが確認された記録者を管理者とすることで、台帳内の新規取引を記録するノード全体が承認する方法をとっている。
イーサリアムクラシックには明確な発行主体が存在せず、プログラムによって自動的に発行され、発行上限は2.1億枚で、発行枚数の上限は変更できないように設定されている。
また、15秒で1ブロックが生成されるようになっており、500万ブロックごとに発行数が20%減少する仕組みが導入されていることもイーサリアムと異なる点だ。
イーサリアムクラシックは、過去に51%攻撃の標的となったことがあり、それによって資産の移転の記録が遅延することも懸念されたが、2020年10月に、一時的にファイナリティ認識に補正を加える「MESS(Modified Exponential Subjective Scoring)」が追加された。
ユースケース
イーサリアムクラシックのブロックチェーンの主な用途は、送金、決済、スマートコントラクトとされている。
イーサリアムと同様に分散型アプリを構築できる機能を備えているが、大手企業との提携といった大きなユースケースは現時点ではない。
今後については、IoT(モノのインターネット)領域での活用が期待されている。