COSMOS(ATOM)の概要
ブロックチェーンのスケーラビリティ、インターオペラビリティの解決を目指すCosmos Network(コスモス・ネットワーク)は、Tendermint(テンダーミント)社によって開発されている。
Cosmosのブロックチェーンは「コスモスハブ」と呼ばれ、このエコシステム上で取引されるネイティブ・トークンは「ATOM」と呼ばれる。ATOMは、手数料の支払い、ステーキング、ガバナンスで使用される。
コスモスハブでは、Proof of Stake(PoS)コンセンサスアルゴリズムをベースに、デリゲーター(Delegator)と呼ばれる仕組みを採用している。
このシステムでは、トークンの保有者に対し、その保有量に応じた投票権が与えられる。トークン保有者は自身が推薦するノードに投票することで、ブロック生成の権利を委任(Delegate)できる。コスモスの場合、自身のトークン保有量と他のトークン保有者から委任された票の合計上位125位までのノードが、ブロック生成に参加できる仕組みとなっている。
3つの主な特徴
「インターネット・オブ・ブロックチェーン」をコンセプトに掲げるCosmosは、IBCという通信規格を用いて、異なるブロックチェーン同士をつなげて相互に運用・拡張するシステムの構築を目指している。
1. 互換性のないブロックチェーンをつなぐ
Cosmosは、コスモスハブに接続する「Zones」を使うことで、各ブロックチェーンアプリケーションに接続することができる仕組みを構築している。
2. スケーラビリティ問題を解決する
Cosmosは、ブロックチェーン同士を接続し、相互運用性によって負荷を軽減することで、スケーラビリティ問題を解決できるとしている。
3. ブロックチェーンを簡単に作成・使用できる
Cosmosは、「Cosmos SDK」と呼ばれるブロックチェーン開発ツールを一般に無料で公開している。このツールを使えば、開発者は誰でもゼロからブロックチェーンを作成できる。また、作成したブロックチェーンは、Cosmos上で相互運用できるようになっている。
Cosmosでは「Ethermint(イーサミント)」と呼ばれるEVM(イーサリアム仮想マシン)ツールが提供されており、これにより作成したブロックチェーン上でスマートコントラクト機能を実行できるようにもなる。
その他
2020年3月、トヨタ自動車は、中古車販売に関するデータをブロックチェーン技術で連携させること、そしてそのブロックチェーン(サイドチェーン)にCosmosの技術を使用することを発表している。
日本国内の仮想通貨取引所では、GMOコインでATOMを購入することができる。