コスモスで刻印を
Web3プロトコルの研究開発を行うDelphi Labsは17日、暗号資産(仮想通貨)コスモス(ATOM)のブロックチェーン「Cosmos Hub」で「Inscription(刻印)」を行うことができるオープンソースフレームワーク「Asteroid Protocol(以下、Asteroids)」を発表した。
刻印とは、NFT(非代替性トークン)のようなトークンや一般的なトークンを発行できる機能のこと。ビットコイン(BTC)の「Ordinals」から他のブロックチェーンに機能の実装が広がっており、「Asteroidsを使えばCosmos Hubで誰でもコンテンツを永遠に公開することができるようになった」と同社は説明している。
Hello, world!
— Asteroid Protocol (@asteroidxyz) January 16, 2024
We’re Asteroid Protocol, a brand new open-source inscriptions framework for Cosmos Hub and beyond.
Get started at https://t.co/igmRgm3c6q or read on ⏬ pic.twitter.com/ai4bzSDzaN
関連:BRC-20とは?ビットコインのトークン規格がもたらす可能性と課題
Asteroidsは、Delphi Labsとコスモスの流動性プロジェクト「Astroport」が協力して開発。ユーザーは画像やテキストなどをトークン化したり、代替性トークンを発行したりするためにAsteroidsを利用することができる。
一方、Asteroidsのソフトウェアや規格は、まだ実験段階であるとDelphi Labsは説明している。監査を受けておらず、Delphi LabsやAstroportらのどの主体も利用を推奨しているわけではないとした。
コスモスとは
「Internet of Blockchains(ブロックチェーンのインターネット)」の構築を目指すプロジェクト。ブロックチェーンの相互運用を実現することを目指している。
▶️仮想通貨用語集
関連:初心者でもわかるコスモス(ATOM)とは|注目点と将来性を解説
Asteroidsの概要
Asteroidsは厳密にはフレームワークで、エクスプローラーやAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)、トークン規格「CFT-20(Cosmos Fungible Token)」、ソフトウェアなどを含んでいる。
Keplrウォレットを使えば、画像などのNFTのようなトークンやCFT-20トークンを誰でも発行することが可能であると説明。17日にはすでに「ROIDS」という世界初のCFT-20トークンが発行された。
Delphi Labsらは刻印について調査していた時に、これはWeb2とWeb3の架け橋になる技術だと感じたという。
刻印の技術が生まれる前は、開発者はスマートコントラクト言語やWeb3開発ツールを学習する必要があったが、刻印ではスマートコントラクトのコードを書かなくてもWeb2の開発者らがアプリを構築するためにブロックチェーンデータを活用することができるようになったと述べている。
そして、刻印はCosmos Hubの機能を向上させたり、バリデータのために新たな手数料収入を生み出せたりできると期待を示した。
Delphi Labsの共同創設者Luke Saunders氏はXで以下のようにコメントしている。
画像やトークンの発行は、ただの最初のユースケースである。
Asteroidsではもっと多くのことを行うことが可能だ。
関連:ポリゴン、トランザクションが急増しガス代が急騰 「PRC-20トークン」が影響か