クアンタム(QTUM)の概要
クアンタム(QTUM)は、シンガポールを拠点とするQtum Chain Foundation Ltd.が主導するプロジェクトだ。創設者はPatrick Dai(パトリック・ダイ)氏で、中国Eコマース大手アリババのデジタルエンターテインメント部門のチーフを務めた人物。
クアンタムでは、ビットコインで用いられている安全性の高い残高確認方式(UTXO)を採用。なおかつ、イーサリアムと互換性のあるスマートコントラクトも実装しているため、ビットコインとイーサリアムの長所を掛け合わせた暗号資産(仮想通貨)とも言われる。
提携
クアンタムは巨大IT企業との提携にも力を入れている。18年10月、Amazonの子会社でクラウドサービスの運営などを行う「Amazon Web Services(AWS)」とのパートナーシップの締結を発表。この提携により、世界中で利用されているAWS上で、クアンタムのブロックチェーンを構築できるようになった。
19年5月には、Googleのクラウドサービス「Google Cloud」との提携も発表。Google Cloud上でクアンタムのブロックチェーンを使ったアプリ開発が可能となった。
機能
またクアンタムは、21年4月30日にメインネットでハードフォーク「Fast Lane」を実施。EVM(イーサリアム仮想マシン)のアップデートが行われ、ブロック生成の高速化が実現。
インフラの開発では、レイヤー2ソリューション「zk-rollup」の実装なども予定されている。これはゼロ知識証明をトランザクションの有効性に応用した技術で、1つのトランザクションの中に複数の取引データを入れることで、ネットワークへの負担を軽量化させるといった特徴がある。
NFT取り扱い
CEOであるパトリック・ダイ氏によれば、NFT関連の開発も進行中であるといい、近くクアンタムのモバイルウォレット上でNFTを発行・移動・保管ができるようになるという。また、イーサリアムと比べて低コストになることも明かされている。
クアンタム(QTUM)を取り扱う国内取引所は、22年2月現在5ヶ所となっている。