はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン暴落の影響で新たな「市場の歪み」 個別銘柄ではクアンタム(QTUM)が最高値更新

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン相場

仮想通貨市場では、ビットコイン価格が18日に暴落。14日に記録した過去最高値64,850ドルから一時51,300ドルまで急落し、-20%以上の大幅下落となった。

Bybtのデータによれば、18日のフラッシュ・クラッシュの発生に伴い、過去24時間で99.8億ドル(約1兆ドル)ものロングポジションがロスカットされた。累計時価総額の内、実に3600億ドル(約40兆円)が吹き飛んだ計算だ。

関連:ビットコイン続落 1兆円規模の大量清算発生

BTCは14日、コインベース上場前に過去最高値まで高騰するも、アルトシーズンの反動とセルザファクトで売り優勢に。

18日にかけて下降チャネルに沿って上値・下値ともに切り下げる中(①)、心理的節目の6万ドルで下値支持線を割り込み、大口売りがロスカットの連鎖を誘発したものと考えられる。2月以降の強気トレンドを支えていた中期トレンドライン(②)の押し安値を割り込んだことも市場心理を悪化させた。

一方、オシレーターの4h「RSI(相対力指数)」では年初来最低水準の20%台まで急落しており、反転シグナルも確認できる。これは、1月や2月の暴落水準をも下回る売られ過ぎ水準(③)を示唆しており、日柄調整が済めば、再び上値を追う可能性も考えられる。

新型コロナの感染拡大に伴う世界経済の打撃は深刻で、米連邦準備制度理事会(FRB)は「向こう数年間、テーパリング(量的緩和縮小)は時期尚早」とのコンセンサスを示しており、大局のシナリオは崩れてないからだ。

株式市場などで緩和マネーによる官製バブルが続くようであれば、米ドルなど法定通貨の価値毀損(物価上昇)懸念はより強まり、企業や機関投資家のインフレヘッジ需要は、代替資産性の強いゴールドやビットコイン市場への関心を喚起することになる。

全面安となったアルト市場含め、仮想通貨の押し目買い意欲は引き続き旺盛で、BTCは19日昼時点で57,000ドル台まで回復した。週足陰線が続いた場合や月足陰線を付けた場合は、目先天井への警戒感が強まることになるため、下落トレンド転換するおそれもあるターニングポイントと言えそうだ。

各種データに市場の歪み

BTC急落に伴い「キムチプレミアム(Kimchi premium)」が+25%台まで上昇した。

キムチ・プレミアムとは、韓国と他国におけるビットコインの価格乖離を示すもの。韓国特有の資本規制のため、海外を含む取引所間の価格差を利用して利益を得る「裁定(アービトラージ)取引」が機能しにくい側面が指摘されており、17年5月には最大+63%、18年1月には+47%ものプレミアムが確認されている。

なお、Glassnodeのデータによると、ビットコイン先物市場のFunding Rate(資金調達率)は平均-0.03%のマイナス乖離水準まで大幅下落した。最高値更新時には+0.1%〜0.15%水準で過熱感が指摘されていたが、大きく弱気へと傾いた。

出典:Glassnode

ポジションの保有コストを示すファンディングレートは、ポジション保有に掛かるコストを指すものだ。ファンディングレートの偏りはポジションの偏りを示唆しているが、マイナス乖離は比較的早期に是正される可能性が高い。

関連:投資初心者向け講座|仮想通貨ビットコインの「トレンド転換点」の見極め方

懸念が強まった背景としては、米国の規制に関する報じられたことや新疆ウイグル自治区の大規模停電の影響で、ハッシュレート(採掘速度)が前日比40%急落。秒間120EH/sまで低下したことも挙げられる。

Wu Blockchain(@WuBlockchain)氏は、大手マイニングプールのハッシュレートに多大な影響を及ぼしていることを16日昼時点で報告している。停電は、ウイグル自治区の炭鉱事故(洪水被害)を発端に実施された中国政府による包括的な安全検査、あるいは計画停電によるものだという。

採掘シェアの大部分を占める地域での採掘中断は全体ハッシュレートの急落をもたらし、中国情勢の警戒感とビットコインネットワークの堅牢性低下懸念などが売り圧につながった可能性は否めない。

オンチェーンアナリストのWilly Woo(@woonomic)氏は、今回のハッシュレートの大幅下落について、17年11月の相場でも相関性が見られたと指摘。一方で18日16時頃には、すでにハッシュレートが「ほぼ完全に回復した」ことを報告している。

出典:Glassnode

ビットコインが急落した18日昼頃には、米金融機関による仮想通貨に関わるマネロン疑惑と財務省による告訴に関する投稿が拡散された。

仮想通貨・DeFi(分散型金融)に精通する米国のJake Chervinsky弁護士は「財務省のスタンスや情報漏洩の観点から、ソースの正確性は疑わしい」との見解を示しており、もしフェイクニュースであれば相場操縦にあたるとの指摘がある。

個別銘柄の動向

仮想通貨市場が全面安となる中、クアンタム(QTUM)が前日比26%高の2,200円台まで高騰。暴落前水準を上回り、年初来高値を更新した。

クアンタムは、シンガポールを拠点とするQtum Chain Foundation Ltd.が主導するプロジェクトだ。ビットコインで採用されるUTXO方式とイーサリアムと互換性のあるスマートコントラクトが実装されていることが特徴とされる。

4月30日頃(ブロック高:845,000)に迫るハードフォーク及び大型アップデートが材料視された。

創業者のPatrick Dai(@PatrickXDai)氏は、「ハードフォーク後は、イーサリアム2.0で実装予定の機能を複数備えることになる。最も分散されたPOSプラットフォームの1つ。」としている。

最新のロードマップはこちら。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/18 木曜日
16:50
「社会のジレンマを突破する」日本初のステーブルコイン発行ライセンス取得、JPYC岡部典孝氏が語る|独占インタビュー
JPYC株式会社が日本初の日本円建てステーブルコイン発行ライセンスを金融庁から取得。代表の岡部典孝氏が語る100万円制限の実態、3年後10兆円の発行目標、プログラマブルマネーがもたらす金融革命とは。
13:40
ウォーレン米議員ら、トランプ政権の仮想通貨特命官に対する倫理調査を開始
エリザベス・ウォーレン米上院議員ら8名の民主党議員が、トランプ政権のAI・仮想通貨特別顧問デービッド・サックス氏の特別政府職員としての任期制限超過疑惑について倫理調査を開始した。130日の上限を超過している可能性を指摘し、詳細な勤務日数報告を要求している。
13:35
米SECが承認、BTCやXRP投資のマルチ仮想通貨投資信託のETF転換
米SECがグレースケールのマルチ仮想通貨ETPを承認し、ビットコインやイーサリアムなど5銘柄への一般投資家アクセス投資が可能になった。新たな包括的上場基準も同時に導入されている。
13:02
ポリマーケットでの裁定取引で年間60億円の利益発生か 研究者ら分析
分散型予測市場ポリマーケットでミスプライシングを利用した裁定取引により年間60億円の利益が発生しているとの論文が発表された。研究者による分析を解説する。
12:04
FRB利下げ決定も仮想通貨の市場反応は限定的、BNB前週比9.2%高で1000ドルの大台迫る
FOMCでは米FRBが0.25%利下げを決定したが、暗号資産(仮想通貨)への影響は限定的だった。主要アルトコインでは、BNBが前週比9.2%高の1,000ドル目前に。背景としては、バイナンスの規制環境の進展の兆しとMegadropなどの需要が挙げられる。パウエル議長は年内2回の追加利下げを予想するも慎重姿勢を維持。
11:03
業界の行方を決める「天王山」に臨む──ビットバンク廣末氏が描く未来戦略
ビットバンク廣末紀之CEOが語る、預かり資産1兆円規模への成長と今後の展望。金商法への移行と分離課税実現に向けた2025年後半は業界の「天王山」。
11:00
ビットコイン・トレジャリー企業の勢い減速か、4社に1社が純資産割れで取引=K33報告
K33リサーチなどが報告したところによると、ビットコイン・トレジャリー企業の4分の1が純資産価値を下回る時価総額で取引されており、業界の統合が進む可能性が指摘された。
10:02
ヴィタリック、イーサリアムの開発計画をプレゼン
ヴィタリック・ブテリン氏は、仮想通貨イーサリアムの開発計画についてプレゼンを行った。大阪で開催されているイーサリアムのカンファレンスEDCONに登壇した。
09:40
フォワード・インダストリーズ、最大5900億円規模の資金調達でソラナ戦略を推進
米上場企業フォワード・インダストリーズが最大40億ドル規模のATM増資で仮想通貨ソラナトレジャリー戦略を推進する。DeFi Development Corpもソラナ買い増しを発表した。
08:45
トランプ・ジュニア出資のサムザップ、750万ドージコインを初購入
米ナスダック上場のサムザップメディアが750万ドージコインを200万ドルで公開市場から初回取得したと発表した。
07:20
米SEC、仮想通貨ETF上場手続きを大幅簡素化へ
米証券取引委員会が、ナスダック、Cboe BZX、NYSEアルカの3大取引所による包括的上場基準を承認。今後、仮想通貨を含むコモディティベース株式の上場プロセスが大幅に簡素化される見通しである。
07:10
SBI新生銀行、トークン化預金「DCJPY」の導入を検討へ
SBI新生銀行は、円建てトークン化預金DCJPYの導入を検討すると発表。JPモルガンらが参加するプラットフォームを活用し、トークン化預金での多様な外貨の取り扱いも検討する。
06:50
仮想通貨取引所Bullish、NY州からビットライセンス取得 米国展開へ
機関投資家向け仮想通貨取引所ブリッシュが17日にニューヨーク州金融サービス局からビットライセンスと送金業ライセンスを取得したと発表した。
06:25
マネーグラム、ステーブルコイン送金サービス開始 
国際送金大手のマネーグラムが9月17日にクロスミントと提携しステーブルコインを活用した新たな送金サービスを南米コロンビアで開始すると発表した。
06:02
カルシ、予測市場エコシステムハブ開始 ソラナとベースと提携
予測市場プラットフォーム大手Kalshiが17日、ソラナとベースとの提携によるエコシステム支援ネットワーク「カルシエコ」の開始を発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧