ソラナ(SOL)は、高速かつ低コストなスマートコントラクト基盤として代表的なブロックチェーン。元クアルコムの開発者であるアナトリー・ヤコヴェンコらによって考案され、2020年3月にメインネットが起動。並列処理による高スループットと低コストを特徴とし、最もアクティブな取引市場のひとつを形成。
初期支援を受けたFTX.comの創設者サム・バンクマン・フリードの破綻による影響を受けたが、2023年には940%の大幅成長を遂げ、時価総額で4位以内に返り咲いた。さらに、米国で現物ETFが申請されるなど、先行するイーサリアムを脅かす最有力プロジェクトとして注目を集める。
価格
- 年初来高値(2024年3月):200ドル(約31,500円)
- 年初来騰落率(YTD):+80%
- 過去最高値(2021年11月):259.97ドル(約41,000円)
価格予測
23年10月:2030年ソラナ価格、335ドル~3,211ドル|米資産運用会社VanEck
24年2月:ARKのキャシー・ウッド「ソラナが暗号資産市場の未来に大きな影響を与える」
時価総額|関連銘柄
ソラナ(SOL)の時価総額は2024年7月時点で約700億ドル。「スマートコントラクト」セクターの中では3位。同セクターでトップのイーサリアム(ETH)は約3720億ドル。2位のBNBの時価総額は約800億ドル。
主な出来事
- 22年11月:FTXおよびアラメダ・リサーチの破綻
- 23年4月:ソラナ・モバイル「サガ」発売
- 24年1月:ソラナ・モバイル「チャプター2」先行販売開始
- 24年5月:ソラナジャパン本格始動(Superteamが日本でも発足)
- 24年6月:米国初、ソラナ現物ETFの申請
エコシステム支援組織
ソラナラボ:サンフランシスコに拠点を置く技術企業。ソラナブロックチェーンのコアインフラの開発と改良を担う。ソラナで開発するプロジェクトへの投資や、一部インキュベータープログラムの運営も行う。
ソラナ財団:スイスのツークに拠点を置く非営利財団。ソラナ・エコシステムの分散化、採用促進、バリデータノード運用者の支援、助成金や資金提供プログラムの運営、ハッカソンやイベントの開催などを手掛ける。
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トークンアロケーション
24年7月現在、ソラナの総発行量は5.8億SO。そのうち、4.64億SOL(約80%)が流通。初期発行のかなりの部分がロック解除された。
ソラナラボ・財団は、トークン発行時点の配分はそれぞれ、12.79%、10.46%だった。これらのSOLは、ステーキング(委任)されているが、ロックはされていない。また、両社は直接バリデーターを運営していない。
22年11月のFTXの破綻時点、アラメダは、2億9,200万ドルの「ロックされていないSOL」、8億6,300万ドルの「ロックされたSOL」、4,100万ドルの「SOL担保」を含む多額のSOLを保有していた。2023年に懸念されたアラメダリサーチのウォレットが保有しているSOL残高は、現在は0だ。
Total Value Locked(TVL)
Total Value Locked(TVL)は、DeFi(分散型金融)プラットフォームやプロトコルの価値を評価するための重要な指標の一つ。2024年7月時点、ソラナのTVLは約54億ドル。プロトコル別のTVLトップ3は以下の通り。
- Jito(22億ドル):リキッドステーキング。SOLを預けてステーキング報酬を受け取りながら、JitoSOLを運用できる。
- Marinade(14億ドル):リキッドステーキング。SOLを預けてステーキング報酬を受け取りながら、mSOLを運用できる。
- Kamino(14億ドル):融資プロトコル。SPLトークンを担保として預け入れることで、保証金の一定割合を借り入れできる。または保有資産を貸し出すことで金利を稼げる。
- 資金調達総額:約3.6億ドル
- 大規模な投資ラウンド:(2021年6月、3.1億の私募トークンセール
- リードインベスター:a16z 、Polychain Capital
- フォロー投資家:Multicoin Capital、Alameda Research、CMS Holding、Coinfund、CoinShares、Jump Trading、ParaFi Capital
出資している主なVC
ソラナの将来性
ロードマップ
Firedancer(ファイアダンサー):Solana Foundationと共同でJump Cryptoによって開発されている新しいバリデータクライアント。トランザクションのスループットを向上させ、待ち時間を短縮する。2025年にアップデートを予定。
期待される今後の動向
1. 2024年にはいくつかの注目すべきエアドロップが予定されている。Kaminoファイナンスは融資、流動性、レバレッジを統合し、KMNOトークンのエアドロップが予定される。エアドロップはユーザーを巻き込み、エコシステム内で新しいプロジェクトを促進する戦略だ。
2. 2024年6月、投資会社21シェアーズとVanEckはそれぞれ、米国でソラナ現物ETFの上場(S-1登録)を申請した。BTCやETHと異なり、先物市場CMEがまだSOLを取り扱っていないため、規制欠如として承認される可能性は低いとの声もある。しかし、21Sharesの法務責任者は「CMEの先物契約に仮想通貨トークンを含めることは法的な前例になるが、ETFの適格性の唯一の基準とすべきではない」とコメントした。
投資リスク、懸念材料
1. ネットワーク障害:ソラーナは過去に何度かネットワーク停止を経験しており、その信頼性と安定性に懸念が生じてきた。ユーザーの信頼を維持するため、安定した稼働時間を確保することが重要だ。
2. 規制リスク:多くの仮想通貨と同様に、ソラナは規制当局の監視の対象となり、その運営や市場の認識に影響を与える可能性がある。