はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン市場の流れを見る「大局観」 採掘難易度の底値がヒント

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインと採掘難易度
ビットコイン急落後の反発ポイント時に、採掘難易度関連指標が同水準で底値を示していたとの指摘が行われた。仮想通貨市場の大局観に活用の可能性は?

マイニング難易度からみるビットコイン市場の大局観

非常に高いボラリティで知られる仮想通貨市場だが、一方で周期的変動も観測されてきた。

仮想通貨アナリスト達は、それぞれの周期が続く長さ、そして市場を動かす要因を予測するために様々なツールや要素を用いて分析する。

移動平均やドミナンスなど、仮想通貨の市場でもこれまで複数の指標が、市場の予測ツールとして活用されてきたが、業界特有のマイニングのデータを用いた予想が再び海外で注目されている。

仮想通貨研究者の「PlanB」は、マイニングデータのなかでも、マイナーの採掘コストに影響する採掘難易度がビットコイン(BTC)価格を予測するための指標になる可能性があるとみている。

採掘難易度の底とビットコイン価格周期の関連性

「PlanB」によると、ビットコインの歴史上で3回あった主な強気相場はすべて、マイニング(採掘)の難易度が底に達した後に開始しており、その点から予測すると、今年の市場は堅実な成長を遂げることができるという。

過去の強気相場では、ATH(※ All Time Highの略で、過去最高値の意。)が更新された後に、価格が急下落したことで、マイナーの大半が利益を出せないラインまで下落していたことを指摘。利益継続を厳しいと見るマイナーの淘汰などを背景に、ハッシュレートも大きく下落する。

ハッシュレートが下落することは、難易度の調整タイミングで、採掘難易度が適正値に変更されることとなるが、一定水準まで断続的な下落が発生することで、難易度の底値(利益が出せる水準まで落ちること)に達することがこれまでにも見られたと指摘する。この難易度の底値が、市場価格における底値と相関を示していると見ているという。

基本的に価格が先行するため、ハッシュレートは市場の先行指標にはなり得ないが、大局を見る上で、ネットワークのセキュリティを維持するマイナーの存在とその動向は、仮想通貨特有の相場指標になり得るとの見方だ。

ビットコイン価格が上昇し、採掘競争が激化すると、マイニングの基準値が大きく上昇し、それまで利用していたハードウェアの運転では利益が回収しづらい状況に陥る。大手マイナーは、日々採掘効率の向上を図り、先進的なマイニング環境を整えているが、競争スピードの速さと、収益の要となる価格のボラティリティの高さから、安定化には程遠い状況にある。

最新マシンの導入タイミングも一つのポイントになるが、市場急落のポイントが、最も影響を及ぼしやすく、ハッシュレートの下落に伴い、承認遅延や、マイナーの利益確保に伴う通貨売りは、市場の警戒指標になり得ていたため、難易度の底が、大局の転換ポイントになるとの指摘は、相関性がある可能性は十分にある。

今回示されたデータでは、収益ポイントの基準となる100%の基準で市場が転換ポイントを迎えていることを示している。

過去10年間の間、ビットコインの採掘難易度が最低になるポイントは、シェアされたグラフを見ると、採掘難易度の底は、2012年始め、2015年の第2四半期、そして2018年末に位置している。

このグラフからは、難易度の下落が、3-4年周期、または採掘難易度の底が観測されてからおおよそ2万ブロック後に訪れることも伺える。

こうした周期が今後も繰り返される保証はなく、ハッシュレート値が増加することでの、難易度のイフレーション値は右肩さがりに推移しているも、市場価格の上昇余地はあると見ることもできる。

「PlanB」のtweetの返答では、このことを踏まえて昨年、採掘難易度が底に達した際のビットコイン価格は3,500ドル(約37万円)周辺だったことから、今後数年で、ビットコイン価格が35,000ドル(約370万円)から75,000ドル(約790万円)辺りが、次の警戒ポイントに当たるのではないか、と予想した。

ただ、あくまでも難易度の調整は、市場価格が下落することやハッシュレートが下落することで起こる調整であり、市場の先行指標にはなり得ない。大局を読む上で、マイナーの収益性から予想する指標の一つにしかならないだろう。

ビットコインの全採掘収益は140億ドルを突破

Coin Metricsのデータによると、Bitcoinマイニングにおける収益額の合計は140億ドル(約1兆4800億円)を突破した。

ビットコインのハッシュレートは、相場が急騰した2017年末と同じように、爆発的な増加傾向にある。

2018年始めは、15EH/s(一秒あたり15回)の計算速度だったが、同年9月には一秒あたり60EH/sにまで上昇した。さらにここ数か月でハッシュレートは過去最高値を更新している。今年8月9日には80EH/sに達し、2019年の最低水準である36EH/sから2倍以上にハッシュレートが増加した。

ハッシュレートが増加する中、採掘による収益も高い上昇率を示している。しかし、ハッシュレートの増加傾向も、価格推移次第では、一定の調整ポイントを迎えるかもしれない。

ハッシュレートは右肩上がりに推移する一方で、価格が下落することで収益性が右肩さがりに低下し、リターンリバーサルの現象が確認されたポイントは特に、注意ポイントとなりそうだ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/05 土曜日
06:30
Ondo Finance、米SEC登録のOasis Pro社買収でトークン化証券市場に本格参入
RWAトークン化プラットフォームOndoが規制準拠のOasis Proを買収。米国投資家向けトークン化証券サービス拡大へ。
06:10
スウェーデン、違法収益による仮想通貨の押収を強化
スウェーデンのストレマー司法相が警察や税務当局に仮想通貨を含む犯罪収益の押収強化を指示。昨年11月導入の欧州最厳格な没収法により840万ドル相当を押収済み。
05:40
個人マイナーが再びビットコインブロック採掘に成功、3.17BTC獲得
個人ビットコインマイナーが7月4日にブロック903,883を単独採掘し、3.173BTC(約5000万円)の報酬を獲得。ネットワーク全体の0.00026%のハッシュレートで成功。
07/04 金曜日
17:43
マックハウス、仮想通貨事業でゼロフィールドと基本契約
アパレル大手マックハウスが暗号資産事業に参入。国内マイニングシェア1位のゼロフィールドと基本契約を締結し、ビットコイン購入とマイニングの両輪戦略で収益多様化を目指す。
17:11
SMBCグループ、事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設 Web3や生成AIの活用を目指す
SMBCグループが事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設。Web3などを活用し、スタートアップから大企業まで多様なパートナーと新事業を創出。
15:08
みんなの銀行、ソラナ基盤のステーブルコイン事業化に向け共同検討を開始
みんなの銀行がソラナ(SOL)基盤のステーブルコインとweb3ウォレットの事業化に向け共同検討を開始。Solana Japan、Fireblocks、TISの3社と協業し、新たな金融体験の創出を目指す。
13:50
米上場アンバー・インターナショナル、約37億円調達で仮想通貨準備金戦略を加速
米上場のアンバー・インターナショナルが機関投資家から2550万ドルを調達し、1億ドルの仮想通貨リザーブ戦略を強化。パンテラ・キャピタルなど著名投資家が参加。
13:00
米ストラテジー社に集団訴訟 ビットコイン保有リスクを軽視と主張
米国でストラテジー社に対する集団訴訟が提起された。ビットコイン投資戦略を過大評価しリスクを軽視したと主張している。新会計規則適用後の損失計上が争点の一つになっている。
12:55
メタプラネット支援コンソーシアム、タイ上場企業買収でビットコイン戦略を東南アジアに拡大
メタプラネット支援者らが筆記るコンソーシアムがタイ上場企業DV8の買収計画を発表した。日本で成功したメタプラネットのビットコイントレジャリー戦略をタイで再現し、さらに東南アジアに展開する第一歩として注目される。
12:36
オルタナ信託、BOOSTRY・ALTERNAと連携しデジタル証券の管理体制を強化
デジタル証券特化の「オルタナ信託」設立。BOOSTRYとALTERNAが協業を深化し、STの取得から販売まで一貫した新たな枠組みを構築する。
11:35
米雇用統計好調でビットコイン一時11万ドル超、アーサー・ヘイズが下落リスクを警告する理由は?
米国6月雇用統計が予想を上回る14万7000人となり、ビットコインは一時11万500ドルまで上昇した。しかしBitMEX創業者アーサー・ヘイズ氏は、米財務省がステーブルコインを国債購入の受け皿として活用することで市場から流動性が奪われ、8月開催のジャクソンホール会議前に9万ドル水準へ下落すると予測した。
11:00
アルトコイン取引の増加傾向続く 仮想通貨OTCレポートが公開
Finery Marketsは、仮想通貨のOTC取引に関する2025年上半期のレポートを公開。ビットコインやイーサリアム、ステーブルコインの他にアルトコインの取引が増加傾向を継続していると指摘した。
10:35
「1兆ドル予測は楽観的すぎた」、 JPモルガン ステーブルコイン時価総額の2028年予測を下方修正=報道
JPモルガンはステーブルコイン市場の2028年予測を5000億ドルとし、他社の1-4兆ドル予測を否定。決済利用は6%に留まり、主用途は仮想通貨取引と指摘。
10:00
ビットコイン、クジラによる売却と機関投資家の需要が拮抗=報道
仮想通貨ビットコインの大口保有者が過去1年で50万BTCを売却する一方、機関投資家の需要増加により価格が膠着している。今後のビットコイン価格については様々な見解がみられる。
09:30
ロビンフッドCEO OpenAI株式トークン化を「革命の種」と表現も、提携否定で波紋広がる
ロビンフッドがOpenAI株式トークン化サービスを欧州で開始したが、OpenAIは提携を否定。テネフCEOは「トークン化革命」と強調するも、未上場株式の権利問題が浮き彫りに。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧