- Microsoft Azure上でEthereumブロックチェーンを実装
- 「Ethereum on Azure」では、Ethereumのブロックチェーンを利用し、Azureのクラウドベースでブロックチェーン開発を簡便に行える開発環境を提供することを目的としています。
- Microsoftのブロックチェーン戦略
- 同社は、ブロックチェーン技術の導入に向けた数々の積極的な戦略を打ち出しています。Azureにおけるブロックチェーン開発プラットフォームをはじめ、Coco Frameworkの開発、パブリックブロックチェーンを利用した分散型身分証明システムの導入など、ブロックチェーンの利用例は多岐に渡ります。
Ethereum on Azure – ワンクリック・クラウドビジネスソリューション
Microsoftは19日、同社が開発を進める「Ethereum on Azure」に大きな進展があり、同社が目的とする「ブロックチェーン開発環境の提供サービス」に一歩前進したと発表しました。
この開発により、Azure上におけるEthereum開発の信頼性、解析精度の向上が見込まれます。
技術的な詳細については、Microsoft Azure blogにて確認可能です。
Microsoftのブロックチェーン開発は、多くの企業に分散台帳技術を提供する機会を生むことになり、Azure上で提供されるブロックチェーンソリューションは顧客からも大きな期待を集めています。
Azure開発者のCody Bornは、ネットワークの信頼性やモニタリングにはブロックチェーンを用いた製品を構築することが必要不可欠であること、さらに、AzureにおけるEthereum開発の進展は、ブロックチェーンの利用ケースが広がることに寄与するだろうと述べています。
Microsoft Azureとは
Microsoft Azureは、Microsoft社が提供するクラウドコンピューティングサービスです。
同サービスを通じて、ITエンジニアはMicrosoft社のデータセンターネットワークにアクセスしアプリケーションの構築、管理を行うことができます。
2015年10月、MicrosoftとConsenSys(2015年に設立された、NYを拠点とするブロックチェーン開発企業)は提携を結び、Microsoft Azure上でEthereumのブロックチェーンを提供するサービスのための開発を行うことを同社HPで発表しました。
同サービスの目的は、企業の顧客、開発者に、クラウドベースでブロックチェーンの開発を簡便に行える開発環境を提供することです。
AzureプラットフォームはEthereumとの提携だけでなく、dAppsプラットフォームのLisk、DEXのBitsharesなどにも一部採用されています。
CoinPostの参考記事:
Microsoftのブロックチェーン戦略
Microsoftは、以前からブロックチェーン技術に強い関心を示しており、米IT大手ではIBMと並んで研究開発を盛んに行っています。
Ethereumの共同設立者であるJoseph Lubinは、過去にフォーブス誌の取材に対し「現在ブロックチェーンの開発に積極的であるIT企業はMicrosoftだけだ」と発言しています。
Azureのプロジェクトの他にも、同社は過去にいくつかのブロックチェーン技術開発に関するプロジェクトをリリースしています。
2017年8月には、分散台帳開発のサポート機能を備えた「Coco Framework」というオープンソースのフレームワーク開発を発表しました。
今年2月には、ビットコインやイーサリアムといったパブリックブロックチェーンを利用し、分散型の身分証明システムを構築することを発表しています。
さらに同社は、2014年からBitpay(仮想通貨による決済サービスを提供)経由で、自社のオンラインストアにおいてビットコインによる支払いを受け入れており、仮想通貨に対する取り組みも他の米大手IT企業と比べ積極的に行っていると見受けられます。