- 仮想通貨関連部門のトップを任命
- SEC(米国証券取引委員会)は企業金融部門のアソシエイト・ディレクターと、デジタル資産及びイノベーション部門のシニア・アドバイザーにValerie A. Szczepanik氏を任命しました。シニア・アドバイザーは、仮想通貨の規制を担当する新設された役職です。
- 仮想通貨の規制
- SECでは仮想通貨が有価証券に該当するか否かという議論を続けており、多くの有識者も規制についての議論に多くの時間を費やしています。Szczepanik氏には、イノベーションを妨げることもなく、投資家たちの保護もしていく、バランスのとれた規制が期待されます。
- SECとは
- SEC(Securities and Exchange Commission)は米国証券取引委員会のことで、証券市場での投資家の保護と公正な市場を実現させることを目的とした連邦政府機関です。
仮想通貨関連部門のトップを任命
SEC(米国証券取引委員会)はValerie A. Szczepanik氏(以下 Szczepanik氏)を企業金融部門のアソシエイト・ディレクターと、デジタル資産及びイノベーション部門のシニア・アドバイザー(顧問)に任命しました。
Szczepanik氏はペンシルベニア大学でエンジニアリングの学士課程を卒業し、ジョージタウン大学の法科大学院を卒業しています。
1997年から、SECに入職し、現在SECの分散型台帳技術グループのトップ、ダークウェブグループの共同トップ、フィンテックグループのメンバーを務めています。
最近では、サイバーセキュリティに関する部門のアシスタント・ディレクターに任命されました。
SECは証券法に関してはベテランであり、仮想通貨への豊富な知識をもつSzczepanik氏に信頼を寄せているようです。
このような新しい役職が設けられ、そこに任命されたSzczepanik氏には、SEC全ての部門や部署間での、ICOや仮想通貨を含む新興のデジタル資産の技術やイノベーションへの米国証券法の適応に関する調整が期待されます。
SEC委員長のJay Clayton氏は
「Szczepanik氏のスキルや経験、投資家たちの保護を確保しつつイノベーションを促進していく重要性に対する鋭い認識を兼ね備えており、希望とリスクが混在し、目まぐるしく変化しているこの分野を調整するには、彼女は適任だ。」
と述べています。
Szczepanik氏は今回の任命に対し、
「SECは資本形成を促すこと、公平かつ秩序があり、能率的な市場を促進すること。そして投資家、特にメインストリート投資家を保護することなどのミッションを実行しており、新しい役職に就き、デジタル資産やイノベーションへの参画を試みるSECをサポートできることを嬉しく思う。」
と発言しています。
仮想通貨の規制
大手仮想通貨取引所Coinbaseの役員であるKathryn Haun氏(以下 Haun氏)は最近開催された「Code Conference(コード カンファレンス)」で、仮想通貨やブロックチェーン規制は数年先の話であると話しています。
「私たちは、理解もしていないままの先走った規制は望んでいない。」
と発言しており、またSEC委員長のClayton氏や立法者達は、イノベーションを妨げるような、無条件反射的な規制は決して発令しないという意思を強調していました。
さらに、同氏は、有価証券ではないICOをまだ見たことがないという発言も過去にしており、厳しい姿勢を見せています。
これまでの、SECの仮想通貨規制に関する詳しい見解はこちらをご覧ください。
しかし、仮想通貨産業のグレーゾーンを減らしていかない限りは機関資本が参画するのは難しいままです。
Haun氏は、時期尚早な規制は廃れてしまうが、規制というのはアップデートしていくことができるし、イノベーションという名目で何もしないことはよくないことであるという意見も示しています。
市場分析家には、規制が仮想通貨の価格の再上昇の触媒になってくれるのではないかと期待している人もいます。
Szczepanik氏は、SECにとって極めて重要になりうる時期に仮想通貨部門のトップに任命されました。
これまでは、SECは詐欺や不正に対して注力していましたが、これからはバランスのとれた規制も期待されます。