- MT.Gox民事再生手続開始決定
- 6月22日、Mt.Goxの民事再生手続開始決定が、再生管財人に選出された小林信明弁護士によって発表されました。今回の民事再生手続は破産手続とどう違うのか、仮想通貨投資家の関心事項であるMt.Goxによる売り圧力はどうなるのかまとめております。
民事再生手続き開始決定
平成29年11月24日、Mt.Goxの運営会社に対し一部の債権者が東京地方裁判所に対し、Mt.Goxについての民事再生手続開始の申し立てを行なっており、上記申し立てを受けて、平成30年6月22日午後5時東京地方裁判所より民事再生手続開始が決定されました。
今回の報道を受けて最も気になるのは、Mt.Goxによるビットコインの売り圧力が消えるのかどうか。
結論としては「売り圧力が消える可能性が非常に高い」といったところでしょうか。
(※追記:あくまでMt.Goxによる直接的な売り圧力であり、市場全体の売り圧力について言及しているわけではありません。)
破産手続の場合、債権者はビットコインを破綻時のレートで、金銭債権に転換されてしまいますが、民事再生手続の場合は債権者に対してビットコインを返還する事が可能になります。つまり、ビットコインを売却をしてお金に変えて、債権者に支払おうとしていたものが、ビットコインを返すだけで済むようになるわけです。
ですから、大きな売り圧力が消える可能性が非常に高いというわけです。
まだ確定ではない?
なぜ可能性が高いという表現にとどまっているか。民事再生手続では、再生債務者等が再生計画を作成しますが、この再生計画案が再生債権者による決議を経て、裁判所による認可を得る必要があり、今回の再生計画案が否決された場合には今回の民事再生手続が廃止され、再び破産手続きが行われることになる為、まだ確定ではないということです。
また、債権届出が100%されるかどうかについても実際に届出期限を迎えない事には、まだ不透明な事項であり、ビットコイン債権者に対するビットコインの返還後、ビットコインが残った場合はどうするのか、金銭債権に変えるのか。それが大きな額であれば一定程度の売り圧力が残る可能性も否定はできません。
しかしビットコインによる返還が可能となる民事再生手続開始の決定は、仮想通貨投資家にとって好材料となるニュースである事に疑いはないと思われます。直近、国内外において悪材料が相次いだだけに、仮想通貨投資家にとっては待ちに待った朗報ではないでしょうか。