- OverstockのCEO:株を大量売却
- OverstockのCEOが2000万ドルに及ぶ価値の株を売却し、不安を抱いていた株主に対して、心配する必要はなく、OverstockやMedici Venturesへの投資を計画している旨を伝えた。
米仮想通貨企業が株を大量売却
投資家への公開状には、大手EC会社から仮想通貨企業へと変わりつつあるOverstock社のCEOが、株主に対し、最近保有株の10%を売却した件について、以下のように弁明を行いました。
Overstockの創立者でありCEOのPatrick Byrne氏は、公開状で株主に対し、
保有株の10分の1を現金化したが、そのうちのほとんどは再投資するためのもので、心配は不要だ。まだ業界を去ることはない。
と述べました。
SECの申請によると、Byrne氏は、先週木曜日と金曜日の価格でおよそ1,580万ドルの価値に及ぶ株を売却。月曜日には490万ドルの価値がある株を売却したことで、株価が12%下落しました。
Byrne氏は、3月のSECの文書で株を売る計画を明らかにし、同氏は「利益は企業のサイドカー投資に出資する予定で、そのほとんどがOverstockと、その子会社であるMedici Venturesへの再投資に使われるだろう。」と発言しました。
Overstockのブロックチェーンへの動き
ユタ州のソルトレイクシティに拠点を置くオンライン小売業者Overstockは、家具やインテリア雑貨、宝石などの販売で大変有名です。また同社は、ブロックチェーン業界で大きな動きを見せています。
Overstockは2014年に、ブロックチェーンに関する投資を監督するためMedici Venturesを立ち上げました。またByrne氏はビットコインの土台となるブロックチェーン技術に焦点を当てるため、電子取引ビジネスの再編成あるいは売却を計画していると言及しました。
ウォールストリートは納得していません。株価は火曜日にやや値上がりしましたが、今年は61%下げています。Byrne氏はこの原因の一部は仮想通貨の苦戦にあるとしています。
同氏はその点について言及し、「残念なことだが、この180日間でOverstockとビットコインの日々の動きの相関関係は85.5%に達する。そして、私たちはビットコインの重要な持ち株を持っていない。」と述べました。
Overstockが、香港の未公開株企業GSR Capitalが子会社であるブロックチェーンtZeroに2億7,000万ドルまで投資すると発表したあと、8月Overstockの株価は上昇しています。その投資額の見積もりは15億ドルで、GSR CapitalはtZeroの18%の株を保有します。
また、Overstock.comの子会社tZeroは9月下旬に、電子通貨取引所を開始するために合弁企業を構成することや、買収を通して新たな取引システムのライセンスを取得していることを発表しています。
SECが調査に関連したICOやトークンに関した文書提出を要求
SECは今年序盤に、仮想通貨関連子会社のデジタルトークン販売を扱う企業の調査をしていると公表、同委員会の文書によると、Overstockは1月に、SECが調査に関連したICOやトークンに関した文書提出を要求されていることを公にしました。
アメリカ規制当局は、新たなデジタルトークンの販売やICOの販売について調査を強めています。金融調査会社Autonomous Nextのによると、この資金調達方法で、今年だけで113億ドルの資金調達に成功しています。8月にICOでの資金調達額の総額が暴落し、2017年3月以来最低を記録しています。
Byrne氏は、「同社に勤めた18年のうち、いままでに売却した株は、銀のかけらのように少額で、ほとんどの期間は給料を得ていない。」と発言しており、また「給料をもらわない馬鹿になりたくないので、ここ数回10万ドルの給料を受け取った。」と発言しています。
Byrne氏は、納税義務に応じてアメリカ政府へ支払うことの必要性を指摘、「納税義務を作り上げたのは、私ではなく連邦政府だ。」と主張しています。
参考記事:Overstock CEO sells $20 million worth of stock but warns investors in letter ‘not to be alarmed’