はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨の実用性で区別を リップル社幹部、規制当局に理解求める 

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨の実用性で区別を

米リップル社のグローバル機関投資市場を率いるBreanne Madigan氏は、決済こそが仮想通貨の最も明白なユースケースであり、この分野におけるイノベーションを推進することが、他のユースケースを生み出していくことに繋がるとの見解を示した。その上で、リップル社としては仮想通貨XRPは法定通貨と共存するものであるとの定義を改めて重要視した。

同時に、仮想通貨のユースケースの重要性を説いたMadigan氏は、仮想通貨全てを一括りにするのではなく、ユースケースや実用性の有無ではっきりと区別することも忘れてはならないと、規制当局への理解を求めた

先月、フランスのパリで開催された経済協力開発機構(OECD)の第2回グローバルブロックチェーン政策フォーラムにパネリストとして登壇したMadigan氏は、リップル社が目指しているのは、各国の規制当局や伝統的な金融機関との協力のもとに築く「相互運用性」であり、法定通貨に取って代わるものとしてではなく、法定通貨と共存するものとして、仮想通貨XRPを位置付けていることを強調した。

仮想通貨におけるユースケースの重要性を説いたうえで、仮想通貨XRPの立ち位置と利用ケースに改めて言及した。

国際送金分野が最も有望なユースケース

多くの銀行口座を持たない人々の存在が問題視されている発展途上国のケースとは別に、すでに高度に発達した金融システムを有する先進国において、「なぜ、わざわざ仮想通貨を使わなければならないのか」との問いがある。

その点についてMadigan氏は、最も実用的なユースケースとして納得のいくの答えが「効率的に価値を移動できる仮想通貨を国際送金分野で活用」にあると指摘する。

現在の国際送金システムは複雑かつ非効率的であり、推定10兆ドル(約1083兆円)もの資本が国際送金の中継銀行として使用される世界のコルレス銀行の口座に凍結状態となっていると見られている。この問題の解決策としてデジタル通貨を活用することが、仮想通貨普及のための絶好のチャンスであるとMadigan氏は次のように説明している。

「デジタル資産(XRP)をブリッジ通貨として使用することで、この凍結された資本を効率的に解放できる。 そして、オンデマンドで流動性を提供することで、国際送金プロセスをより速く、安価でスケーラブルなものにすることが可能になる。」

実際、リップル社は8月に米送金大手のMoneyGram社と提携し、xRapidを利用した国際送金が開始されている。XRPを使用するxRapidにより、即時に米ドルから対象通貨への換金が可能なため、外国為替の変動リスクへの対応や流動性管理の劇的な合理化が見込まれており、MoneyGram社は運営コストの削減と利益率の上昇に期待しているという。

リップル社のビジョンは、このように伝統的な金融機関と、同社が革新的な技術を提供することで協業し、国際送金の効率化というデジタル資産の具体的なユースケースを確立していくことだとMadigan氏は述べている。

そして、送金/決済分野でのイノベーションは、貿易金融やスマートコントラクト、融資など、その他のブロックチェーン技術を使ったユースケースに繋がっていくと言う。

明確かつ柔軟な規制の重要性

仮想通貨業界はこの1年で、FidelityやTD Ameritradeの参入、またJPモルガンのJPMコイン開発や、Bakktのビットコイン先物提供開始など大きな進展があったものの、市場としては未だ初期の段階であり、大規模な機関投資家が望む流動性は確保できていない状態だと同氏は述べている。 同時に、明確な規制の枠組みを確立することも、機関投資家の参入を促すには不可欠だと指摘した。

その意味で、米国における明確な仮想通貨規制の整備が進まないことに、Madigan氏は危機感を募らせているようだ。 

「米国における明確で一貫性のあるガイダンスの欠如により、革新的な人材や企業が明らかな規制の枠組みが存在する地域に引き寄せられ、優秀な人材の逃避につながる恐れがあると業界全体が危惧している。」

Madigan氏は、明確かつ「規則主義ではなく、原則主義に基づいた」柔軟な規制こそが、まだ発展途上にある仮想通貨業界には必要だと訴えている。

同時に、仮想通貨全てを一括りにするのではなく、ユースケースや実用性のある通貨と、そうではないものをはっきりと区別することも忘れてはならないと、規制当局への理解を求めた。

そして、米国を含む革新技術を尊重する国々が、世界の他の国々が指針とし、追随できるような基調を打ち出すことを望んでいると結んだ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/03 木曜日
18:23
Aptos LabsがYellow Cardと提携、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金開始 
Aptos LabsとYellow Cardが提携し、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金サービスを開始した。USDT・USDC対応で即時決済を実現し、数百万人のユーザーがステーブルコインをより迅速かつ手頃な価格で利用できるようになった。
18:10
ストラテジー社のビットコイン財務戦略:価値創造と潜在リスクの両面
米国のストラテジー(マイクロストラテジー)などビットコイントレジャリー企業の財務モデルを軸に、株式を通じた投資の仕組みやレバレッジ効果、税務上のメリットなどを解説。日本のメタプラネットなど類似上場企業の動きも取り上げ、再現性の条件やリスク要因を多角的に考察する。
17:26
スイスFINMA規制のAMINA銀行、リップル社RLUSDを世界初サポート
スイス金融監督局(FINMA)規制下のAMINA銀行が、リップル社の米ドル建てステーブルコイン「RLUSD」の取扱いを開始。時価総額660億円超のRLUSDをサポートする世界初の銀行として、機関投資家向けに保管・取引サービスを提供。
16:14
米仮想通貨取引所コインベース、「LiquiFi」買収でトークン発行支援事業強化へ
米コインベースがトークン管理プラットフォーム「LiquiFi」を買収。トークン発行者を初期段階から支援するプラットフォームであり将来的に機関投資家向けサービスにも統合予定だ。
16:02
オルタナ信託設立とProgmat・ALTERNAの協業深化
三井物産デジタル・アセットマネジメントは、デジタル証券特化の信託会社「オルタナ信託」を設立。Progmatと協業し、ST発行・管理基盤を導入。ST市場の効率化と拡大を目指す。
12:04
ビットコイン反発で11万ドルに接近、Bitfinex分析ではQ3の季節性要因を警戒
仮想通貨取引所ビットコインは前日比+2.6%の108,733ドルまで上昇。Bitfinexレポートによると、4月安値から50%反発後は10-11万ドルのレンジ相場に移行し、第3四半期の季節性要因で平均リターン6%の「最弱四半期」を警戒する。一方、米国初のソラナステーキングETFが取引開始し初日3,300万ドルの好調なスタートを記録。
09:50
「ビットコイン保有者の大多数が含み益、HODLが主流に」Glassnode分析
Glassnodeの週次レポートによると、仮想通貨ビットコイン投資家の大多数が含み益状態で、長期保有(HODL)が市場の主要メカニズムになっている。
09:31
米SIFMA、証券トークン化の規制作りでSECに要望書簡送付
米SIFMAはSECに対し、RWAに分類される株などの証券のトークン化に対する規制整備について提案を行った。オープンで透明性の高いプロセスを通して、ルールを作るべきだと主張している。
08:55
米テック富豪ら、仮想通貨向け銀行「Erebor」設立を計画=報道
ピーター・ティール氏らテック投資家が仮想通貨企業向け銀行Erebor設立を計画。全米銀行免許を申請、シリコンバレー銀行の後継を目指す。
08:20
米上場の中国系アパレル企業アデンタックス、ビットコインを最大12000BTC買収へ
ナスダック上場の中国系企業Addentaxが最大1万2000BTCの買収で基本合意。約13億ドル相当を株式交換で取得予定、5月発表の8000BTCから規模拡大。
07:55
ブラックロックのIBIT、手数料収入が「S&P500ETF」超え
ブラックロックの仮想通貨ビットコインの現物ETF「IBIT」は、同社のS&P500のETFよりも手数料収入を生み出していることがわかった。IBITはビットコインETFの資金フローを主導している。
07:30
ドル指数が2022年以来の安値に、ビットコインや金に与える影響と今後の見通し=Cryptoquant分析
Cryptoquantが2日に発表した分析によると、ドル指数が2022年来安値を記録する中、ビットコインは膠着状態が続く。長期保有者の含み益減少も指摘。
06:55
ビットコイン、2025年後半に20万ドル到達目標を維持=スタンダードチャータード銀
スタンダードチャータード銀行のケンドリック氏がビットコイン20万ドル予測を維持。ETFや企業購入の拡大により2025年後半に史上最大の上昇を見込むか。
06:10
リップル、米国銀行ライセンス申請 サークルに続く動き
リップルが米通貨監督庁に国家銀行免許を申請。RLUSDステーブルコイン規制対象化とサークルとの競争激化が注目される。
05:50
オープンAI、ロビンフッドの株式トークン化サービスとの提携を否定 未承認でトークン発行か
OpenAIがロビンフッドの株式トークンサービスへの関与を公式否定。未上場企業トークン化における先買権問題が浮き彫りに。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧