「.eth」をつける理由とは
仮想通貨ツイッター界隈では最近、プロフィール名に「.eth」を入れるのが流行っているようだ。例えば、イーサリアム創設者ヴィタリック氏は、「vitalik.eth」とつけている。
この「.eth」入りの名前、実は仮想通貨アドレスと紐づいており、将来的なブロックチェーン上のドメインに相当する。イーサリアムブロックチェーン上のネイミングサービス「イーサリアム・ネイミング・サービス(ENS)」が提供するシステムだ。
ENS names are suddenly everywhere on Twitter – including in the profile of the great @VitalikButerin himself! 🤯
— Ethereum Name Service | ens.eth (@ensdomains) November 19, 2019
Here's why ENS names are going viral, and how you can join the blockchain naming revolution😎 —>https://t.co/aznQQ1BB0H#ENSeverywhere📛
ENSのサービスは、サイトにあるドメイン名(DNS)のブロックチェーンバージョンで、イーサリアムブロックチェーンで利用できるドメイン名登録書としてサービスを提供している。ブロックチェーンのウォレットアドレス(任意)に紐づけて登録をすることができる。
DNSはDoS攻撃を受けやすいが、非中央集権であるENSは同様な攻撃に強いことも特徴で、次世代のドメインサービス、もしくはブロックチェーン上でサービスが活発化したときのドメインサービスとして注目を集めている。
ENSのドメイン名では、その価値を「所有者」が決めることができる。最低0.01ETHをロックアップすることで価値を決定することができる。そのドメインを売買することも可能で、amazon.ethやapple.ethなどの人気ドメイン名は、イーサリアムマーケットOpenSeaでかなり高い値段で取引されている。
ENS人気と現状
ENS運営部長Brantly Millegan氏は19日、公式ブログで「なぜヴィタリック氏やその他のユーザーはツイッター名に『.eth』をつけているか(そしてあなたもそうすべきだ)」と題した投稿を行った。
ブロックチェーンのウォレットアドレスに紐づけ登録をすることができることができるサービスだが、現在の主な用途は、任意の仮想通貨アドレス(イーサリアム以外の通貨でも可)に「○○○.eth」という形式を付けてドメイン化することと、高額ドメインの取引になる。複数のアドレスを紐付けることで、それらの仮想通貨を一つの名前で扱うこともできるようになる。
プライバシーの問題も
ブログでは、プライバシーの問題にも触れている。
ENSによって取得した名前をツイッターなどで公開するとブロックチェーン上を探すことで誰でもその名前に紐付いたアドレスを探すことができ、トランザクションの履歴などもまるわかりになってしまう、という懸念だ。
これついてはENSだけでなくイーサリアム全体の問題であり改善が必要だとしたうえでMillegan氏は、自分が何を外部に向けて明らかにしているかに十分注意するよう念押ししている。
参考:Why Vitalik and Everyone Else Has “.ETH” in their Twitter Profiles (and You Should, Too!)