SBI北尾社長「証券型トークン取引可能に」
SBIホールディングスの北尾吉孝社長は27日、「セキュリティー・トークン・オファリング(STO)」普及を目指し、複数の証券会社とSTOのための「私設取引所」の設立予定を明かした。
ブロックチェーン技術を活用したセキュリティ・トークン(デジタル証券)の売買を行うようにするもので、金融庁の認可を得た上、2020年度内に私設取引所の設立と取引開始を目指す。
時事通信社のインタビューで明らかにされた。
STOとは、各国の証券法など規制に従う形で、セキュリティトークンを発行することによる資金調達方法で、債券や株式など有価証券をブロックチェーン上に記録して管理する仕組みで、詐欺や不正行為が蔓延したICO(イニシャル・コイン・オファリング)の代替資金調達手段として、規制当局による投資家保護の側面を踏まえ、注目されている。
日本では2019年5月に成立した「金融商品取引法改正法」において、電子記録移転権利として定められている。
昨年10月、仮想通貨業界の健全な発展を目的とした団体として、SBI証券、大和証券、野村証券、カブドットコム証券、マネックス証券、楽天証券の国内証券6社が「一般社団法人 日本STO協会」を発足。投資家保護を目的とした自主規制ルール作りを進めている。
北尾氏は時事通信に対し、6,7月に第1号のSTOが登場、店頭取引可能になる見通しを示した。個人投資家の選択肢拡大のほか、IPO(新規公開株式)が困難な中小企業の活用を促すことで、経済活性化が期待される。