はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインキャッシュ(BCH)、10%高の背景は「通貨分裂騒動」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

BCH再び分裂の可能性

7日の仮想通貨市場で、ビットコインキャッシュ(BCH)の騰落率が一際目立っている。BCH/JPYは前日比3.1万円(10%)高いの3.4万円で推移した。

高騰の背景にあるのは、ネットワークアップグレードの発表と「通貨分裂問題」だ。一部では、新通貨付与への思惑が強まった。

通貨分裂とアップグレード

仮想通貨ビットコインキャッシュ(BCH)で、現ハッシュレートシェア3位に位置する大手マイニングプールViaBTCのHaipo Yang CEOは6日、既存のBCHを分裂し、新たにBitcoin Cat(仮称、BCC)プロジェクトを開始する意向をSNSで伝えた。

ビットコインキャッシュ(Bitcoin ABC)は6日、11月15日のネットワークアップグレード予定を発表したが、Bitcoin Catは同アップグレードを実装せず、既存のビットコインキャッシュのブロックチェーン環境を維持すると説明している。

アップグレードでは、主に2つの改善案が実装される予定で、1つ目がディフィカルティ調整のアルゴリズムの変更、2つ目はコインベースルールの追加が含まれている。

通貨分裂?

ビットコインキャッシュの通貨分裂と聞くと、2017年8月のビットコインからのハードフォークや、2018年11月にハードフォークで誕生した2つの新通貨、BCH(Bitcoin ABC)とBSV(ビットコインSV)の間で起きていたハッシュ戦争を思い浮かべる人も多いだろう。業界コミュニティにとっても、重要なターニングポイントとして認識される出来事だ。

過去の事例から、突然の通貨分裂発表(6日)が判明したことで、市場の警戒感も高まった。BCHのリードデベロッパーAmaury SéchetはYangの意向を受け、「これは不運なことだ。不満を抱える一部の人が戦争が仕掛けるタイミングでもおかしくない。自由を求めるのであれば、それを阻止しなければならない」などとコメントした。

状況が変化したのは、Yang氏が発表した追加声明だ。今回の分裂で「コミュニティ戦争」を引き起こすつもりはないとして、「Cat(猫)は可愛いし、無害である。戦争は起こらない」と弁明してみせた。

その上で、「ビットコインキャッシュのコミュニティには新しいリーダーたちが必要だ。ビットコインキャッシュが好きな人たちは、Catの開発へ歓迎したい」とコメントしている。

なぜViaBTCは分裂したいのか

Haipo YangがBitcoin Catという新たな銘柄を作ろうと試みる背景には、Bitcoin ABCが推し進める「開発者ファンドへの充当」の提案が関連するとされる。

Bitcoin ABCが発表した11月15日のアップグレードに含まれる「コインベースルールの追加」の項目は、主に「開発者ファンドへの充当」に関する内容で、「すべての新規採掘のブロックが8%の新規生成コインを1つの特定アドレスに充てるアウトプットを含める必要がある」と設定した項目が含まれている。

「開発者ファンドへの充当」は、マイニング報酬の一部を開発者へ還元する仕組みのことで、利益分が減るとして、これまでも反発を強めるマイナーが出ていた。

Yangも、今回の実装予定の提案に対して懸念を示す人物の一人で、特に仕組みを支える管理方法への反発を強めているという。

ビットコインキャッシュには、優れたガバナンスメカニズムが欠如しているため、混乱に直面しているわけだ。

開発者ファンド(IFP)は、しっかりとした財団や意思決定プロセスがあればビットコインキャッシュにとってプラスなことだが、Bitcoin ABCだけの管理では改善は見込めないだろう。

Haipo Yang

今回のBitcoin Catへの分裂について、ビットコインキャッシュの大手マイニングプール(5番目)のBTC.TOPのJiang Zhuoer CEOも「敵対フォークではなく、キャンディコインだ」とコメント。BTC.TOPの方針として、Bitcoin ABCの実装に従うと声明を発表している。

なお、11月15日のアップグレードはブロック高ではなく、日にちを基準として実装されるため、ブロックの進行状況に応じた日程変更は行われない。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/15 土曜日
13:55
続落するイーサリアム、長期保有者が1日4.5万ETH超を売却=グラスノード
グラスノードによると、イーサリアムの3年から10年保有者が1日あたり平均4万5000ETH超を売却している。イーサリアム現物ETFも13日に2億6000万ドルの純流出を記録し売圧を高めている。
13:20
リミックスポイント決算発表、仮想通貨評価益で売上高が大幅増加
リミックスポイントが2025年4~9月期決算を発表した。仮想通貨評価益で売上高が大幅増加している。同社はビットコイン、イーサリアムなどの仮想通貨を財務資産として蓄積している。
13:00
Visaアジア太平洋地域デジタル通貨責任者、ステーブルコインの展望を語る|CoinPostインタビュー
Visaアジア太平洋地域デジタル通貨責任者ニシント・サンガヴィ氏がCoinPostの独占インタビューに応じ、ステーブルコイン決済戦略の拡大、CBDCとの共存、米国ジーニアス法の影響について詳しく語った。4つのステーブルコインと4つのブロックチェーンをサポートし、2億2,500万ドル超の決済を実現。今後5年間のアジア太平洋地域におけるデジタル通貨の展望と、Visaが果たす役割について解説。
11:15
テクノロジー大手アリババが預金トークン決済を開発 中国当局のステーブルコイン懸念に対処か
中国アリババが預金トークン決済システムを開発している。当局によるステーブルコイン規制を回避することも背景とみられる。AI活用サービスも発表した。
10:30
ビットコイン急落、45日ルール通過とFOMC利下げ見送り観測で売り圧力が最大化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは足元で強い売り圧力に晒されているが、ヘッジファンドの45日ルール通過により解約売りの終了が期待される。ビットコイン長期保有者が直近1カ月で12兆円相当のBTCを売却したことは心理を悪化させていた。
09:50
トランプ一族関連のアメリカン・ビットコイン、売上高99億円に増加 決算発表 
トランプ一族の仮想通貨マイニング企業「アメリカン・ビットコイン」が2025年7~9月期決算を発表した。前年同期比で黒字転換し、ビットコイン保有量は4,090BTCに到達している。
09:35
ジャック・ドーシーのCash App、ステーブルコイン決済機能を導入
決済アプリのキャッシュアップがステーブルコインの送受信機能を含む11の新機能を発表した。ライトニングネットワークを使用したビットコイン決済機能も拡充している。
08:50
ソニー銀行の米銀免許申請、通貨監督庁にICBAが否認を要求
ソニー銀行が米国で信託銀行の国家免許を申請したことについて、米組織ICBAが強く反対すると表明。通貨監督庁に書簡を送付して反対理由を説明し、ソニー銀行の申請を認可しないように要求した。
07:45
バイナンス、ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」を取引担保として受け入れ
仮想通貨取引所バイナンスがブラックロックの「BUIDL」を取引所外担保として統合した。BUIDLはBNBチェーンで新シェアクラスも立ち上げる。
06:50
ビットマイン、45億円相当のイーサリアムを追加購入 新CEOにHSBC元幹部を任命
ビットマインが3000万ドル相当の仮想通貨イーサリアムを追加購入した。同社は新CEOにHSBCアジアTMT投資銀行部門の元責任者を任命した。
06:25
ビットコイン長期保有者が1カ月で12兆円相当BTCを売却、初期投資家も2400BTCを取引所へ送金
ビットコインの長期保有者が過去1カ月で約81万5,000BTCを売却し、2024年1月以来の高水準となった。初期保有者のオーウェン・ガンデン氏も2400BTC以上を売却している。
05:50
ストラテジーのセイラー会長、6900億円相当のビットコイン売却の噂を否定
ストラテジーのマイケル・セイラー会長が47000BTCの売却憶測を否定した。オンチェーン上の動きは保管業者の入れ替えによるもので、実際に購入ペースを加速させていると説明。
11/14 金曜日
21:20
CourtYard(コートヤード)でトレカをNFT化|使い方を初心者向けに徹底解説
トレーディングカードをNFT化して取引できるCourtYard(コートヤード)の使い方を解説。アカウント開設からPolygon上での取引方法、ガス代準備、リスクまで初心者向けに図解で詳しく紹介します。
21:00
ビットコインウォレットのおすすめは?種類・選び方・アドレス作成手順まで解説
ビットコインウォレットの種類や違い、安全な選び方を徹底解説。ハードウェア・ソフトウェアの比較からアドレス作成、セキュリティ対策まで初心者にもわかりやすく紹介します。
17:19
米ビットコイン現物ETF、過去2番目の規模の純流出 リスクオフが加速
11月13日、ビットコイン現物ETFは8.7億ドル(約1,340億円)の純流出を記録し、過去2番目の規模に。イーサリアムETFも3日連続で流出。FRB当局者の慎重発言を受け、仮想通貨と米国株が同時に下落。専門家は健全な調整との見方も。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧