アーサーが退任
暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引所BitMEXの親会社HDR Global Trading Limited(100Xグループ)の共同創設者兼アーサー・ヘイズCEOが退任することがわかった。BitMEX公式サイトで明かされた。
今月2日、米司法省(DOJ)と米商品先物取引委員会(CFTC)が、BitMEXのアーサー・ヘイズCEOらを告発、共同創業者のSamuel Reed CTOを拘束したことが分かった。
マネーロンダリング対策(AML)や本人確認(KYC)などに関するCFTCの規制に反し、未登録のプラットフォームを運営したことが主な理由とされ、銀行秘密法(BSA)違反などの容疑がかけられていた。
BitMEXによれば、すでに逮捕されたCTOのReedと、共同創設者のBen Deloも役職から解任され、新CEOには昨年7月よりCOOを務めるVivien Khooが任命された。 Khooは、ゴールドマン・サックスや香港証券先物委員会に務めた経験を持つ人物だ。
今回の件ですでに一部経営者が拘束されていることから、立件などのリスクも踏まえ、現行体制では今後の経営が立ち行かなくなると判断したものと思われる。
高い求心力を誇ったアーサーヘイズ
BitMEXの出来高が最盛期にあった昨年9月には、FRBの金融緩和政策の一環で「QE4」が来ると予言。過去最高値のBTC=20,000ドルの(再来)に備えよと強気発言を行なうなど、トレーダー目線での発言も大きな反響を呼んだ。
QE4eva is coming. Once the Fed gets religion again, get ready for #bitcoin $20,000. https://t.co/gCBgaernYv
— Arthur Hayes (@CryptoHayes) September 18, 2019
仮想通貨業界のカリスマのひとりとして、BitMEXをデリバティブ最大手まで育て上げるなど一時代を築き上げたアーサー・ヘイズであったが、志半ばで幕を下ろすことになる。退任後の役割など、今後の進展は明らかにされていない。
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顧客離れが加速
今回の騒動を受け、BitMEXの「米国法逃れ」問題の長期化を懸念した顧客に不安心理が蔓延した結果、1日(日本時間2日)以降に出金された仮想通貨は、約42,000BTC(460億円相当)に及んだ。
先物市場では、BitMEXの先物価格乖離(プレミアム)が急落。同社に資金を預けていた顧客離れが加速したものと思われる。