- 英主要銀行がブロックチェーン基軸の貿易金融プラットフォームを開始
- 英大手銀行HSBCやスタンダード・チャータード、中国農業銀行を含む10社以上の銀行の共同開発による「ブロックチェーン基軸の貿易金融プラットフォーム」が水曜日に香港にて開始された。貿易金融の効率化が期待される。
香港の貿易金融ブロックチェーンプラットフォームとは
ロイター通信 によると、イギリスの大手銀行HSBC(世界7位)やスタンダード・チャータード、中国農業銀行を含む10銀行以上の共同開発による「ブロックチェーン基軸の貿易金融プラットフォーム」が水曜日に香港にて開始された。
なお、今回の共同開発は香港金融管理局(香港の事実上の中央銀行)が主導したものである。
そしてこのプラットフォーム=eTrade Connectは、数兆ドルにも及ぶ国際貿易の効率を促進するとされている。
同報道によると、HSBCは、イギリス系の貸し手がeTrade Connectを使用することにより、アジアを中心とした貿易ローンの申請を承認する必須時間を従来の「1日半」から「4時間」へ短縮することができるとを説明した。
eTrade Connectの利点とは
2017年の記録では、9兆ドルもの決済を行なった貿易金融産業は、未だペーパー記録に依存しており、長年この効率のよくないプロセスが改善されていないのが現状である模様だ。
ロイターは、「銀行業におけるブロックチェーン技術の導入により、『信用状 』(貿易決済を円滑化するための手段として、銀行が発行する支払い確約書)やその他の金融決済における不正のリスクを削減し、なお不要なプロセスを減らすことができると期待されている」と説明した。
さらに、同報道はeTrade Connectの利点に関して、以下のように言及した。
香港のeTradeプラットフォームは、ブロックチェーン技術の元で、取引に関する書類をデジタル化して、取引金融を自動化することで、貿易の決済を有効化し、取引先企業が資金を調達する確率を高めることを目的としている。
eTrade Connectのデビュー
HSBCは今週の水曜日に、eTradeの初の実用例として、香港の人気家庭用品ネット通販Pricerite上での決済が行われたと明かした。
Priceriteの社長であるBankee Kwan氏は、HSBC経由で今回の決済事例に関して以下のように述べた。
ブロックチェーンは、とても複雑な決済プロセスを簡易化にする上に、より安全且つ効率の良い貿易業務に改変してくれている。
さらに、香港金融管理局は、将来HSBCをはじめ、メガバングのドイツ銀行やスイスの最大手UBS銀も主要参加銀行として、欧州拠点のデジタル貿易プラットフォームWe.TradeとeTradeの連携を推進すると予定していると、ロイター通信から報じられた。
進む、貿易金融業におけるブロックチェーンの採用
貿易や金融業におけるブロックチェーンの導入や採用は実に増えつつあると思われる。
例えば、中国最大手IT企業アリババがクラウド・ブロックチェーンの利用を中国国外へ拡大し、サービスを提供し始めたことや、世界最大の会計事務所である「デロイトトマーツ」が商業における取引信用をブロックチェーンの利用で創出しようとする事業などが挙げられる。
また、ブロックチェーンのユースケースは貿易金融業にとどまらず、実に様々な業界にも見られ、今後もブロックチェーン技術の展開が注目されると言えるだろう。
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