はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

スタンダードチャータード、イーサリアム価格予測を1万ドルから4000ドルに下方修正 L2の台頭が主因

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

60%下方修正

英国の大手銀行スタンダードチャータードは、イーサリアム(ETH)の2025年価格予測を従来の1万ドルから4,000ドルへと大幅に下方修正した。同行のデジタル資産調査部門グローバルヘッドであるジェフリー・ケンドリック氏は、「イーサリアム:ミッドライフクライシス(中年の危機)」と題した最新レポートで、レイヤー2、特にコインベースが開発したBaseの台頭がイーサリアムのエコシステムから価値を奪っていると指摘した。

ケンドリック氏によれば、イーサリアムは自ら創出したレイヤー2フレームワークの中で「コモディティ化」しており、取引手数料の大部分がメインネットをバイパスするようになっている。「Baseだけでイーサリアムの時価総額から約500億ドルを奪っている」と分析。この状況を打開するには、政府が外国鉱山会社に対して課す超過利益税のように、レイヤー2の超過利益に課税することが解決策になり得るが、実現可能性は低いとしている。

過去数年間のイーサリアムの変更点は「必要だったかもしれないが、価値を破壊してきた」とケンドリックは述べている。特に、イーサリアムをスマートコントラクトの中で唯一のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)としての地位から引き下げた「マージ」、価値を無償で提供するレイヤー2の概念、そしてレイヤー2をさらに強化して「超過利益」を生み出した「デンクン」アップグレードが挙げられる。特にコインベースが開発したBaseは、抽出した利益を「企業オーナー」であるコインベースに全て渡していると指摘している。

「レイヤー2がもたらした結果として、イーサリアムメインネットの『GDP』が低下し、少なくとも短期的には手数料も低下し続ける」とケンドリックは説明。しかし長期的には、スケーラビリティの向上と手数料の競争力強化により、イーサリアムの持続可能な市場シェアを確保し、将来的なGDPと手数料の増加につながる可能性があるとしている。ブロックチェーンGDPとは、ブロックチェーンを一つの国家として扱い、その活動を経済生産とし、ネイティブトークンを現地通貨として見なすユニークな指標だ。

イーサリアムは依然として、分散型金融(DeFi)資産の総ロック値の50%以上、ステーブルコインの57%、トークン化資産の80%など、複数の指標で優位性を保っている。しかし、その優位性は徐々に低下している。イーサリアムが勢いを取り戻すための要因としては、いくつかの可能性が考えられる。ケンドリック氏によれば、イーサリアムが80%の市場シェアを持つトークン化された実物資産(RWA)の継続的な拡大が、ネットワークの需要を促進する可能性がある。さらに、予定されている「ペクトラ」などの今後の技術的アップグレードにより、スケーラビリティや手数料の仕組みが改善される見込みだ。

関連:イーサリアム 新テストネットを3月17日に立ち上げへ

価格見通し

短期的な見通しを下方修正したものの、ケンドリックはイーサリアムが時間の経過とともに価値を高め、2028年から2029年までに7,500ドルに達すると予測している。しかし、イーサリアムの手数料構造や市場ポジショニングに根本的な変化がなければ、ETH/BTCの比率は2027年までに0.015に低下し、2017年初頭以来の最低水準に陥る可能性があるとしている。

出典:スタンダードチャータード

この悲観的な予測は、イーサリアムコミュニティが2022年の「マージ」以来最大のアップデートであるペクトラの準備を進めている中でされたものだ。ペクトラの導入により、ETHのステーキング制限の大幅な引き上げや、ETH以外のトークンでガス代を支払う機能など、重要な改善がもたらされる可能性がある。テスト中のいくつかの技術的なトラブルにもかかわらず、4月25日にはメインネットに導入される可能性がある。開発者たちは今月後半に最終テストネットであるHoodiを立ち上げる予定である。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/28 金曜日
13:15
イーサリアム「ペクトラ」の実装日が4月30日と仮決定、次期「フサカ」の動向は?
カオスつうかイーサリアムのコア開発者ティム・ベイコ氏が「ペクトラ」アップグレードの実装日を4月30日と仮決定。次期開発に関しても進捗が確認された。
11:30
米司法省、ハマス関連の仮想通貨約3000万円を押収 資金調達を阻止
米司法省が、イスラム系組織ハマスからUSDTなどの仮想通貨を20万ドル相当押収した。ハマスは仮想通貨による寄付募集やマネロンを行っていたとみられる。
10:50
リップル社、アフリカの決済企業Chipper Cashと提携
リップル社は、アフリカの決済企業Chipper Cashとパートナーシップを締結。仮想通貨を活用するリップルペイメントを導入し、アフリカにおける国際送金の速さやコスト効率を向上させる。
10:45
トランプ指名のアトキンス氏が仮想通貨規制方針示す SEC委員長指名公聴会で
米上院銀行委員会が、次期SEC委員長候補ポール・アトキンス氏の公聴会を開催した。ウォーレン議員が利益相反の可能性を追及した他、仮想通貨関連の議題も俎上に上った。
10:10
米政府、12億円相当のビットコイン移動 戦略的準備金に向けた準備か
トランプ大統領の大統領令に基づき、タイの犯罪組織から押収された846万ドル相当のビットコインが米政府によって移動されたことが観測された。
09:35
フランス国有投資銀行、40億円規模の仮想通貨ファンドを設立
2700万ドルのトークンファンド フランス国有投資銀行Bpifranceが3月27日、仮想通貨およびブロックチェーン分野における新たな投資戦略を発表した。仏国内のデジタル資産エ…
08:15
ICEがCircleと提携、USDC活用で次世代金融商品開発へ
米金融大手によるステーブルコイン取り組みが加速中。Intercontinental ExchangeとCircleが提携し、USDCの新たな市場を開拓へ。
07:50
ソニュームとアニモカが提携 アニメファンのWeb3参入を推進へ
アニモカブランズは、仮想通貨イーサリアムのソニーグループのL2ソニュームと提携。IDレイヤーを構築して、アニメファンをWeb3領域に取り込みやすし、ユーザーの関与を強化する。
07:30
ビットコイン大口投資家、3月に約13万BTC買い増し 
Glassnodeの最新レポートによると、大口投資家がビットコインを大量に購入。市場の不確実性にもかかわらず、大口投資家は自信を示している。
06:55
ゲームストップ株価暴落、投資家はビットコイン戦略を懸念か
ゲームストップの株価が27日に暴落した。投資家は同社のビットコイン獲得戦略を嫌気し売りを加速させた。
06:05
ジブリ風アートに因んだミームコインが高騰、 ChatGPT-4o画像生成機能のリリースで
OpenAIのChatGPTがもたらしたジブリ風AI画像トレンドと、急騰する仮想通貨ジブリ・ミームコインの驚きの実態を解説。
03/27 木曜日
17:05
ビットトレード、貸暗号資産の特別募集「ユーピーシーエックス(UPC)」で開始
ビットトレードがユーピーシーエックス(UPC)の貸暗号資産特別募集を開始。14日間で年率100%相当の高利率が魅力。なお、リスクや注意事項の理解も不可欠。申込条件やメリットを解説する。
14:05
イオレ、暗号資産関連事業参入準備へ Web3ファンドから約4.2億円を調達
暗号資産金融事業への参入準備へ 東証グロース上場企業のイオレは26日、投資事業有限責任組合JAIC-Web3ファンドと株式会社ZUUを割当先とする第三者割当増資を実施すると発表…
11:52
ビットコイン8.7万ドル台で推移、Hyperliquidの「市場操作」臨時対応には賛否両論も
ビットコイン価格が前日比3.99%上昇し8.7万ドル台に回復した。CoinShares報告によると、機関投資家から7.2億ドルの資金が流入し5週間連続の流出傾向が反転する。一方、Hyperliquidは市場操作されたJELLYJELLYトークンを上場廃止にし、分散型理念と利用者保護のバランスに関する議論が浮上した。
11:30
ビットコインとともに注目のトップ20銘柄、Grayscale最新リサーチ
グレースケールが最新の仮想通貨市場レポートを公開した。ビットコインの活動レベル、ミームコイン取引の変化、新たなトップ20銘柄などを解説している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧