はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

Bakktのビットコイン先物提供が最終局面か カストディ企業の買収が仮想通貨業界に重要な理由

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金融規制当局に信託会社として登録申請したことと保管管理機能を強化することをBakktが発表。
ニューヨーク金融規制当局に信託会社としての登録申請に加え、暗号資産カストディ企業買収でCFTCが懸念する保管管理機能を強化するとBakktが公式発表した。

Bakktの最高執行責任者Adam White氏は、ニューヨーク証券取引所等を運営する親会社ICE(インターコンチネンタル・エクスチェンジ)を通してカストディ企業Digital Asset Custody Company(DACC)の買収、BNYメロンとの提携を行なったことを公式ブログを通して発表した。また、ニューヨーク州金融サービス局に信託会社として登録申請を行ったとしており、NY州への認可が降りればビットコイン先物の提供に繋がる可能性が高いとみられている。

これは、Bakktがニューヨーク金融サービス局によって信託企業として承認されると、CFTCの管轄下で(州政府の事業ライセンスの認可も行なっているため)デジタル資産のカストディアンとしてお墨付きを得ることになる。今現物先渡しの懸念点として挙げられる問題を払拭することができるためである。

Bakktはこれまで、政府閉鎖やCFTC長官の交代など、複数の要因が重なりビットコイン先物の提供が延期していたが、4月18日に現物先渡し取引を行う上で必要なカストディ機関のライセンス取得が先物の提供に必要な条件として示されたことが判明。本格的なサービス提供への道筋が見えていた状況にあった。

今回の報道は、今年最大のファンダメンタルズ要因となり得るBakktがサービス開始に向けた「最終局面」に移行したことを示す動きであり、仮想通貨市場における重要な発表となる。

なお、提携を行なったBNYメロンは、資産運用会社などを含めた機関投資家の資産を管理・保管してきた伝統的なカストディ機関であり、DACCの買収と合わせてカストディ関連で大きな動きがあったことが示された。

Bakktの取り組み

White氏は、Bakktが取り組んでいる機関投資家向けの「デジタル資産インフラの将来を構築する」という目的達成のため、不可欠なのは、デジタル資産保管のための強固なインフラとセキュリティ重視の姿勢であり、「カストディこそが、我々の(ビジネスの)中核」とその重要性を強調。

Bakktの目指す動きとして、規制された環境下で、ビットコイン先物取引きの全てのプロセスを、親会社であるICEとともに提供し、機関投資家へビットコイン投資への門戸を開くことを挙げている。

Bakktがライセンスを取得した場合の先物取引

今回説明された現物先渡しビットコイン先物取引のシステムは以下のようになる。ICE Futures US(IFUS)でビットコイン先物を取引したのと同時に、CFTCの認可を受けたクリアリングハウスであるICE Clear US(ICUS)で決済。決済時に引き渡されたビットコインはBakktによって保管・管理される。

そのため、Bakktで取引を行う投資家は、世界で最も流動的な先物市場と同等の、高性能で高速な取引所および決済インフラへのアクセスできるようになると説明した。

Bakktは、過去2年間、このようなエンドツーエンドのサービスを提供するため、カストディ問題の解決を図る次のようなプロダクト開発を行って来たという。

  1. ウォレット
  2. コールドウォレット(オフライン)とホットウォレット(オンライン)を使用 資産の大部分はコールドウォレットに保管され、大手保険会社により1億ドルの保障契約 でカバーされる

  3. セキュリティ
  4. ホットウォレットはFIPS 140–2 レベル 3 か、それ以上のハードウェアモジュールを使用 コールドウォレットの秘密鍵は暗号化かつ分割され、地理的にも分散される

  5. 物理的な保護
  6. 暗号システムは、24時間365日の物理的セキュリティで保護されている銀行並みの金庫室及びデータセンターで保護ヘッジファンド、資産運用会社、ブローカーディーラーなどの機関投資家の資産を保管管理してきた長年の経験を持つBNY Mellon社と連携し、地理的に分散された秘密鍵の保管を行う

  7. サイバーセキュリティ
  8. ニューヨーク証券取引所と同じセキュリティプログラムを導入 グローバルなセキュリティチームにより監視され、規制当局とも連携

  9. 運営管理
  10. 厳格な顧客の資産保管と管理手順を徹底 システムおよびマニュアルで検証

ビットコイン以外の通貨サポートを示唆

なお、White氏の発表では、DACC社の買収はBakktと「セキュリティ第一」という理念を共有できたほかに、複数のブロックチェーンを統合している点や、最先端のコンセンサスの仕組みを構築してきたことが大きく評価されるという。DACCはこれまで13のブロックチェーンと100以上の仮想通貨をサポートしてきたが、この経験がBakktのサポートするデジタル資産のカストディを拡大する際に役立つと考えている点に触れ、ビットコイン以外のサポートの可能性を示唆した。

カストディ強化を図るBakktの方針が、CFTC認可に向けて吉と出るか、今後の進展が注目される。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/30 火曜日
14:00
米カリフォルニア州の超富裕層への「5%資産税」に業界猛反発 仮想通貨起業家流出の懸念も
米カリフォルニア州で純資産10億ドル超の富裕層に5%課税する提案が行われ、Kraken創業者やBitwise CEOをはじめとする仮想通貨・テック業界リーダーが強く反発し、警告を発した。株式、不動産、仮想通貨などを対象とし、未実現の含み益にも課税される点が問題視されている。
14:00
コインベース・ベンチャーズが注目する2026年の仮想通貨4大トレンドとは
米最大手コインベースの投資部門コインベース・ベンチャーズが2026年に積極投資する4分野を発表した。RWA永久先物、専門取引所、次世代DeFi、AIとロボット技術など、次のブレイクアウトが期待される仮想通貨領域について紹介。
12:32
ビットマイン、イーサリアム買い増し 独自のステーキング・インフラも準備中 
ビットマインの仮想通貨イーサリアム保有量が411万枚に到達した。年末の価格下落を好機と捉え買い増しを行っている。2026年には独自ステーキング基盤も公開予定だ。
10:00
2025年の仮想通貨市場を重要ニュースから振り返る
2025年は仮想通貨を支持するドナルド・トランプ氏が米大統領に就任し、相場は米国の動向から大きな影響を受けた。本記事では、ビットコインの最高値更新など1年間の重要ニュースを振り返る。
09:50
仮想通貨投資商品、先週700億円超の純流出 XRP・ソラナは好調維持=CoinShares
仮想通貨投資商品から先週700億円超が流出した。CoinSharesは投資家心理がまだ完全に回復していないと分析した。一方で資産別ではXRPとソラナへの流入は好調だった。
12/29 月曜日
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧