はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

『ビットコインからのパラダイムシフト』仮想通貨の先駆者が新デジタル通貨を発行

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨の先駆者が新たなデジタル通貨を発行
仮想通貨の先駆者として知られる著名暗号学者が新たなデジタル通貨を発行していたことが明らかになった。「デジタルキャッシュ」として機能する、既存の仮想通貨とは異なる役割を担うものであるという。

仮想通貨の先駆者が新たなデジタル通貨を発行

暗号通貨の先駆者として知られるDavid Chaum氏は、デジタル通貨に関する自身の当初のビジョンを復活させる試みを行っている。著名な暗号学者である同氏はThe Blockのインタビューで、物理的なキャッシュの代替となる、セキュリティと速度、スケーラビリティを備えた新たなデジタル通貨「Praxxis」を発行していたことを明かした。

これまでその新たな通貨に関する情報は公表されていなかったが、今回その概要が明らかになった。

チャウム氏によるとその通貨は、同氏がみる「純粋なP2P版のデジタルキャッシュ」といったビットコインに対するサトシナカモトの元々のビジョンを達成する支払い手段であるという。Elixxirブロックチェーン上で構築されるものであり、昨年の上旬頃にローンチされた。

Elixxirのトップを務めるJim Dolbear氏は、「ビットコインはデジタル通貨であり価値の保存手段として機能するが、キャッシュとしての重要な要素に欠けている」と発言。ビットコインとキャッシュ(現金)を区別した上で、同氏は次のように述べた。

我々が決済におけるサポートで試みていることは、ビットコインが価値保存の役割をもつようになったように、デジタルキャッシュの役割を担う新たな媒体をつくりあげることだ。

Chaum氏は、世界で最初のデジタル通貨「Ecash」の生みの親でもあり、1982年に掲載された論文は、仮想通貨ビットコインのホワイトペーパーにも影響を与え、ブロックチェーンプロトコルを最初に提案した論文としても知られている。同氏は1990年にEcashを実装するための会社を設立したが、1998年に破産することとなった。

そのようにEcashはプロジェクトが頓挫してしまったが、Praxxisは全く別の結果をもたらすことになるとChaum氏は語る。

Chaum氏によれば、既存のブロックチェーンは、スケーラビリティ、分散化、セキュリティといった要素を単一のプロトコルで満たすことはできないという。1つのブロックチェーンでその3つのどれかを取るならば、どれかを捨てなければならない国際金融のトリレンマに閉じ込められているというのが同氏の見解だ。

このようなモデルの下で設計されたブロックチェーンは「実際には機能しない」ため、人々がその古いパラダイムから抜け出すときが来たことを信じているとChaum氏は述べた。

またChaum氏は、「セキュリティ、スケーラビリティ、速度に同時に対処できないことも、仮想通貨がグローバルなトランザクションシステムに発展するのを妨げている」とも発言。それに対してPraxxisは、ユーザーのプライバシーを確保しつつ、これらの問題を解決することが可能であるという。

それぞれの決済を少額に分散し、他の決済と混ぜ合わせることで、それぞれのトランザクションでの決済額を当事者のユーザーにしか把握できないようにするとChaum氏は説明した。

量子耐性も

またPraxxisプロトコルは、量子コンピューターによるハッキングにも耐えれるように量子耐性も持ち合わせているという。これは、Praxxisがハッカーや国家による暗号解読への防壁となり得ることを意味している。

Chaum氏によれば、既存のデジタル資産にも広く採用されている暗号化スキームはすでに政府によって標準化されており、特定の機能に基づいたものであることから破られる可能性もあるという。一方でPraxxisプロトコルは、ランダムな機能に基づいた暗号化スキームであり、一定の量子耐性を持ちつつ、従来の暗号解析への耐性も備えているという。

現時点では、Praxxisの技術的な詳細は明らかになっていないが、今年後半にリリースが予定されている。

Chaum氏は、既存の公的な暗号通貨が、デジタルキャッシュという自身のビジョンを実現できていいないことを指摘しつつ、「この分野でもっと早く活動する必要がある」とThe Blockに語った。

なおDolbear氏によると、Elixxirは現在民間投資家によって資金提供を受けているという。トークンセールには言及しておらず、それを行うかについては明確になっていない。

CoinPostの関連記事

「The Block分析」ビットコインは経済の混乱時における資産の「安全な避難先」と見なせるか?
The Blockのリサーチアナリストが、BTCが「安全な避難先」であるという見解に対し反論。ボラティリティーや現在の人民元との相関の高さ、標準偏差などの観点から、他の安全資産との比較においてBTCの安定性の低さを主張。
「ビットコインをスタバで」実現は2020年頃? 仮想通貨決済導入に向けて開発に着手か|The Blockが報道
世界中でコーヒーチェーン店を展開するスターバックスが、仮想通貨決済に係る開発を行なっているとする報道が、The Blockから行われた。最短で2020年までに仮想通貨決済導入を行う可能性があると、関係者筋の話で明らかにした。
CoinPost App DL
記事提供:THE BLOCK
THE BLOCKとは

Cryptoにおける”最初で最後の言葉”であること。
The BlockはCryptoにおける最高クオリティで最重要のシグナルをお届けします。日々、Website、Newsletter、Podcast、イベントを通じて、業界で最も影響力のある人々にリーチしています。

注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
01/30 木曜日
14:15
米商務長官候補ラトニック氏「AIとブロックチェーンでUSDTの悪用を防止」
米商務長官候補のハワード・ラトニック氏は承認に向けた公聴会で、AIとブロックチェーン技術を活用してステーブルコイン、テザーの悪用を防止する方法について語り、1~2年以内に違法行為を排除することも可能だと主張した。
13:50
トランプ氏ミームコインなど「PolitiFi」トークンが選挙で果たす役割 研究者ら分析
研究者らがトランプ氏ミームコインなど「PolitiFi」トークンの選挙への影響を分析した。若年層などへのアピールや資金調達に役立つとしている。
13:20
米インディアナ州議員、退職基金からビットコインETF投資を可能にする法案を提出
インディアナ州のジェイク・テシュカ議員が、州の年金基金などがビットコインETFに投資することを可能にする法案を提出した。法案が可決されれば2025年7月1日から施行される見通しだ。
12:30
FOMC通過で仮想通貨相場など反発、米国州ではビットコイン準備金をめぐる動きが本格化
FOMCでパウエルFRB議長の発言を受けてビットコイン価格が上昇する中、テキサス州が優先法案にビットコイン準備金を含めるなど、複数の州で暗号資産への取り組みが本格化。フロリダ州やペンシルベニア州なども同様の動きを見せている。
11:30
トランプ政権のBTC相場4年サイクルへの影響、Bitwise幹部が分析
Bitwiseの最高投資責任者は、米トランプ政権が仮想通貨ビットコイン相場の4年サイクルに与える影響を考察。2026年にビットコイン相場が下落する可能性を分析している。
10:20
仮想通貨カルダノ(ADA)が完全分散化へ Plominアップグレードを完了
仮想通貨カルダノがPlominアップグレードを完了し、ADA保有者による分散型ガバナンスへ移行した。ADA保有者は投票で意志決定に参加できるようになる。
09:40
XRPやSOL、DOGE含む銘柄の総合的パフォーマンスを追う指数、GMCIが提供開始
米GMCIは新たに、主に米国を拠点とする仮想通貨銘柄の価格パフォーマンスを追跡する新たな指数「USA Select Index」を立ち上げた。この指数は、米国市場に焦点を当てた仮想通貨戦略の標準的なベンチマークを提供することを目的としており投資家にとって重要な指標ととなる。
08:35
FOMC後のビットコイン価格と投資家心理の変化|仮想NISHI
仮想通貨市場は、米連邦公開市場委員会後の記者会見で、パウエルFRB議長が「銀行は暗号資産の顧客に完全に対応できる」と発言したことで上昇。さらにチェコ中銀が外貨準備でビットコイン保有を検討していることが伝えられ上昇を後押しした。
07:35
米SEC、ライトコインETF上場申請について意見公募の手続きを開始
米国証券取引委員会は30日より、Canary社のライトコインETF提案に関して一般からのコメントを募集し始めた。認識された最初のアルトコインETFである。
07:00
チェコの中銀総裁、準備金5%のBTC保有を提案へ
チェコ中銀総裁は、準備金を多様化するために仮想通貨ビットコインを購入する計画を提出することがわかった。この計画が承認されれば、準備金1,400億ユーロの5%をビットコインで保有することになるという。
06:50
イーロン・マスク氏のテスラ、ビットコイン保有継続 1600億円相当
米電気自動車大手テスラは30日の決算発表で、9,720ビットコインの保有を継続していることを明らかにした。
06:25
トランプ大統領のメディア企業、最大388億円でビットコインETFや仮想通貨に投資へ
トランプ米大統領のメディア企業TMTGは29日、ビットコインなどの仮想通貨投資を含むフィンテックブランド「Truth.Fi」の立ち上げを発表した。
06:11
ミームコイン「TRUMP」、トランプ大統領のブランド商品購入に使用可能
トランプ米大統領が公式ミームコイン「トランプトークン(TRUMP)」の新たな利用方法として、自身のブランド商品の購入に使用可能とすることを発表した。
05:55
FOMC金利据え置き、パウエル議長は仮想通貨に関して発言 ビットコイン急反発
ビットコイン価格はFOMC結果を受けて大きく反発。米連邦準備制度理事会のパウエル議長は30日のFOMC後の記者会見で、銀行の仮想通貨業務について言及し、リスク管理が適切に行われる限り、銀行による仮想通貨関連サービスの提供を容認する姿勢を示した。
01/29 水曜日
14:30
ロビンフッドCEO「トークン化で投資革命が始まる」非上場企業への投資アクセスを民主化
米ロビンフッドのテネフCEOが、米国における非上場企業への投資機会の不平等を指摘。仮想通貨技術による資産のトークン化が「最も包括的な投資革命」をもたらす解決策だと主張した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
重要指標
一覧
新着指標
一覧