はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

NEOはEthereumに代わる世界のICOプラットフォームになりうるか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

EthereumとNEO
分散型アプリケーションプラットフォームとして知られているEthereumとNEO。NEOはその特性から中華版Ethereumとも称されていますが、実際に両者のシステム、アルゴリズムには大きな相違点があります。
NEOの合意形成アルゴリズム
NEOはDelegated Byzantine Fault Tolerance(dBFT)と呼ばれるアルゴリズムを採用しており、代表ノードがその他のトークンホルダーによって推薦され、一括してチェーンを検証する手法が採用されています。PoWを採用しているEthereumとの大きな相違点の一つといえるでしょう。

Google / Baidu、Facebook / WeChat、YouTube / Youku、Twitter / Weibo など、 中国は長い間、欧米のテクノロジーサービスに相当する独自のプラットフォームを自前で作り続けてきました。

仮想通貨がより主流になる中で、その代表格ともいえるEthereumは市場プレゼンスの高い定番の仮想通貨となっており、まるでこれまでの慣例に従うかのように、中国はこのEthereumに対抗する独自の仮想通貨、NEOを作りだしました。

NEOは2016年12月に始動し、7月以来着実に価格が上昇しています。

多くのスタートアップがNEOのプラットフォーム上でICOを行い、DAppsのリリースが計画されています。

先日はサンフランシスコで新たなプロジェクトのラインナップを集めたカンファレンスが開催され、大盛況に終わりました。

多くの人々がNEOを中国版Ethereumと呼んでいますが、実際のところ、これは部分的にしか正しくありません。

2つのブロックチェーンには類似点がありますが、そのシステムには基本的な違いも多く存在します。

ではNEOとは一体何なのか、またEthereumとの競合となり得るのでしょうか。

スマートコントラクト/スマートエコノミー

Ethereumは現在、時価総額で2位の価値を有する仮想通貨です。

Bitcoinの価値は、それが最初の暗号通貨であり、最も確立されているという事実に基づくところも大きいかと思います。

しかし、Ethereumの成功とその付加価値が増大した背景には、スマートコントラクトの実装などユニークなユーティリティを多数備えていることが挙げられるでしょう。

スマートコントラクト(DApp)は、コードにより自動化された契約であり、操作時にはトークンを必要とします。

また、一度成立した契約は、実世界の契約で起こる違反や規定を欺くなどの行為を排除することが可能となります。

NEOが有するプラットフォーム内におけるスマートコントラクトのスキームも、Ethereumに共通する部分が多く見受けられます。

どちらもオープンソースプラットフォームであり、通貨システム以上の機能を保持する上、実質価値を持つ仮想通貨として普及しています。

NEOは現在、Webサイトに27のDAppsを掲載しており、WiFi共有から宅配便サービス、悪天候保険などのサービスを提供しています。

しかし、Ethereumは「世界的にアクセスしやすく、より自由で信頼できるインターネットを構築する」(公式の説明)ことを目指しているのに対し、NEOはまったく新しい経済圏を構築することを目指しています。

Ethereumは、世界のICOプロジェクトのほぼすべてで使用される基盤プラットフォームであるため、その目標を達成するための道を歩んできました。

しかしながらNEOは後発であり、より大きな目標を持っているため、現時点での成果を単純に比較するのは公正ではありません。

NEOが目指すスマートエコノミーは、経済全体がスマートコントラクトによって成立する経済圏のことで、このような世界では、すべての物理的資産がデジタルで表され、すべての取引とその取引の当事者はデジタルIDで登録されます。

実際にNEOは、TheKeyと呼ばれるプロジェクトとすでに提携しています。

TheKeyはブロックチェーンベースの識別検証ツールで、政府当局によって特別に事業が認可されているプロジェクトです。

また、この政府との連携という事実が、NEOとEthereumの2つのプラットフォームの間で重要な違いをもたらすことでしょう。

政府との連携

Ethereumは、Bitcoinの開発者とされるサトシ・ナカモトの信念に倣い、政府とは独立して行動することが求められています。

そしてこのシステムの最大のポイントは、その運営が中央集権的ではなく分散化されており、開発者のVitalik Buterinもまたガバナンスシステムに高い関心を寄せているところです。

しかし、方向性をトップダウンで決めることができない非中央集権型のモデルゆえに、重要な意思決定時においては今なお彼の意見がEthereum全体の運営に大きな影響力を持ち続けているという矛盾を抱えています。

一方NEOは、既存のシステムの中で稼働することを目指しています。

Hackernoonが指摘するように、「スマートエコノミーは依然として政権下、及び政府の規制下にある」ため、プロジェクトがRippleのように成功する公算が高いとされています。

Rippleは、金融機関によって使用される決済システムとして設計されており、すでに世界各国の大手銀行や証券会社、決済サービスプロバイダーとの提携を行っています。

NEOの創設者Da HongfeiとErik ZhangはOnChainと呼ばれる姉妹会社を有しており、Microsoft Chinaや中国の地方政府といくつかのプロジェクトで協力するなどの成果を上げています。

これらの背景から鑑みても、NEOはリップルと同様、その成功が大きく期待されています。

コンセンサスとビザンチン将軍

NEOは、Ethereumとは対照的に、フォークが行なえません。

これは、「Delegated Byzantine Fault Tolerance(Delegated Byzantine Fault Tolerance)」というプロセスによって、システムがコンセンサスを形成(取引を承認するための合意形成を)するためです。

この名前は、1975年に初めて出版された「2人の将軍問題」の発展である「ビザンチン将軍問題」という思考実験から来ています。

ある都市B1は2つのグループで構成された1国の軍隊(A1、A2)によって包囲されており、各グループはそれぞれ別の将軍に率いられています。

グループはある程度離れていて、メッセンジャーを介してコミュニケーションを取っていますが、2つのキャンプの間には敵の陣地があります。

つまり、メッセンジャーが捕らえられ、メッセージが届かない可能性があります。

しかしながら、攻撃を成功させるためには、お互いのコンセンサス(合意)が必要となります。

双方の意志を確認するためのメッセンジャーが到着するという確証がない場合、どのようにコンセンサスを形成するのか?、またメッセージが相手方に届いた場合でも、送信者自身はどのようにして到着を知ることがでできるのか?、というものです。

これは、互いに異なる形態の通信を使用するオペレーティングシステムの中心的な問題で、理論上では確かな解決策がないとされるものの、実際にはコンピューティングの世界ではいくつかの解決策が提示されており、そのひとつがブロックチェーンです。

しかしながら、一言にブロックチェーンといってもそのシステムのコンセンサス形成(取引の承認プロセス)には様々な方法があります。

例えばBitcoinのコンセンサス形成においてはProof of Work(PoW)が使用されており、これはすべての取引をシステム上のすべてのノード(参加者)が承認し、決定に同意しなければコンセンサス形成に至らないという力ずくともいえる手法です。

この点についてはすでに多くの否定的な意見が飛び交っていますが、中でもBitcoinのシステムについては合意形成のために行われる取引の検証プロセス、すなわちマイニングに使用される電力がアイルランド全体の電力消費量を上回るなど、システム全体を運営していく上での負担が大きい点などが挙げられます。

またすべての参加者による全会一致の合意によってのみシステム全体の意思決定が行われるという非効率的な民主主義へのアプローチも問題とされています。

EthereumもまたPoWを使用しているため、現在では1秒間に最大15回までのトランザクションしか処理できません。

しかし、今年中にProof of Stake(PoS)への移行を予定しています。

このPoSはチェーンの承認を行うノードのマイニングパワーが各ノードが保有するネイティブトークン(そのシステムを発行体とする仮想通貨)の量に比例し、マイニング時にシステムが負う負担を軽減することが可能となります。

NEMに使用されているProof of Importance(PoI)はPoSを修正したもので、トークンの保有量に加えて、ノードのシステム内での活動頻度を考慮することで連鎖を検証するノードの重要性を決め、マイニング負荷を軽減させる形態をとったものです。

一方のNEOはdBFTと呼ばれる別のコンセンサスアルゴリズムを使用しています。

Delegated Byzantine Fault Tolerance(dBFT)では、代表ノードがその他のトークンホルダーによって推薦され、一括してチェーンを検証する手法が採用されています。

彼らはブックキーパー(台帳管理者/簿記者)とも呼ばれ、チェーン上のブロックを検証する責任を一任して負うことになります。

またこれらの特徴からdBFTは、PoSの修正モデルであることがわかります。

NEOのブックキーパーは決定を下すために最低でも66%以上のコンセンサス(合意)を得ねばならず、他のブロックチェーンシステムの多くが抱えてきた問題、いわゆるフォークを回避することができるという大きな利点を有しています。

この利点がいかに有用かは一目瞭然です。

NEOは、現時点で1秒当たり1,000トランザクションを処理することができ、理論上の上限値は10,000とされています。

ちなみにEthereumでは現行のPoWシステムの場合、理論上の最大処理速度は1秒につき30トランザクションとなっています。

この考え方にはブックキーパーに大きな決定権がゆだねられるため、ブロックチェーンシステムや仮想通貨が発展してきた最大の理由である権力の非中央集権化、というコンセプトに逆行しているとも捉えられます。

しかし、政府の規制や介入に依存せず、あくまでも自らの独自の管理システムでの運営モデルを目指しているのであればこのdBFTもまた必ずしも否定的にとらえる必要はないといえるかもしれません。

GAS vs ether

Ethereumにはマイニングによって得られるネイティブトークン、etherがあります。

この発行量は毎年1,800万を超えることはできず、ブロックは平均12秒ごとに作成されます。

これはPoW/マイニングの欠点である取引コストやマイニング時に発生する様々な負荷といった欠点がありました。

対するNEOには2つのトークンがあります。

一つ目がNEOであり、保有者に議決権を与えるものです。

もう一方のトークンであるGASは、取引料金を支払うために使用されるブロックチェーン上の通貨です。

資産がシステム上に追加されるたびに、GASが自動的に作成され、その資産の保有者に配布されます。

資産保有者のインセンティブは、取引コストを低く抑えることでより多くの人々をブロックチェーンに引き寄せ、より多くのGASを得ることにあります。

したがって、これらの特徴を踏まえると、このブロックチェーンはより円滑に、そして拡大成長する方向に向かっているといえるでしょう。

結論

2つのブロックチェーンの間には他にも多くの技術的な違いがありますが、その多くにおいて現時点ではNEOのほうが好ましいかもしれません。

たとえば、Techcrunchによると、EthereumはSolinityというプログラミング言語のみをサポートしているため、開発者はEthereum上でビルドを行う際Solinityを新たに学ぶ必要があります。

しかしNEOはPython、Go、Java、および.Netをサポートしているため、より簡単に開発に取り組める環境がそろっています。

一方で、Ethereumは常にシステムの開発や更新を行っており、例えば、Buterin氏は最近、ICO市場が直面している多くの問題を解決できるアイデア(DAICO)を発表しています。

NEOにはこうした柔軟性が欠けており(フォークできない、既存の行政システムとの同化共存を図っている、など)場合によってはこれが大きな欠点とみなされるかもしれません。

現時点ではNEOが世界のICOプラットフォームとしてEthereumを奪回するかどうかはまだ分かりません。

しかし、CoinmarketcapによればNEOの時価総額はすでに90億ドルを上回っており、またNEOは中国で誕生した仮想通貨であることから国際的に普及する以前に巨大な国内市場を持っているという独自の強みがあります。

従って、この段階で確実なのは、ランキングを考慮しなくとも、将来の経済において主要なプレーヤーになるであろうということです。

Analysis: NEO – Will It Replace Ethereum as the World’s ICO Platform?

Simon Golstein, Thursday, 01/02/2018

参考記事はこちらから
ネオニュース一覧
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
02/28 土曜日
06:20
米超党派議員、仮想通貨開発者の刑事訴追を防ぐ新法案を提出
米連邦議会で「2026年ブロックチェーン開発イノベーション促進法」が提出された。トルネードキャッシュ事件などを背景に、顧客資産を管理しないソフト開発者が送金業者として刑事訴追されるリスクを排除し、国内のイノベーションを保護する目的。
05:55
モルガン・スタンレー、仮想通貨の自社カストディとE*Tradeでの取引提供を計画
米金融大手モルガン・スタンレーが、ビットコインの自社カストディ技術の開発と、傘下E*Tradeでの現物仮想通貨取引の提供を計画。既存の金融サービスとデジタル資産の統合を加速。
05:45
ビットコインETF、3日で1700億円の資金流入
米国の現物ビットコインETFが直近3営業日で11億ドル超の純流入を記録。5週間にわたる流出トレンドに終止符を打ち、規制案の進展を背景とした機関投資家の買い意欲が鮮明に。
05:00
韓国国税庁、差押え仮想通貨の復元フレーズを誤公開 7億円相当のトークンが流出か
韓国国税庁が押収された仮想通貨ウォレットの復元キーを報道資料の写真に無修正で掲載し、7億円以上のトークンが第三者に流出した疑いが浮上。専門家は当局の仮想通貨管理に対する基礎知識の欠如を厳しく批判。
02/27 金曜日
18:10
アステリアが企業向けJPYC決済基盤を4月提供開始、自社で10億円保有へ|MoneyX
アステリアが4月、1万社超が導入するデータ連携ソフト「ASTERIA Warp」を通じてJPYCと既存業務システムを接続する企業向け決済基盤「JPYC Gateway」の提供を開始すると発表。自社勘定でJPYC10億円を保有する方針も明らかにした。JPYCはシリーズBで17.8億円の調達とLINE NEXTウォレット「Unifi」への採用も同日発表した。
16:22
JPYC×LINE連携で日本円ステーブルコインを日常決済へ|MoneyX2026
LINE NEXTが新ウォレット「Unify」にJPYC採用を発表。Kaiaチェーンへの展開検討やポイント交換との連携も明かされ、AIエージェント決済や数十兆円規模の発行構想など今後の展望が議論された。
15:20
「トランプ政権の優遇策でも普及せず」米政府元高官らが仮想通貨の実用性を疑問視
バイデン政権時代の元経済諮問委員会議長らが「暗号資産は本質的に無意味」とNYタイムズに寄稿した。トランプ政権の優遇策でも市場は反落したと批判。一方、ステーブルコインの普及や大手金融機関のブロックチェーン導入など、反論の根拠も浮かび上がる。
14:50
SBI北尾会長兼社長、円建てステーブルコイン「JPYSC」を解説 米国の規制整備や日本の税制改革にも強い期待|MoneyX 2026
SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長がMoneyX 2026で基調講演を行い、スターテイルグループと共同開発する円建てステーブルコイン「JPYSC」を発表した。2026年度第1四半期のローンチを目指すとし、USDCレンディングやシンガポール拠点の海外展開構想も明らかにした。
14:37
国際送金のドル依存脱却へ、サークルとバイナンス幹部がMoneyXで語る通貨の未来|MoneyX
サークルとバイナンスの幹部が「MoneyX 2026」に登壇し仮想通貨による国際送金の効率化や展望を語った。
13:54
米英星の当局・専門家、いま「お金のルール」を書き換える AI・量子脅威などを議論|MoneyX 2026
MoneyX 2026のGFTN連携セッションで、英FCA・シンガポールMAS・元米ホワイトハウス顧問が登壇。AIガバナンス、ステーブルコインのASEAN流入、量子コンピュータの暗号リスク、2030年の金融システム展望を議論した。
13:40
SBIとスターテイル、日本初の信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」のブランド名称とロゴを発表
SBIホールディングスとStartale Groupが、共同開発中の信託型円建てステーブルコインのブランド名称を「JPYSC」と発表。新生信託銀行が3号電子決済手段として発行し、100万円制限を受けない設計。2026年度1Qのローンチを目指す。
13:40
国内初、SBI VCトレードが「カントン(CCトークン)」取扱いへ
SBI VCトレードが3月25日より、国内初となる仮想通貨カントン(CC)の取扱いを開始する。SBIはCanton Networkの運営を支える複数の大手金融機関の1社。
13:20
トランプ一族のアメリカンビットコイン、90億円の純損失 6000BTCを蓄積
トランプ一族が関わる仮想通貨マイニング企業アメリカンビットコインが決算を発表。2025年10〜12月期に約90億円の純損失を計上したが、BTC保有量は6,000枚超に達した。
11:51
ステーブルコイン・CBDC・トークン化預金は共存できるか 官民が「通貨の新OS」を議論|MoneyX 2026
MoneyX 2026のセッションで、業界リーダーらがステーブルコイン・トークン化預金・CBDCの共存と相互運用性について議論。企業の資金管理自動化やAI対応マネーの構想も示された。
11:03
片山財務大臣、ステーブルコインの「社会実装」推進を表明|MoneyX 2026
片山さつき財務大臣兼金融担当大臣が「MoneyX 2026」でビデオ登壇。円建てステーブルコインの累計発行額10億円突破や三メガバンクの実証実験開始など国内動向を解説し、今夏の金融庁内専門局新設を正式表明した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧