
2028年にBTC価格が100万ドルに到達する理由
暗号資産(仮想通貨)取引所BitMEXの元CEOアーサー・ヘイズ氏が15日の最新ブログで、ビットコイン価格が2028年までに100万ドルに達するという予測を再び発表した。ヘイズ氏は、米国債市場への信頼低下と海外資本の本国送還が主要な要因になると分析している。
同氏は4月にBTC価格の74,000ドルへの下落とその後の反発を正確に予測しており、市場からの注目度が高い。
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ヘイズ氏によれば、トランプ政権の経済政策と世界的不安定性の高まりにより、これまで最も安全とされてきた米国債から投資家が離れる流れが加速すると予測。「海外資本の本国送還と巨大な米国債の価値下落が、今から2028年までの間にビットコインを100万ドルへと押し上げる二つの触媒となる」と述べ、「トランプ大統領がビットコインに好意的な今こそ稼ぎ時だ」と強調している。
フィデリティ・デジタル・アセットのリサーチ担当副社長クリス・カイパー氏も先日のビットコインカンファレンスで、「過去100年間、インフレと税金を考慮すると米国債保有者は実質的に利益を得ていない」と指摘。トランプ主導の「自国第一」の金融政策が強化されるにつれ、西側諸国は資本の国外流出を防ぐための資本規制に転じる可能性があるとヘイズ氏は警告している。

出典:フィデリティ(ビットコインマガジン掲載)
また、国家間の金融市場の分断が進む中、ビットコインが「グローバル金融の分断地域を移動させる優れた手段」になると主張。「インターネットが存在する限り、法定通貨をビットコインに換えることは可能だ」と述べ、中国のように中央集権型取引所が実質禁止されている環境でも、個人間取引(OTC)市場は流動性を維持していると指摘した。
投資戦略について
ヘイズ氏は自身が経営するファミリーオフィス『Maelstrom』の投資戦略についても言及し、今年の1月下旬にリスクを減らして法定通貨を確保し、3月下旬から4月上旬にかけて徐々に市場に再参入したことを明かした。特に「解放の日(4月2日)」と呼ぶ金融市場の混乱時に仮想通貨エクスポージャーを最大にしており、今後はビットコインを上回るパフォーマンスが期待できる質の高いアルトコインを検討していると説明。具体的にPENDLEとETHFIの2つのプロジェクトに投資したことを明らかにした。
世界中の機関投資家が保有する米国資産約33兆ドルのうち10%がビットコインに流入した場合、価格は単純な10倍以上に急騰する可能性があるとヘイズ氏は試算している。現在のビットコイン市場の時価総額と保有量を考慮すると、海外資本の流入はマージン取引による空前の買い圧力を生み出す可能性があり、100万ドルへの道筋が現実味を帯びると結論づけた。
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