
仮想通貨の投資戦略
著名空売り投資家のジム・チェイノス氏は、「CNBC」のインタビューで、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)をロング(空買い)し、ストラテジー(旧マイクロストラテジー)社の株をショート(空売り)していると明かした。CNBCが14日に報じた。
この投資戦略についてチェイノス氏は「1ドルでモノを買って2.5ドルで売っているようなものである」と説明。ビットコインの価格に対し、ストラテジー社の株価が割高になっているために、この価格差を利用していることを示唆した。
ストラテジー社は、最も多くのビットコインを保有する上場企業で、債券発行などで資金調達をしながら買い増しを継続している。そのレバレッジ(てこ)を高めた投資手法から株価が上昇しやすい傾向にあるのと同時に、リスクを指摘する声も増えてきた。
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チェイノス氏は今回、「ストラテジー社や同社と同様の戦略でビットコインを購入している企業の一部は、企業構造の中でビットコインを買うというアイデアを個人投資家に売っている」との見方を示した。
そして、「こういった企業は、ストラテジー社と同様に、自社の株価もプレミアムを付けて評価されるべきであると考えている」とし、この考え方を強く批判している。
また、チェイノス氏は自身の投資戦略について「ストラテジー社や同社のマイケル・セイラー会長とまったく同じことをやっている」と主張。他にも「この投資は単純なアービトラージであるだけでなく、個人投資家の投機の度合いを知る良いバロメーターにもなる」と語った。
アービトラージとは
同一の価値を持つ2つの金融商品の価格差を利用して売買を行って利益を得る取引手段のこと。日本語では「裁定取引」と呼ばれる。
ストラテジー社は本記事執筆時点で、56万8,840BTC(8.5兆円相当)を保有。同社の株は、現物ビットコインへの代替投資手段としても取引されている。
ビットコインのパフォーマンスは前年比でプラス56%超。一方、ストラテジー社の株価は前年比でプラス187%超である。
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