
ビットコイン準備金戦略を本格始動
ニューヨーク証券取引所上場のDDC Enterprise(NYSE: DDC)は7月1日、仮想通貨ビットコイン準備金構築のため最大5億2800万ドル(760億円)の資金調達を完了したと発表した。同社はDayDayCook、Nona Lim、Yai’s Thaiなどアジア食品ブランドを運営する企業で、NYSE上場企業による仮想通貨専用資金調達としては最大規模の取り組みとなる見込み。
今回の資金調達はAnson Fundsとの2,600万ドルの戦略的PIPE投資、2,500万ドルの転換社債発行、200万ドルの私募投資および2億ドルのクレジットラインから構成されている。同社は追加で最大2億7,500万ドルの転換社債発行オプションも確保しており、段階的な資金調達が可能な構造となっている。
DDCは5月に準備金戦略を初めて発表し、クラスA株式25万4,333株の売却により約230万ドル相当の21ビットコインを購入していた。6月中旬には今回の5億2,800万ドル資金調達計画の詳細を明らかにし、Maxim Group LLCが独占的財務アドバイザーとして取引を支援している。
ノーマ・チュー創設者兼最高経営責任者は「この最大5億2800万ドルの資本コミットメントはDDCにとって転換点となる」と述べた。Anson Funds、Animoca Brands、Kenetic Capitalなどの主要機関の支援により、世界で最も価値ある企業ビットコイン準備金の構築と、グローバルなビットコイン保有者としての地位確立が可能になると期待を示している。
同社は調達資金の純収益をビットコイン購入に充てる予定で、食品事業の基盤を維持しながら仮想通貨を中核準備資産として位置付ける戦略を推進している。企業による仮想通貨準備金革命の先駆者として、上場企業の財務アーキテクチャーにビットコインを統合する取り組みを牽引していくとしている。
関連:『ビットコイン財務戦略の成功は少数企業に限られる』Breedレポート、ストラテジー社の先行事例に注目
関連:ストラテジーのビットコイン循環戦略、NAV超プレミアムを正当化か=TD Cowen分析