
「買う・掘る」のハイブリッド戦略で参入
アパレル小売大手の株式会社マックハウスは4日、暗号資産(仮想通貨)マイニング事業で国内トップシェアを持つ株式会社ゼロフィールドと、暗号資産事業における包括的協業に関する基本契約を締結したと発表した。
衣料品のチェーンストア「Mac-House」を全国展開するマックハウスは、既存事業の枠を超えて中長期的な企業価値向上を目指し、暗号資産領域に本格参入する。今回の協業により、暗号資産の「購入・保有」と「マイニング」を両輪で推進する独自戦略を展開し、収益の多様化を図る方針だ。
マックハウスの暗号資産戦略は、市場で直接購入する方法とマイニングで採掘する方法を組み合わせ、いずれも最終的には暗号資産を保有することを目指している。対象銘柄はビットコインを軸としつつ、市況動向を見極めながら判断する方針だ。
購入では一括投資によるタイミング投資を、マイニングでは継続的な採掘による定期取得を行うことで、取得コストや取得タイミングの分散を図る。
近年の暗号資産市場では、米国でのビットコイン現物ETFの承認や大手金融機関の参入、上場企業による大量保有が相次いでいる。いわゆる「機関投資家マネー」の流入が鮮明となっており、日本国内でもメタプラネットを筆頭に、企業のトレジャリー戦略として暗号資産を活用する動きが進んでいる。
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4年連続シェア1位のゼロフィールド
提携相手のゼロフィールドは、AI領域に特化した株式会社トリプルアイズ(東証グロース上場)の100%子会社で、国内におけるマイニング機器販売台数、顧客数、稼働顧客数で4年連続全国1位を獲得している(東京商工リサーチの調べ)。
同社によると、マイニング事業は年間投資利回り150%超の収益モデルを報告しており、今後は海外拠点を活用することで200%以上のリターンを目指すとしている。
今回の基本契約を基盤として、両社は具体的なマイニング拠点や運用計画の協議、暗号資産購入タイミングの検討を進める。さらに、NFTやブロックチェーンサービスへの展開、ESG・CSRに資する事業スキームの検討も行う予定だ。
伝統的な小売業から暗号資産事業への参入は、企業の収益構造の多様化を図る動きとして注目される。マックハウスの取り組みが、他の小売業にも波及するかが今後の焦点となりそうだ。
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