はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

SBI北尾会長兼社長、円建てステーブルコイン「JPYSC」を解説 米国の規制整備や日本の税制改革にも強い期待|MoneyX 2026

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

基調講演

次世代金融カンファレンス「MoneyX 2026」が2月27日、東京・ザ プリンス パークタワー東京で開催され、SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長が基調講演を行った。

北尾氏はステーブルコインとオンチェーン金融を核とした同グループの包括的な事業戦略を明らかにした。これまでの日本の金融規制の遅れを指摘しつつ、「圧倒的なスピード」で世界展開を進める姿勢を鮮明にした。

米ジーニアス法施行へ、税制改正とETF解禁に期待

米国では2025年7月、ステーブルコイン規制の連邦法ジーニアス法(GENIUS Act)が成立した。北尾氏は、暗号資産全般を対象とする包括的規制の枠組みとなるクラリティ法も念頭に置きながら、「実際に施行されれば規制・法的リスクが激減し、米SEC(証券取引委員会)とCFTC(商品先物取引委員会)の管轄範囲も明確になる」と評価した。

同法が通るかどうかは決定的な違いがあるとも強調。トランプ大統領が米国を暗号資産の「キャピタル(首都)」にすると明言していることも追い風だと述べた。

日本でも法整備は着実に進んでいる。暗号資産の口座数は、株の非課税制度として広く普及するNISA口座数の半分近い水準である1,400万口座に達し、預託金残高の合計は5兆円規模を突破した。北尾氏は「すでに資産クラスとしての地位を十分確立していることを示している」と述べ、こうした実態が制度改革を後押ししていると指摘した。

税制面では、最大55%に達する総合課税をイノベーションの遅れを招くと批判した上で、2026年税制改正大綱に申告分離課税への移行が盛り込まれたことを評価した。自身が子どもの頃からの過去数十年間の日本の成長率停滞や、他の先進国と比べた金融改革の鈍さを嘆きつつ、規制改革を推進する立場にある高市政権、および片山財務大臣への強い期待も口にした。

L2技術とAIエージェントがオンチェーン金融を高度化する

技術面では、レイヤー1(L1)ブロックチェーンの課題として、取引増加に伴う取引手数料(Gas代)の高騰と処理速度の低下を挙げた。これを解消するレイヤー2(L2)技術の登場を「大きな進化だった」と評価し、大量取引を高速処理して最終結果をL1にまとめて記録する仕組みが普及しつつあると説明した。

さらにAIエージェントが自律的に取引を行う昨今においては、トランザクションの爆発的な増加によりオンチェーン化が必然的に加速すると述べた。個人投資家がAIエージェントを通じて機関投資家と同等の市場に直接アクセスできる世界が到来しつつあるとし、既存金融インフラからの脱却を訴えた。

米国の株式プラットフォームであるロビンフッドが、トークン化株式サービスを開始してわずか半年で取扱銘柄を10倍強に拡大した事例を引き合いに出し、「投資家は新しいものに非常に敏感だ。日本も置いて行かれないようにする必要がある」と指摘した。

円建てステーブルコインのローンチ目指す、USDCレンディングも

SBIグループの具体的な事業計画として、スターテイルグループとのジョイントベンチャーで共同開発する円建てステーブルコインを、早ければ2026年度第1四半期(4〜6月)にローンチする方針を表明。スターテイルの渡辺創太氏を社外取締役として招聘したことも明かした。

また、暗号資産交換業を営む子会社であるSBI VCトレードがCircle社とUSDCのジョイントベンチャーを設立し、USDCのレンディングサービスも展開する計画を示した。貸金業ライセンスを取得することで、暗号資産を担保とした日本円の貸し付けも可能になるとした。

SBIホールディングスとStartale Groupは27日、共同開発を進めていた日本円ステーブルコイン「JPYSC」を発表した。

JPYSCは、日本の金融規制の枠組みに基づき、新生信託銀行が信託型の3号電子決済手段として発行するステーブルコインだ。信託会社がユーザーから預かった円資産を信託銀行で分別管理した上でブロックチェーン上に発行する仕組みで、2023年6月施行の改正資金決済法によって整備された類型にあたる。

最大の特徴は法的な資産保全にある。発行会社が万一倒産した場合でも、信託財産は一般の債権者から切り離されて保護される。銀行型(1号)の預金保険とは仕組みが異なるが、信託法に基づく安全性が担保されている。また、プログラマブルな設計が可能なパブリックチェーン上で発行されるため、AIエージェントや銀行口座を持たない外国人旅行者でも利用できる「誰でも使えるデジタル円」としての展開が期待されている。

主な特徴は4点だ。信託型(3号電子決済手段)として法令・金融規制に準拠した設計を採用し、高い信頼性を確保している。実務決済や資金管理、クロスボーダー決済など幅広い用途での活用が主要金融機関・大手企業から注目されているほか、機関投資家レベルの大規模取引やトークン化資産の決済にも対応する。さらに、従来の金融システムとブロックチェーン基盤をシームレスに統合するグローバルな相互運用性も備える。

SBI VCトレードが主要な販売パートナーを務め、Startale Groupがコアパートナーとしてプロジェクトを主導する。正式ローンチは関連する規制・制度への対応体制の整備を前提にローンチを目指すとしている。

関連:SBIとスターテイル、日本初の信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」のブランド名称とロゴを発表

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
02/28 土曜日
10:10
米司法省のスキャム対策局、900億円超の仮想通貨を凍結・押収
米司法省コロンビア特別区の連邦検察が今週、東南アジアを拠点とする中国系国際犯罪組織による仮想通貨詐欺から計900億円の資産を凍結・押収したと発表した。わずか3カ月での成果であり、詐欺被害者への返還を目指して法的手続きが進められている。
09:30
ビットコイン50万円下落、米クラリティー法案の不透明感が重荷に|仮想NISHI
ビットコインは、27日から28日にかけて最大50万円幅の下落となった。今回の下落の最大の背景は、ホワイトハウスが3月1日を期限としている仮想通貨市場構造法案の妥結に向けた進展が不透明となっていることである。
08:50
米上院議員ら、バイナンスの不正金融疑惑で司法省と財務省に調査要請
米民主党の上院議員11名が、バイナンスによるイラン関連の不正送金疑惑を巡り、司法省と財務省に対し徹底調査を求めた。2023年の和解条件違反の可能性や、トランプ大統領の仮想通貨事業との接点も指摘されている。
08:10
金融庁、仮想通貨などのマネーロンダリング対策に関する実証実験を支援へ
金融庁は、仮想通貨などのマネーロンダリング対策に関する実証実験を支援すると発表。この実証実験では、マネーロンダリング対策について企業が共同して情報連携を行う新たな枠組みの有効性や法的論点を検証する。
07:35
マウントゴックス元CEO、約8万BTCの盗難ビットコインの回収に向けハードフォーク提案
マウントゴックスの元CEO、マーク・カルプレスが28日、2011年に盗まれた79,956BTCをビットコインのコンセンサスルール変更によって回収するためのハードフォーク提案をGitHub上で公開した。提案はビットコイン開発者コミュニティに波紋を広げており、不変性の原則を巡る議論が再び活発化。
06:35
英バークレイズ、決済と預金管理用の独自ブロックチェーン基盤の構築を検討
英銀行大手バークレイズが、決済や預金管理のための独自ブロックチェーン基盤の構築を検討中。ステーブルコインやトークン化預金の活用を視野に入れ、既存の金融システムの近代化と効率化を加速させる狙いがある。
06:20
米超党派議員、仮想通貨開発者の刑事訴追を防ぐ新法案を提出
米連邦議会で「2026年ブロックチェーン開発イノベーション促進法」が提出された。トルネードキャッシュ事件などを背景に、顧客資産を管理しないソフト開発者が送金業者として刑事訴追されるリスクを排除し、国内のイノベーションを保護する目的。
05:55
モルガン・スタンレー、仮想通貨の自社カストディとE*Tradeでの取引提供を計画
米金融大手モルガン・スタンレーが、ビットコインの自社カストディ技術の開発と、傘下E*Tradeでの現物仮想通貨取引の提供を計画。既存の金融サービスとデジタル資産の統合を加速。
05:45
ビットコインETF、3日で1700億円の資金流入
米国の現物ビットコインETFが直近3営業日で11億ドル超の純流入を記録。5週間にわたる流出トレンドに終止符を打ち、規制案の進展を背景とした機関投資家の買い意欲が鮮明に。
05:00
韓国国税庁、差押え仮想通貨の復元フレーズを誤公開 7億円相当のトークンが流出か
韓国国税庁が押収された仮想通貨ウォレットの復元キーを報道資料の写真に無修正で掲載し、7億円以上のトークンが第三者に流出した疑いが浮上。専門家は当局の仮想通貨管理に対する基礎知識の欠如を厳しく批判。
02/27 金曜日
18:10
アステリアが企業向けJPYC決済基盤を4月提供開始、自社で10億円保有へ|MoneyX
アステリアが4月、1万社超が導入するデータ連携ソフト「ASTERIA Warp」を通じてJPYCと既存業務システムを接続する企業向け決済基盤「JPYC Gateway」の提供を開始すると発表。自社勘定でJPYC10億円を保有する方針も明らかにした。JPYCはシリーズBで17.8億円の調達とLINE NEXTウォレット「Unifi」への採用も同日発表した。
16:22
JPYC×LINE連携で日本円ステーブルコインを日常決済へ|MoneyX2026
LINE NEXTが新ウォレット「Unify」にJPYC採用を発表。Kaiaチェーンへの展開検討やポイント交換との連携も明かされ、AIエージェント決済や数十兆円規模の発行構想など今後の展望が議論された。
15:20
「トランプ政権の優遇策でも普及せず」米政府元高官らが仮想通貨の実用性を疑問視
バイデン政権時代の元経済諮問委員会議長らが「暗号資産は本質的に無意味」とNYタイムズに寄稿した。トランプ政権の優遇策でも市場は反落したと批判。一方、ステーブルコインの普及や大手金融機関のブロックチェーン導入など、反論の根拠も浮かび上がる。
14:50
SBI北尾会長兼社長、円建てステーブルコイン「JPYSC」を解説 米国の規制整備や日本の税制改革にも強い期待|MoneyX 2026
SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長がMoneyX 2026で基調講演を行い、スターテイルグループと共同開発する円建てステーブルコイン「JPYSC」を発表した。2026年度第1四半期のローンチを目指すとし、USDCレンディングやシンガポール拠点の海外展開構想も明らかにした。
14:37
国際送金のドル依存脱却へ、サークルとバイナンス幹部がMoneyXで語る通貨の未来|MoneyX
サークルとバイナンスの幹部が「MoneyX 2026」に登壇し仮想通貨による国際送金の効率化や展望を語った。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧