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マウントゴックス元CEO、約8万BTCの盗難ビットコインの回収に向けハードフォーク提案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • GitHubの提案は即日クローズ・ロック
  • 10月の返済期限に向けた「最後の一手」か

Bitcoinコアに異例の変更案

経営破綻した仮想通貨取引所マウントゴックスの元CEO、マーク・カルプレス氏(GitHubユーザー名:MagicalTux)が28日、2011年の不正アクセスで盗まれた79,956BTC(8,180億円相当)の回収を目的とするビットコイン(BTC)のハードフォーク提案をGitHubのBitcoin Coreリポジトリにプルリクエスト(PR #34695)として提出した。

提案の技術的な骨子は、盗難先アドレス「1FeexV6bAHb8ybZjqQMjJrcCrHGW9sb6uF」に固定されているUTXOに対し、新たなコンセンサスルール「SCRIPT_VERIFY_MTGOX_RECOVERY」を追加することで、指定された回収アドレスの署名による支出を可能にするという内容だ。有効化される特定のブロック高は現時点で「INT_MAX(事実上無効)」に設定されており、コミュニティが合意した段階で初めて効力を持つ設計となっている。

問題の79,956BTCは、2011年3月にマウントゴックスのシステムが不正アクセスを受けた際に外部アドレスへ移動された資産だ。カルプレス氏は2023年8月に「これらのビットコインは正規の承認なく送金されたものであり、マウントゴックスの資産と見なされるべき盗難財産だ」とX上で公式に言明した経緯がある。

マウントゴックスは2014年に破産申請後、日本の裁判所の監督下で民事再生手続きに移行しており、管財人の小林信明氏が回収可能な資産から債権者への分配を進めているが、上記アドレスの仮想通貨はいまだ手が届かない状態が続いている。

市場への影響としては、約79,956BTCが債権者に還元された場合、売り圧力となり得るという懸念がある一方で、15年以上ほぼ動きのなかったUTXOが流通に戻ることで経済活動が活性化するとの見方もある。また、提案が実現すれば、このアドレスに過去に誤送金されたダスト(微小額)の清算も同時に進み、全ノードオペレーターのUTXOセット軽量化に貢献するとカルプレス氏は主張している。

PR提出後、Bitcoin Coreの著名開発者であるsipa(ピーター・ウイレ)は「これを真剣に議論する意図があるなら、Bitcoin開発メーリングリスト(bitcoindev)が適切な場だ」と指摘。自動クローズボットによって同PRは即日クローズされ、その後スパム扱いでロックされた。

カルプレス氏は閉鎖を「誤判定」と主張しているが、開発コミュニティ内ではハードフォーク自体の是非よりも、PR提出というアプローチへの批判が先行している状況だ。

今後の焦点はBitcoin開発メーリングリストや関連フォーラムでの本格的な議論が始まるかどうかにある。カルプレス氏は「管財人側はコンセンサス変更が採用される保証がなければ動けず、コミュニティは具体的な提案がなければ評価できない。このデッドロックを破るためにPRを提出したわけだ」と説明しており、提案の実現可能性については依然として不透明なままだ。

マウントゴックスの民事再生に関わる返済期限は2026年10月に再延長されており、今回の提案がその期限内に何らかの進展を生むかが注目される。

関連:マウントゴックスハッキング容疑者関連ウォレット、177億円相当ビットコインを売却か

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