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収益圧迫のマイニング業界、ビットコインのハッシュ価格が過去最低水準に コインシェアーズレポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • ハッシュ価格が3月初旬に28〜30ドルまで急落
  • AI関連収益が年内に全体の最大70%に達する可能性

収益圧迫のマイニング業界

暗号資産(仮想通貨)投資企業コインシェアーズ(CoinShares)が25日に公開した最新レポート「Bitcoin Mining Report Q1 2026」によると、2025年Q4は前年4月の半減期以降、最も厳しい四半期となった。

ビットコイン(BTC)価格が昨年10月初旬の史上最高値約12万6,000ドルから12月末の約8万6,000ドルへと31%急落したうえ、ハッシュレートが史上最高水準に達したことが重なり、収益性の指標であるハッシュ価格(ハッシュ1単位あたりBTC市場価格)は5年ぶりの低水準にまで落ち込んだ。

上場マイナーの1BTCあたりの加重平均キャッシュコストが約7万9,995ドル/BTCまで上昇する一方で、ハッシュ価格は1日あたり約36〜38ドル/PH/秒まで低下し、多くのマイニング企業が損益分岐点近辺に追い込まれた。

ハッシュ価格は2026年Q1にかけてさらに下落し、3月上旬には28~30ドル/PH/秒/日まで急落。半減期後の過去最低値となり、業界全体の利益率を一段と圧迫している。

その後、ハッシュ価格は30~35ドル程度まで回復しているものの、ブロック報酬に対する手数料収入が1%未満と低迷していることもあり、現在のハッシュ価格では、さまざまなマイニング機種で採掘が採算に合わなくなっているとコインシェアーズは指摘する。

ハッシュ価格が30ドルで、電力コストが1kWhあたり6セント以上の場合、S19XP未満の性能のマイナーは損失を出すとレポートは試算。このようなマイニング機器が世界の機器全体の約15~20%に相当すると推定している。

こうした収益環境の悪化が、上場マイニング各社によるビットコイン売却の拡大に繋がり、合計で15,000BTC超が売却された。

レポートによると、Core Scientificは1月だけで約1,900BTC(約1億7,500万ドル相当)を売却し、2026年第1四半期には残りの保有量のほぼ全てを清算する予定だという。Riotは2025年12月に1,818BTC(約1億6,200万ドル相当)を売却。Bitdeerは2月に保有量をゼロにした。

関連:米ビットコインマイニング企業が4451BTC売却済み、AI事業転換へ

ハッシュ価格の今後

しかし、コインシェアーズは現在のハッシュ価格の大幅下落は一時的で、最終的には30〜40ドルのレンジに収まると予想している。

また今後、ビットコイン価格が10万ドル水準まで回復するという見方は、非現実的な仮定ではないと考えており、この水準に達した場合、ハッシュ価格は1PH/秒/日あたり約37ドルまで回復すると見ている。

ビットコインが8万ドル未満に留まり、ネットワークの難易度が上昇し続けた場合、ハッシュ価格に対する下落圧力が続くが、採算の取れないマイナー撤退により、ハッシュ価格が横ばいになる可能性もあると予測した。

一方、ビットコインが過去最高値の12万6,000ドル付近まで高騰した場合は、ハッシュ価格も約59ドルまで上昇する可能性があるとコインシェアーズは見込んでいる。

AI事業への転換が加速

コインシェアーズは、マイニング企業によるAIと高性能コンピューティング(HPC)への移行は急速に加速しており、ビットコインマイニングとAIが「電力」と「ラックスペース」を巡って競合する構図が、2025年以降急速に鮮明になっていると指摘した。

この変化の背景にあるのは、経済性の明確な差だ。ビットコインのハッシュ価格は依然として低水準にあり、マイニング収益は圧迫されている。

一方で、AI/HPCインフラは、大手テック企業等との長期契約に基づく安定した高収益を提供している。このため、多くのマイナーにとって、電力と設備をAI用途へ振り向けることは、経営判断として合理的な選択肢となっている。

関連:ビットコインのマイニング難易度が7.76%下落、2026年2番目の大幅調整

実際、上場マイニング企業では、AI関連の収益がすでに全体の約30%を占めており、年内には最大70%に達する可能性も指摘されている。2025年から2026年初頭にかけて、GPUコロケーションやクラウド提供を中心に、累計700億ドル超の大型契約が締結された。これらの多くは新設データセンターを想定しているが、既存のマイニング設備の一部がAI向けに転用、あるいは停止されるケースが今後増える可能性もある。

当初は小規模な多角化戦略として始めたAI事業は、ますますマイニング企業の中核事業となりつつある。

ただし、すべてのマイニング企業が同じ方向へ、同じペースで進んでいるわけではない。各社の戦略には違いが見られる。

IRENやBitfarmsのようにマイニングを足掛かりにHPC事業者へ転換する企業がある一方、CleanSparkは当面マイニング収益の最大化を優先しながら段階的にAIへ展開する方針をとる。Maraは低コスト電源と柔軟な運用に特化したマイニングモデルを追求している。

関連:大手ビットコインマイナーMARA、1.5万BTC売却で債務圧縮

コインシェアーズは、中長期的にはマイニング専業の企業は少数に絞り込まれ、AIとマイニングの両方を手がける「ハイブリッド型インフラ企業」が主流になるとの考えを示した。同時に、大手が撤退したニッチ領域では、新規参入による再編も進むと予測している。

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