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創業3周年のKuCoin、IEO第8弾と独自チェーン・テストネットのトークン配布

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

KuCoinが創業3周年

今月、創業3周年を迎えた仮想通貨(暗号資産)取引所「KuCoin」が、数々な記念キャンペーンを実施中だ。

中でも取引所の様々なサービスを利用し、獲得したポイントを競うチャレンジでは、優勝賞品が高級車の「ポルシェ911ターボS」となるという(注)。優勝は逃しても、条件を満たした参加者にはUSDTのシェアに加え、キンドルやiPhone等が当たるチャンスもある。(注:1年間の所有権)

この3年間で、7名のチームから300名へ、世界200カ国以上に600万人のユーザーを抱えるまでに成長したKuCoinは、このような「祭り」で祝うにふさわしい実績を築いてきたといえるだろう。

特に昨年から今年にかけ、IEOプラットフォーム「Spotlight」、先物取引の「KuCoin Futures」や最大レバレッジ10倍の信用取引を開始、そして、ステーキングと流動性取引を提供する「Pool-X」の立ち上げなど、次々にサービスを充実させてきた。

中でも、昨年3月に立ち上げられたSpotlightでは、すでに7つのプロジェクトをローンチし成功に導いている。そして、直近では第8弾となるIEOで新たなトークン「VELO」が上場を果たした。さらに注目が集まるDeFi領域の急速な展開に適応するべく、独自の金融パブリック・ブロックチェーン、「KuChain」の開発も進展を見せている。

IEO第8弾:DeFiプロジェクト「Velo」

KuCoinが、Spotlight8番目のIEOに選んだのが、東南アジア最大のDeFiプロジェクトと言われる「Velo」。Veloは、ブロックチェーンをベースにしたビジネス向けの金融プロトコルで、スマートコントラクトにより、資格監査とAML/KYC手続きを完了した「信頼されるパートナー」によるデジタルクレジットの発行や国境を超えた資産移転を可能にする。

また、複数のスマートコントラクトにより自動化されたデジタル準備金システム(Digital Reserve System)により、デジタルクレジットと法定通貨の価格比を1:1に保つことで、あらゆる法定通貨に対応したデジタルクレジットの発行が可能になるという。なお、信頼されるパートナーがデジタルクレジットを発行するには、VELOトークンを取得し、ステークする必要がある。

現在、VELO/USDTのペアはKuCoinのスポット市場で取引可能となっている。

KuChainテストネット「Kratos」

KuCoinが、現在、急速に発展するDeFi市場の運用環境改善のために開発しているのが、高性能な金融パブリックチェーン「KuChain」だ。そのテストネットである「Kratos」は、4層のネットワーク構築やプロトコルと機能のモジュール化、さらに使いやすさを向上させることで開発者の参加を促し、DeFi及びDEXのニーズに応えるものだという。

先月、ベータ版の第一段階「Betanet Events Phase I」が終了し、脆弱性の修正が行われ、ネットワークの安定化が図られた。現在、Kratosは第二段階である「Betanet Events Phase II」の開始に向け、Pool-Xプラットフォームで、Kratosのテストトークン「KTSt」の配布が行われている。KTStはPool-Xでローンチされた「Burning Drop」プログラムを通じて入手可能だ。

KTStの保有者は、Kratosベータネットワークのテストノードを通じて投票し、ガバナンスに参加することができる。また、KTStはKratosの稼働成功後、公式トークン「KTS」にアップグレードされるとのことだ。KTSは、チェーン運営の燃料として、またチェーン上での提案、投票、検証などのガバナンストークンとして使用される。

Kratosの独自性

しかし、KuCoinはKratosを単なるテストネットとして終わらせるつもりはないようだ。

Kratosは、そのコンセプトをはじめ、アーキテクチャやデザインといった技術面においても、KuChainと同期されるものだが、ガバナンスやステークキングなどの機能を試すことで二次的なメリットを得られる、独立したテスト環境として設計されている。

Kratosは「冒険と革新」を主な目標としており、取引と資産保護を主眼におき、リスク回避を指向するKuChainネットワークとは、異なる方向へ発展していくとKuCoinは予測しているようだ。

そして、メインネットの立ち上げ後もKratosは「消滅」せず、将来的にはCOSMOSエコシステムの独立したゾーンとして存在することになるという。そのため、KuChainとKratosのIBC(Inter-blockchain communication)プロトコルもロードマップに描かれている。

バイナンスをはじめとする数々の大手取引所がDeFi分野への参入に力を入れる中、KuCoinの動向にも注視していきたい。

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