分散型IDの新プラットフォームを発表
ジャック・ドーシー氏が率いるブロック社に創設された、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)に特化した事業部門「TBD」は10日、新しい分散型のウェブプラットフォーム「Web5」を発表した。
Web5は、ユーザーが個人情報や自身のデータを自分で管理できるようにするためのレイヤーとして機能。分散型のノードを稼働させ、各種アプリケーションに個人情報やデータのストレージを提供する役割を果たすという。Web5を開発する目的は、個人情報をサードパーティが所有しているという、現在のインターネットにおける課題を解決することだ。
Web2, Web3 → Web5 pic.twitter.com/klzqJ4yvBm
— TBD (@TBD54566975) June 10, 2022
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Web5という名称は、現在のインターネットを表す「Web2」と、次世代のインターネットを表す「Web3」から付けられたと見られる。Web5は、分散型ID(DID)サービス向けに開発された、ビットコインのレイヤー2ネットワーク「ION」を活用するという。
DIDとは
「Decentralized Identity」の略。「分散型識別子」という意味だが、中央集権的な組織やサービスに依存しない個人情報管理の技術や仕組みの意味でも使われている。
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TBDの公式ウェブサイトでは、インターネットは情報交換の方法を民主化したが、重要な 「アイデンティティ」のレイヤーが不足していると課題を指摘。個人情報やデータの所有権をユーザーが取り戻せる、分散型のウェブプラットフォームがWeb5だとした。
ユーザーはWeb5のデジタルウォレットに個人情報やデータ、アプリへの権限を保存しておけば、新しい分散型アプリを利用する際に、プロフィールを新たに作成する必要がなくなる。Web5に対応した分散型アプリであれば、既存のデジタルウォレットから利用できるようになる仕組みだ。
これらの機能をユーザーが利用するには、まずはアプリがWeb5に対応する必要があるが、すでに開発キットは公開されている。
ドーシー氏はWeb5について、以下のようにコメントした。
Web5を開発することは我々にとって、インターネットに対する最も重要な貢献になるだろう。
this will likely be our most important contribution to the internet. proud of the team. #web5
— jack (@jack) June 10, 2022
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