WMGがDressXに出資・提携
米大手音楽エンターテインメント企業のワーナー・ミュージック・グループ(WMG)は15日、デジタルファッション企業DressXに出資し、提携することを発表した。
提携により、WMG所属アーティストが独自のバーチャル・ファッション・ラインをデザインするためのプラットフォームが提供されることになる。
こうしたデジタルファッションは、ファンがInstagramやSnapchatなどのSNSプラットフォームでコレクションして楽しむことができるもので、3DおよびAR(拡張現実)の形式でリリースされる予定だ。
アーティストは新たな収益源を生み出すことが可能になり、ファンも、複数のデジタルプラットフォームで、ファンであることを表明しながらバーチャルなファッションを楽しむことができるようになる。
WMGの最高デジタル責任者であるOana Ruxandra氏は、今後のメタバース(仮想空間)市場拡大を踏まえ次のようにコメントした。
将来、私たちのデジタル・セルフ(自己のデジタル表現)は、現実世界で自分を表現することと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なものになるかもしれない。
デジタル世界でのアイデンティティが飛躍的に強くインパクトのあるものになる中、私たちは当社と所属アーティストを、そうした面で力づけるパートナーシップを構築することに注力している。
Ruxandra氏は、「ウェアラブルとサステナビリティの分野でリーダーシップを発揮するDRESSX」は、まさに必要なパートナーだとも続けている。
なお、提携してリリースするデジタルファッショングッズに、暗号資産(仮想通貨)が関わることがあるのかどうかは語られていない。
DRESSXとは
DRESSXは2020年に立ち上げられた、デジタルファッションのプラットフォームで、現在は3,000以上のデジタルアイテムが利用可能になっている。また、Snapchat、Google、コカ・コーラなど、多くの企業とパートナーシップを結んできた。
7月には、米メタ社との提携を発表。メタ社が展開するアバター向けストアで、DressXのアパレルも販売され、インスタグラムやメッセンジャー、メタ社のVRヘッドセットMeta Quest 2内で使用可能だ。
Web3関連の動き
米ワーナー・ミュージック・グループは、最近メタバースやWeb3分野での動きを活発化している。
今月7日には、ポリゴン(MATIC)とNFT(非代替性トークン)音楽プラットフォームを開発する「LGND.io」と、複数年のパートナーシップを締結。2023年1月に、音楽をトークン化できるプラットフォームをローンチする計画だ。
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また9月には、大手NFT(非代替性トークン)マーケットプレイスOpenSeaと提携。 OpenSeaはWMG所属アーティストの一部に、Web3でファンコミュニティを構築するためのプラットフォームを提供する。
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メタバースとは
インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使い、様々な楽しみ方ができる。例えば、『The Sandbox』というゲーム内のメタバースでは、ボクセルアート制作ツールやゲーム制作ツールが提供されており、ユーザーはそのなかで自作のゲームや施設を作ることができる。
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