CoinPostで今最も読まれています

DCGのCEO、ジェネシスとの企業間融資について説明

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ジェネシスに対する債務の詳細

暗号資産(仮想通貨)コングロマリット企業デジタルカレンシーグループ(DCG)のバリー・シルバートCEOは10日、投資家レターを発行。子会社ジェネシスとの企業間融資など、現在注目されている事項について説明した。

シルバート氏は、仮想通貨企業の破綻が相次いだ昨年は、「個人的にも仕事上でも、人生で最も困難な年だった」と振り返っている。営業費用や人員の削減、資産管理子会社HQの閉鎖など、長期的な成功のために対応を行っているところだと述べた。

その上で、現在の事業情況についてQ&A形式で示している。

シルバート氏は、融資部門子会社ジェネシスから借りている資産の額を明確にした。DCGは現在、ジェネシスから「約600億円(約4.5億ドル)と4,550 BTC(約100億円(7,800万ドル)相当)」を借りており、これは2023年5月に満期を迎えるとしている。

米ドルについては10~12%の金利で借り入れており、ビットコイン(BTC)は加重平均金利3.85%で借り入れたもので、現在4,550 BTCのローン残高が残っている形だ。

背景

子会社ジェネシスは11月からFTX破綻の影響を受けて、償還および出金などのサービスを停止している。同社デリバティブ部門は、FTXの口座に約240億円相当の資金が拘束されていると明かした。

ジェネシスは苦境に陥ってから人員を30%削減しており、破産申請も可能性の一つに入れていると伝えられるところだ。

ジェネシスの利回りプログラムを利用していたとされる仮想通貨取引所大手ジェミナイも、この影響で利回り口座「Earn」の出金を余儀なくされている。

ジェミナイの共同創設者キャメロン・ウィンクルボス氏は、この件についてシルバート氏に宛てて、ジェミナイの顧客資金返金についての交渉に応じるよう書簡を出した。その中で、DCGがジェネシスから借りた資産を自社株買いや、流動性の低いベンチャー投資などに使ったとも批判している。

関連ジェミナイ創設者、DCGを批判 1,200億円の顧客資金返済を求める

資金の使途

シルバート氏は今回のレターで、ジェネシスから借りた資金の使途についても説明した。

DCGは融資を受けた米ドルについては、まず機会があった時に使用できるための現金として保管していたが、最終的には、初期にDCG株に投資していた企業1社から、DCGの株式を買い戻し、それを「流動性のあるトークンや公開株式」に投資した。

さらにビットコインについては、傘下企業グレースケールのビットコイン投資信託「GBTC」のロングポジションのヘッジに使用し、当該ポジションの市場中立性を維持したとしている。

また、この公開市場でのGBTC購入は、リスクに対して加重されたリターンの評価に基づいており、証券取引法上の規則を遵守し、提出書類やプレスリリースで透明性をもって開示されているものだと補足した。

GBTC(グレースケールビットコイン投資信託)とは

GBTCはビットコインの価格と連動した投資信託で、一般の株式と同様に売買が可能。機関投資家や米証券取引委員会(SEC)から認められた認定投資家を対象に提供されており、投資家にとってはビットコインの現物を売買・保有しなくて良いというメリットがある。

▶️仮想通貨用語集

シルバート氏は、ジェネシスの事業再編におけるDCGの権限についても述べている。外部アドバイザーの一つとして、ジェネシスに助言は行っているという。その一方で、ジェネシスに対して未払いローン残高を抱えているため、DCGの幹部はジェネシスの再編に関して意思決定権を持っていないとした。

さらに、米連邦検察がDCGの企業間融資について調査を行っているとの報道があったが、これについては「そのような調査があることを認識しておらず、調査が行われていると信じる理由もない」と改めて否定している。

関連米連邦検察、DCGとジェネシス間の金融取引を調査か=報道

コメントしてBTCを貰おう
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/21 火曜日
12:50
ポリゴンとImmutable、ゲーム特化型ネットワーク「Immutable zkEVM」を発表
仮想通貨イーサリアムのL2スケーリングソリューションを構築する2つのプロジェクト、PolygonとImmutableがゲーム専用ネットワークを構築する計画を発表した。PolygonzkEVMとImmutableのゲーム開発ツールを組み合わせた「Immutable zkEVM」をリリースする。
12:47
「Aavegotchi」開発企業、39億円相当を資金調達
メタバースゲーム「Aavegotchi」を開発するPixelcraft Studiosは、複数年に渡るトークンセールにより約39億円を資金調達したと発表。資金はゲーム開発やマーケティングなどに充てる計画だ。
12:30
香港財務長官、Web3と仮想通貨の育成方針示す
香港の金融サービス・財務長官は、ビットコインなど仮想通貨とWeb3を育成する政策の進捗状況について報告した。ライセンス制度やステーブルコイン規制の整備についても話している。
11:55
「Microsoft Edge」、仮想通貨ウォレットをテストか
Webブラウザー「Microsoft Edge」に仮想通貨ウォレットを実装する目的で、IT大手MicrosoftがWeb3開発会社onsenSysと協業しているとの報道が出ている。テスト環境と見られるスクリーンショットでは、イーサリアムやステーブルコインのスワップ機能や購入画面が示されている。
03/20 月曜日
20:00
バイナンス、Arbitrum(ARB)上場予定
仮想通貨取引所大手バイナンスは、イーサリアム(ETH)のL2「Arbitrum(アービトラム・ARB)」の新規上場予定を決定した。
14:47
DeFi情報サイト「DefiLlama」で内紛か プラットフォーム分岐へ
DeFi分析プラットフォーム「DefiLlama」の開発者は、新たに別のプラットフォームを立ち上げると発表した。トークン発行などをめぐり、同社の中で争いが起きている模様だ。
14:43
元コインベースCTOが米ドルのハイパーインフレに警鐘、ビットコイン100万ドル到達に賭ける
米大手仮想通貨取引所コインベースの元最高技術責任者のBalaji Srinvasan氏は、米国でハイパーインフレが起こる可能性を警告し、ビットコインが今後3ヶ月で1億3000万円に達するという信じ難い賭けを提示した。
12:47
ビットコイン一時28000ドル台に、世界的な金融不安受けゴールドも高騰
スイス投資銀大手UBSによるクレディ・スイスの巨額買収合意が伝わり、暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが28000ドル台前半まで続伸した。世界的な金融不安を受け、金(ゴールド)価格も高騰している。
10:20
スイス投資銀大手UBS、4200億円でクレディ・スイスの買収合意へ
投資銀行大手UBSは、クレディ・スイスを約4,300億円で買収することに合意したと発表した。また、米国の仮想通貨企業は新たな銀行パートナーとしてスイスの金融機関に接触していると伝えられる。
09:00
「GM Radio」 次回はデータの資産化を目指す「Ocean Protocol」が参加
グローバル版CoinPostによる第14回GM Radioは、3月22日の21:00からツイッタースペースで配信予定。ゲストにデータの資産化を目指すOcean Protocolを招待する。
03/19 日曜日
11:30
米銀救済でビットコイン反転上昇、インフレ高止まりには不透明感も
国内大手取引所bitbankのアナリストが、米大手シリコンバレー銀行破綻の金融危機懸念から反転上昇した今週のビットコインチャートを図解し今後の展望を読み解く。ビットコイン・オンチェーンデータも掲載。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米欧の金融不安に注目集まる
今週は、クレディ・スイスの経営不安に関するニュースが最も多く読まれた。このほか、OpenAIがGPT-4をリリースして仮想通貨のAI関連銘柄が全面高になったことなど、一週間分の情報をお届けする。
03/18 土曜日
13:55
ビットコイン・レイヤー2「Stacks」、年初来で約6倍に高騰
ビットコインにスマートコントラクトレイヤーを提供する「Stacks」の資産価格が急騰している。23年にビットコインのユースケースが見直される中、DeFiのプラットフォームとして利用されるStacksも注目を集めている。
13:00
中国大手建設機械XCMG、メタバースに進出 BAYCのNFTを活用へ
中国の大手建設機械グループXCMGはメタバースやWeb3の分野に進出することを発表。BAYCのNFTを活用し、独自のNFTコレクションもリリースする計画だ。
12:00
BlockSec、NFTレンディングParaspaceから2,900 ETHの盗難を阻止
セキュリティ企業BlockSecは、NFTレンディング「Paraspace」へのハッキングを先回りすることで、2,900 ETH(6.59億円)が悪意のあるアクターに渡る事態を防いだことを発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア