今週 4/8(土)〜4/14(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
4/8(土)〜4/14(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は、3週間ほど続いた370万円周辺で揉み合いからブレイクアウトに成功し、年初来高値(386.3万円)を更新。10ヶ月ぶりに400万円台に乗せている。
3月の米消費者物価指数(CPI)や、イーサリアムの上海(シャペラ)アップグレードを控える中、週明けから夏に半減期を控えたライトコイン(LTC)の相場が上昇し、BTCもつれてジリジリと値を戻すと、米株の上昇も追い風となり、ショートカバーを伴い二段高を演じ400万円に乗せた。
その後は上げ渋る展開が続くも、ドル建てで節目の3万ドル水準では買い支えられ底堅く推移した。
週央には、アップグレードを目前にETH主導でBTCは上値をやや重くすると、CPI通過で乱高下の末、下落。
ヘッドラインCPIが市場予想以上に減速した一方、コア指数ではインフレの粘り強さが確認された。さらに、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公開されると、金融不安を起因とする年後半の景気の緩やかな後退が会合参加者から指摘されていたことが株式市場の重石となり、BTCは400万円をわずかに割り込んだ。
一方、イーサリアムの上海アップグレードを通過後もETH相場は大きく動かず、安心感からBTCの底堅い推移に転じると、後にETH相場が急伸し反発。
木曜日の米生産者物価指数(PPI)も市場予想を下回ると、ドル安円高の影響でBTC対円は一時失速するも、米株の反発に支えられた。金曜日の東京時間には、ETH相場が続伸し、BTCも連れ高で409万円にタッチしている。
先週からの米経済指標の下振れが景気後退懸念を煽り米株市場が軟化していたが、CPIとPPIの下振れ、特に前月比のコアPPIの低下(0.2%→-0.1%)が好感され、利上げ局面終了が意識されている。
FOMC議事要旨も、公開直後は景気への警戒感が強まったが、内容としては決してタカ派的ではなく、5月で利上げが最後になることを暗示する内容だったと言える。
イーサリアムの上海アップグレード後には、ステーキングでロックアップされたETHが売り圧力になる懸念が燻っていたが、ETHは強く売られることなく、安心感から買いが入ると踏み上げて年初来高値を更新した。こうしたETH相場の上昇に肖って循環物色の流れができており、目先のBTC相場は上値余地を探るか。
BTC対ドルは今週の上昇で、これまでレジスタンスとなってきた2021年安値の上抜けに成功しており、次の上値目途は節目の3.2万ドルや昨年5月末高値の3.24万ドルなどが視野に入る(第2図)。ただ、来週はイベントや重要指標といった手掛かりに乏しい1週間となる可能性もあり、相場上昇後の利食いには注意しておきたい。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:ビットコイン相場、来週は週央から大きく動く可能性