今週5/27(土)〜6/2(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
5/27(土)〜6/2(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は反落し、6月2日正午時点で先週の上げ幅を掻き消している。
週明けは英米市場が休場となり、薄商いでジリ安となると、週末にバイデン米大統領とマッカーシー(共)下院議長の間で暫定合意となった米債務上限法案を巡って、一部共和党保守派から反対の声が挙がると、下院での法案採決の行方に警戒感が広がり、相場は390万円を割った。
その後は、週末にブレイクしたダブルボトムのネックサインがサポートとなり、BTC相場はジリ高に転じるも、3月の米住宅価格指数の上振れが相場の重石となり、390万円の回復に失敗。週央水曜のアジア時間には、米クリーブランド地区連銀のメスター総裁が、「利上げを停止する説得力のある理由はない」と発言したことで、BTCは下げ足を速めネックラインを明確に下抜けた。
これにより、BTCの週末のブレイクアウトはダマシとなり、ドル建てでは一目均衡表の三役逆転を示現。さらに、ブリッジプロトコルのマルチチェーンが、CEOと音信不通で所在がわからないと明かし、一部のサービスを停止したこともセンチメントを悪化させ、BTCは370万円付近まで下落。
その後はライトコイン(LTC)相場や米株が強含むなか、370万円中盤で揉み合うが、金(ゴールド)相場が先週の高値で上値抑えられると、BTCも小緩む展開に転じた。
米債務上限問題を巡っては、先週日曜日に暫定合意が報じられ、木曜朝方に法案が下院を通過。本稿執筆時点では、上院での法案通過も報じられており、BTC相場は小緩む展開から小締まる展開に転じている。
また、先週は米国の政策金利動向に関して、6月追加利上げの可能性に注意と述べたが、今週は米フィラデリフィア地区連銀のハーカー総裁と、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン理事が、6月の利上げ見送りを支持する発言をし、債務上限問題の解消に加え米国債利回りに下押し圧力を掛けた。
テクニカル的なセンチメントが悪化し上値を重くした今週のBTC相場だが、米国のファンダメンタルズは相場の味方と言え、そろそろ下げ止まってもおかしくないと見ている。ただ、6月の追加利上げの有無を巡っては、引き続きこの先の経済指標次第という状況は変わらず、14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)までに発表される5月の米雇用統計と消費者物価指数(CPI)の結果には注意したい。
関連:bitbank_markets公式サイト
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