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横ばいで推移のビットコイン、上値余地は限定的か|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週(5/20(土)〜5/26(金))の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

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アクティブアドレス数(月次)

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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

5/20(土)〜5/26(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場はほぼ横ばい。26日正午時点で、370万円周辺で推移している。

米債務上限を巡るホワイトハウスと野党共和党の協議の再開が期待されるなか、週明けの米株の上昇に連れ高となり、BTC相場は一時上値を追う展開となるも、セントルイス地区連銀のブラード総裁が「今年は追加で2度の25ベーシスポイント(bp)の利上げが必要」と発言したことで上値を圧迫された。

23日には、香港で来月から施行される新たな暗号資産(仮想通貨)規制において、BTCとイーサ(ETH)が取引所への上場条件を満たすことが明らかとなり、BTCは再び上昇。

一方、その後は直近でレジスタンスとなっている380万円周辺で上げ渋ると、債務上限を巡る協議に進展が見られず相場は失速。米株も週央にかけて軟化すると、BTCも二段安を演じ370万円を割り込んだ。

一方、25日の相場も一時は下値を試すも、2.6万ドル水準を割った直後に買い戻され小幅に反発。この日は米新規失業保険申請件数の上振れや国内総生産(GDP)成長率の上方修正と、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げを正当化する指標の結果が出たが、前日のエヌビディアの好決算や債務上限を巡る協議に進展の兆しが確認されリスクセンチメントがやや上向いた。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

マッカーシー(共)下院議員が先週、債務上限を巡る協議について「来週には下院での採決が可能」とポジティブな発言をしていたが、今週も結局はホワイトハウスと共和党の交渉チームの間で合意に至ることはなく、遂に米国がデフォルトに陥るタイムリミットが来週に迫った。

土壇場までお互いの妥協点を引き出して最終的に合意に漕ぎ着けるのがこれまでのパターンとは言え、来週こそはデフォルト回避による安心感でリスク選好度が改善することが期待されるが、万が一デフォルトとなった場合にBTC相場がどう動くかも想定しておきたい。

市場で最もリスクの低い投資先の一つと言われる米国債だが、デフォルトとなれば利回りの上昇に拍車が掛かり、株のバリュエーションにダメージを与えるほか、様々なローンの金利が高くなり景気へのダメージも想定され、急速にリスクオフムードが広がり株価が暴落する恐れがある。

尚、デフォルトにより米国政府への信用が崩れれば、カウンターパーティー・リスクのない金(ゴールド)やビットコインが脚光を浴びる公算は高い。

しかし、株式市場が暴落すれば、追加証拠金や損失補填の現金需要が短期的に増加することが想定され、BTCからも一時的に資金が引き上げられる可能性があるだろう。すなわち、米国がデフォルトした場合、BTC相場は短期的に下げ、市場の混乱が収まると共に回復するシナリオが想定される。

他方、今週のFF金利先物市場は、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25bpの追加利上げが決定される可能性を50%以上織り込みにきた。

これまで複数の米地区連銀総裁が追加利上げの可能性を示唆しても6月は金利据え置きが大勢の予想であったが、労働市場や景気の底堅さを示す指標の結果が相次いだことで市場の見通しに修正がかかり始めた格好だ。

6月FOMCまで4月の個人消費支出(PCE)、5月の雇用統計や消費者物価指数(CPI)などの発表が残っており、引き続き指標が強めに出続ければ、市場の追加利上げ観測も一層強くなると指摘され、債務上限問題が解決したとしても、BTCの上値余地は限られる可能性があるだろう。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:ビットコイン上値重くも底堅く、来週は米債務問題の進展に期待

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