今週(5/13(土)〜5/19(金))の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
5/13(土)〜5/19(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は、上値が重くも底堅い推移となっており、19日正午時点で、370万円周辺で推移している。
ビットコイン・キャッシュ(BCH)のアップデートを目前に、BCHを筆頭にライトコイン(LTC)などのアルトコインが上昇したことで、週明けからBTCも連れ高で360万円台中盤から370万円台中盤に上昇したが、アップデートを通過すると売り優勢となり反落。
その後は、強弱材料が入り混じるなか、節目の370万円近辺で揉み合う展開が続いたが、週央には米国の債務上限問題を巡り、マッカーシー(共)下院議長が、ホワイトハウスと議会共和党の合意が今週中に可能だと発言したことで、米株が急反発を演じ、BTCも連れて380万円手前まで戻した。
一方、金曜日に発表された米失業保険新規申請件数は、市場予想を下回り前週から大幅に減少。さらに、フィラデルフィア連銀製造業業況指数も前月から改善し、米経済の底堅さが示されると、米国債利回りとドルが上昇。これがBTC相場の重石となり、一時は370万円を割り込んだ。
米債務上限問題を巡っては、週央からホワイトハウスと議会共和党の交渉に進展が見られ、木曜日にはマッカーシー氏が、来週には下院での採決に漕ぎ着ける可能性があると発言。
こうした動きを受けて米主要株価3指数は水木と2日続伸したが、国債利回りの上昇がBTC相場の上値を圧迫している。
FF金利先物市場では、先週まで6月の追加利上げが決定される確率を10%程度しか織り込んでいなかったが、今週は36.2%まで上昇した。堅調な米経済指標もこうした動きに寄与した他、複数の地区連銀総裁も必要であれば追加利上げに踏み切る可能性を示唆しており、金利を生まない金(ゴールド)やBTCには向かい風が吹く状況となっている。
こうした中、本日は米ワシントンD.C.で開催されるカンファレンスで、パウエル米連邦準備制度(FRB)議長とバーナンキ元議長が登壇するパネルが予定されており、二人の発言に注目が集まる。
債務上限を巡る議論の前進で米株は強含んでいるが、パウエル議長が追加利上げの可能性を示唆すれば、リスクオンムードに水を差す可能性があると指摘され、足元のBTC相場の下支えとなっていた米株高にも歯止めが掛かるか。
とは言え、マッカーシー氏の言う通り、債務上限を巡り週末にも合意に達し、来週、下院で採決まで漕ぎつければ、米国のデフォルト回避への期待感でリスク選好度も回復する余地があると言え、目先では政策金利動向にも警戒だが、来週は債務上限問題の更なる進展に期待したい。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:ファンダ・テクニカルともに悪化のビットコイン相場、下値目処は