CoinPostで今最も読まれています

ファンダ・テクニカルともに悪化のビットコイン相場、下値目処は|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週 5/6(土)〜5/12(金)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

5/6(土)〜5/12(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は、390万円から下値を模索する展開となり、12日正午時点で、360万円周辺で推移している。

BRC-20トークン規格の台頭によりmeme(ミーム)コインが濫立したことで、週末からビットコインの送金手数料が高騰しネットワークが逼迫。これを受けてバイナンスがBTC出金を一時停止したことが嫌気された他、フォークチェーンが生まれる騒動も起き、BTC相場は週明けから弱地合いとなり、370万円まで下落した。

ネットワークの逼迫と手数料高騰は週明けにピークを迎え、翌日から徐々に改善に向かったが、4月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え米株が小緩むなか、債務上限問題で米国債利回りが小確りと推移したことで、BTCは370万円台で方向感を失った。

米CPIは前年同月比で4.9%の上昇と市場予想の5%を下回り、BTCは380万円回復を試したが、金(XAU)相場に利食いが入ったことや米株の下落で上値を圧迫されると、シルクロードから米政府が押収したBTCに動きがあったとの誤報で急反落を演じた。

米政府のBTC送金が誤報だったこともあり、相場は370万円近辺で下げ止まったが、11日には業績絡みや米地銀への懸念の再燃でリスクオフムードが台頭した他、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が高金利の長期化を支持する発言をしたことで、BTCは370万円を割り込んだ。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

BTCの送金手数料高騰は一旦ピークアウトの兆しを見せているが、米債務上限問題や政策金利動向を巡る不透明感が相場の重石となっている格好だ。

今週発表された4月の米消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は、市場予想を上回ることはなかったものの、ヘッドライン(総合)CPIは減速ペースが鈍化した他、食品とエネルギーを除いたコア指数は高止まり、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の手掛かりとしては今一つな結果だったと言える。

FF金利先物市場では、依然として6月の利上げ見送りがほぼ確実視され、9月から利下げ開始が大勢の予想となっているが、パウエルFRB議長を含め、地銀総裁らから利上げ停止と年内利下げ開始の手掛かりは得られておらず、市場とFRBの見通しにギャップがある可能性が指摘される。

【第2図:前年同月比の米インフレ指標】出所:FREDより作成

今週は米失業保険の新規申請件数が2021年10月ぶりの高水準を記録し、労働市場の減速という市場にとっては歓迎できる材料もあったが、利上げ停止に向けて安心するにはより多くのデータが必要と言えよう。

BTCの対ドルは、2ヶ月ぶりに安値を更新し、本日は既に今年の高値圏となる27,000ドル〜31,000ドルレンジを下抜けし、200週移動平均線を割り込んでいる。ファンダメンタルズ的な不透明感に加え、テクニカル的なセンチメントの悪化はより鮮明になっていることが指摘され、2月高値や日足の一目均衡表雲下限が密集する25,300ドル周辺は現実的な下値目途と言えよう(第3図)。

【第3図:BTC対ドルチャート(日足)】出所:Glassnodeより作成

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:ビットコインは底堅く推移、5月FOMCは向かい風となる可能性も

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
06/03 土曜日
17:00
サンドウィッチ攻撃とMEVとは?
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム基盤の分散型取引所ユニスワップなどで猛威を振るい手数料高騰の要因となっているMEV。サンドウィッチ攻撃など、分散型取引市場の脅威について詳しく解説する
14:00
Uniswapの手数料分配案、合意に至らず
分散型取引所(DEX)Uniswapで、一定以上の取引量を処理する流動性プールに対し、手数料収益の分配先を変更し、コミュニティ全体に還元するという提案についての投票が終了した。
13:00
米Marathon、採掘ビットコイン量が前月比77%増加
ナスダック上場の米仮想通貨マイニング企業マラソン・デジタル・ホールディングスは最新の事業報告を発表。5月のビットコイン生産量はOrdinalsの台頭も背景に増加した。
12:00
米下院議員ら、仮想通貨規制を明確化する法案を発表
米下院の共和党幹部らは、ビットコインなど仮想通貨の規制に関する法律草案を発表した。証券とコモディティの区別など、仮想通貨規制の明確化を図る法案となる。
10:50
米コインベースデリバティブ、機関投資家向けにビットコイン等の先物取引を提供
米国のコインベースデリバティブエクスチェンジは、仮想通貨ビットコインとイーサリアムの先物取引を機関投資家向けに提供する計画を発表した。CMEによれば、22年は仮想通貨の先物・オプション取引の約33%が米国外で行われていたが、2023年には35%に上昇する傾向にある。
10:05
イーサリアム仮想マシン「Kakarot」、資金調達を完了
仮想通貨イーサリアムの仮想マシンKakarotを開発するプロジェクトは、プレシードラウンドの資金調達を完了。ヴィタリック・ブテリン氏や、L2プロジェクトStarkWareらが出資した。
08:40
米債務上限停止法案が大統領署名へ 米国株続伸
本日のNYダウは+701ドルと大幅に続伸。ナスダックも+139.7高で取引を終えた。米債務上限問題は法案が上院で可決されたことや強い雇用統計が好感された模様だ。
06/02 金曜日
15:59
札幌開催のWeb3カンファレンス「B Dash Crypto」、ピッチコンテストの結果は
Web3特化型カンファレンス「B Dash Crypto」が札幌で開催された。ピッチイベント「Crypto Arena」で優勝に輝いたのは、高速ブロックチェーンAptosとSuiで分散型取引所(DEX)アグリケーターとして機能する「Umi Protocol」だ。
13:13
オリーブオイル生産業者、DeFiプラットフォームでステーブルコイン建債券を発行
オリーブオイル生産業者ラマ・オリーブオイルは、分散型金融プラットフォーム「Obligate」を利用して、オンチェーン債券を発行した。この社債は、ユーロ連動のステーブルコイン「 EUROe」建で発行された。
13:02
米Circle社、USDCのアービトラムサポートを発表
ステーブルコイン「USD Coin(USDC)」を発行する米Circle社は、アービトラムのサポートを開始することを発表した。アービトラム上でUSDCが直接発行されることにより、裏付け資産の確保が約束され、いつでも1対1で米ドルと交換可能になる。
12:25
メイカーダオ、米国債への追加投資を検討
分散型金融プロジェクトの「MakerDAO」は、米国債への投資として新たに1,780億円の配分を目指す提案書の投票を開始したと発表した。0~6ヶ月間の各種満期を持つ米国短期国債の購入に充てられる目論みである。
11:45
Sui、F1チーム「オラクル・レッドブル・レーシング」と提携
Sui Networkは、F1チーム「オラクル・レッドブル・レーシング」の公式ブロックチェーンパートナーとして複数年契約を締結した。ファンとチームを結び付ける体験を支援していく。
10:25
米FRB、シルバーゲート銀行の清算に同意
米FRBは、米シルバーゲート・キャピタルとシルバーゲート銀行に対して、自主清算に同意する命令書を発表した。シルバーゲート銀行と仮想通貨業界のつながりについても指摘した。
09:35
ナイキ、米ゲーム大手EAと協業へ
Nikeとデジタルエンターテインメント企業EAは、新しいパートナーシップを締結。Web3プラットフォーム.SWOOSHのユーザーらの体験をカスタマイズできるようにしたり、向上させたりしていくという。
08:45
香港企業、米ドルステーブルコインをローンチへ
香港拠点のカストディ企業First Digitalは、仮想通貨の米ドルステーブルコインFDUSDをローンチすることを発表。FDUSDは、BNBスマートチェーンを基盤にするという。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
重要指標
一覧
新着指標
一覧