800億円を6セクターに投資へ
ブロックチェーン分野に投資するベンチャーキャピタルBlockchain Capitalは18日、2つの新しいファンドについて、総額5億8,000万ドル(約800億円)を調達したと発表した。
集めた資金の3分の2を6番目のアーリーステージ・ファンドに、3分の1を最初のオポチュニティ・ファンドに割り当てる形だ。
これらのファンドは、分散型金融(DeFi)、分散型インフラストラクチャ、中央集権型金融、中央集権型インフラストラクチャ、ゲーム、コンシューマー・ソーシャルサービスという6つのセクターに投資を行っていく。
オポチュニティ・ファンドについては、特にBlockchain Capitalが、シードラウンドやシリーズAラウンドでの投資機会を逃していたようなプロジェクトに出資するために使用される見込みだ。最短2年〜5年という期間を目安として資金を投入していく。
5億8,000万ドルという調達額は、Blockchain Capitalのこれまでの調達額の中でも最大で、暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン業界でも最多の部類に入る。
DeFi(分散型金融)とは
ブロックチェーンを活用し、中央管理者不在の状態で行われる金融サービス、またはそのシステムを指す。「Decentralized Finance」の略。DeFiで行われる金融サービスには、ステーブルコインの発行や通貨の貸出、仮想通貨取引所などがある。イーサリアムのブロックチェーンを利用しているプラットフォームが多い。
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Blockchain Capitalのビジョン
Blockchain Capitalは同社の使命を次のように説明した。
最終的な目標は、人々が革新的なブロックチェーン対応アプリケーションやサービスによって各自のデジタル生活や金融活動をコントロールできるようにすることだ。そうすることで、人々に力を与えたい。
私たちの情熱と投資判断の指針となっているのは、民主化され分散化された未来というビジョンである。
Blockchain Capital、過去2年ほどの間に、他のどの時期よりも多くの出資を行ったとも述べている。その理由は、現在の市場においては能力の高い創業者が流入して多様な革新技術を開発しており、これまでになかったチャンスを作り出していることにあると説明した。
Blockchain Capitalのゼネラルパートナーであるスペンサー・ボガート氏は、次のように話している。
ベンチャーキャピタルには通常、常に新しい分野で実験を行っていきたいという誘惑がある。しかし、Blockchain Capitalは投資範囲を拡大してAIファンドやヘッジファンドになったり、トークンを取引したりするつもりはない。
私たちはファンドの規模を現在の程度に抑えておきたい。
ボガート氏は、例えば現在の仮想通貨セクターの投資環境では20億ドル(約3,000億円)のファンドは大きすぎるだろうともコメントした。
Blockchain Capitalは2013年に設立された。米国に拠点を置いており、資本、専門知識、パートナーシップ、戦略などをブロックチェーン企業に提供している。
これまでの出資先には、AaveやAnchorage Digital、コインベース、クラーケン、OpenSea、Worldcoinなどを始め様々なプロジェクトが挙げられる。