複数トークンでガス代支払い可能に
ソラナネットワークにEVM(イーサリアム仮想マシン)互換性をもたらす「Neon EVM」プロジェクトは8日、ガス代(取引手数料)の支払い方法を拡大する計画を発表した。
この更新により、ユーザーはNEONトークンのみならず、ソラナ(SOL)やステーブルコインのUSDCoin(USDC)、テザー(USDT)など、複数のトークンを用いて取引手数料を支払うことが可能になる。
従来は、取引手数料のためにNEONトークンを用意する必要があったが、今後ユーザーはより迅速かつ容易に取引を行えるようになる。
現在、この機能はテストネットで利用可能で、数週間以内に開発者ネットワークでリリースされる予定。2024年第1四半期(1~3月)には、メインネットで多トークンによる決済サービスが開始される。
Neon EVMは、イーサリアム仮想マシン(EVM)との互換性をソラナネットワークに組み込むプロジェクトで、2022年7月に正式に立ち上げられた。このプラットフォームは、イーサリアムのコードベースを使用して作成された分散型アプリ(dApps)が、ソラナネットワーク上で効率的に動作することを可能にする。
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dAppsとは
オープンソースのブロックチェーンを利用して開発されるアプリのこと。「Decentralized Applications」の略で、日本語では「分散型アプリケーション」と呼ばれる。中央集権的な管理者がいないことが大きな特徴。最も普及しているのがイーサリアムのブロックチェーンで、ゲームや分散型取引所(DEX)などのアプリが開発されている。
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様々な参加者にメリット
Neon EVMはまた、ガス代の支払い方法の拡大は、ユーザーだけでなく、ネットワークの様々な参加者に利益をもたらすと主張している。
特に、トランザクションリクエストを受け付け、ソラナ互換に変換する「プロキシオペレーター」は、ステーブルコインなどの安定した通貨で報酬を受け取ることが可能になる。価格リスクの軽減により、プロキシオペレーターに参加しやすくなり、エコシステムの分散化とセキュリティの向上に貢献することが期待される。
また、dApps開発者にとっても、この新機能はより柔軟なサービス設計を可能にする。例えば、アプリケーション利用者へのインセンティブとしてガス料金を全額負担するなどの戦略を含め、さまざまなユースケースに適応したスマートコントラクトを設計できるようになるとした。
活発なソラナ関連プロジェクト
ソラナ関連のプロジェクトには最近活発な動きが見られている。
ソラナ基盤のオラクルネットワークPyth Networkは、独自トークン「PYTH」の無料配布(エアドロップ)について、日程など詳細を公開したところだ。
Pyth Networkは、チェーンリンク(LINK)とも競合関係にある分散型オラクルで、正確な市場データの提供を目標にしている。
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また、ソラナ基盤の国際送金アプリCFXLabsは、約14億円の資金調達に成功した。
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