CoinPostで今最も読まれています

IMF専務理事「仮想通貨は、お金というより資産クラス」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨はお金ではない

国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は、Yahoo Financeとのインタビューで、暗号資産(仮想通貨)に対し、「通貨と資産を区別するべき」という見解を示した。

ゲオルギエバ氏によると、仮想通貨は「資産クラス」であり、裏付けがあるものやないものなど、投資のリスクもさまざまだと指摘した。

しかし仮想通貨は「厳密に言えば、お金ではなく”マネー・マネジメント・ファンド”(MMF)のようなものだ」と同氏は主張。「デジタル化された貨幣の形」である中央銀行デジタル通貨(CBDC)こそがお金であると述べた。

また、貨幣の歴史の中で、民間セクターが役割を果たしてきたのは確かだが、仮想通貨について一般市民に説明する際には、細心の注意が必要だと注意を促した。

私は、民間セクターの参加によって決済システムを強化できるという考え方は好きだが、仮想通貨がすべての貨幣の例と同等のものであるという誤解を市民に与えないように注意しなければならない。

米大手資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンクCEOも、ゲオルギエバ氏と同様の見解を表明している。

フィンク氏は、10日に承認されたビットコイン現物ETFについて、仮想通貨業界の正当性と安全性を高める可能性があると評価している一方で、ビットコインが日常的な取引で実用性を発揮するとは考えていないようだ。

私は今後も(ビットコインが)通貨になるとは思っていない。 資産クラスだと考えている。

関連:「影の金融システム」になりうる仮想通貨、IMFがリスク評価を提案

規制の必要性

ゲオルギエバ氏は、昨年12月に韓国のソウルで行われたデジタル通貨会議で、仮想通貨は金融安定性にリスクをもたらす可能性があるとして、規制の重要性を訴えた。

同氏は、仮想通貨の普及が進むと、金融政策の伝達が損なわれ、資本フローの管理措置が回避される可能性があると指摘。また、徴税が不安定化することによって、財政の持続可能性を損なう可能性があると付け加えた。

ゲオルギエバ氏は、金融安定理事会(FSB)とIMFが共同で執筆し、昨年9月に発表した仮想通貨規制に関する指針を示した報告書に言及。「仮想通貨を法廷通貨もしくは公式通貨にしない」ことが、その中の主な要素であると述べた。

しかし、このガイダンスに示されたルールは、「仮想通貨以前の世界に戻すことや、イノベーションを潰すことが目的ではない」と強調。「優れたルールは、イノベーションを促進し導くことができる」と語った。

関連:G20金融安定理事会とIMF、仮想通貨の規制ロードマップ発表へ

適切なインフラの整備

仮想通貨の普及に懸念を示す一方で、ゲオルギエバ氏はブロックチェーン技術が持つ可能性については高く評価している。

資産をトークン化し、ブロックチェーンの更新によって取引を行うことの「潜在的な利益は大きい」と指摘し、シンガポール金融管理庁(中央銀行)による試験運用の成功例を示した。

ゲオルギエバ氏は、信頼性の高いオンチェーン取引で必要になるのが「安全なお金」であり、CBDCがその役割を果たすと示唆した。また、資産と通貨の相互運用性が高いプラットフォームが必要であり、マネロンやテロ資金供与防止などの国際基準の遵守、各国の政策との整合性も重要な要素となると述べた。

結局のところ、お金とは他の資産と同様にに金融契約、つまりI.O.U.なのだ。国境を越えた決済を解決するにしても、資産取引の効率性と安定性を確保するにしても、結局は同じところに行き着く。

関連:「台湾中銀、CBDCと現実資産トークン化(RWA)の利点を強調

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/30 火曜日
11:30
香港でビットコインとイーサリアムETFの取引開始
香港証券取引所が暗号資産(仮想通貨)ビットコインとイーサリアムの現物ETFを上場。華夏、ボセラ、ハーベストの各種ETFが取引開始。投資家への影響と市場への期待を解説。
10:12
WebX2024、最大73%割引の開幕セール限定チケットは本日販売終了
CoinPostが主催する日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」。最大73%割引のお得な開幕セールは2024年4月30日まで実施中です。
10:00
半減期後のビットコイン、過去と現在の特異点 Binance Japanセミナー
Binance Japan株式会社はオンラインプレスセミナーを開催。代表取締役である千野剛司氏が登壇した。「2024年ビットコイン半減期と暗号資産市場の展望」をテーマに、メカニズムや価格動向、今後の注目点をまとめた。
04/29 月曜日
20:00
株式の信用取引とは|現物取引との違いや効果的な投資スタイルを解説
株の信用取引とは、最大約3.3倍のレバレッジをかけられ、売りからも始められる取引です。そのため現物取引に比べて利益の幅が大きく、投資機会が多いです。仮想通貨の分散投資先の候補として考えてみてください。
16:37
GSTの買い方、特徴やSTEPNでの役割を学べる完全ガイド
歩いて稼ぐフィットネスWeb3ゲーム「STEPN」の注目度が再び高まっています。2024年以降に底値から大幅上昇した暗号資産(仮想通貨)GSTの買い方やGMTとの違い、将来性について初心者にもわかりやすく解説しています。
12:54
ブロックチェーンゲーム「Heroes of Mavia」、MAVIAトークンのインフレ抑制へ
Web3ゲーム「Heroes of Mavia」は、イーサリアムベースの独自トークン「MAVIA」のインフレ抑制のため、ロック解除スケジュールを変更した。
12:27
ワールドコイン開発元、OpenAIらとの提携を検討か=報道
仮想通貨ワールドコイン開発企業は、決済大手ペイパルや、アルトマン氏の別事業OpenAIと提携を模索していると伝えられる。
10:00
仮想通貨の「ポイ活」潮流、将来のトークン配布を見越した投資戦略
ポイ活やエアドロップといった、2024年の暗号資産(仮想通貨)市場におけるトレンドを掘り下げる。将来のトークン発行に向けて最大限の報酬を得るため、ソラナやBASEでユーザーの活動量が増加。資本競争が激化している。
04/28 日曜日
11:30
ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン半減期を終え1000万円周辺で推移する相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTCの半減期完了に高い関心
今週は仮想通貨ビットコインが半減期を迎えたこと、QCP Capitalによる半減期後の相場分析、イーサリアムの証券性などを巡りConsensysが米SECを提訴したことに関する記事が最も関心を集めた。
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア