はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米CFTC高官、分散型予測賭博市場の設計に注意喚起|仮想通貨Augurに関わる前例も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

スマートコントラクトが従来法に抵触するケース
CFTC高官のQuintenz氏が、スマートコントラクトを活用した「予測(賭博)市場」を設計することに注意喚起を行なった。暗殺がギャンブルの対象となった経緯もあり、設計上での違法行為の対応を求めた。
予測市場「Augur」で起きた著名人暗殺への賭け事
予測市場プラットフォームの「Augur」では、今年7月のローンチ後すぐに著名人暗殺が予測対象として提案された。この「暗殺市場」で恐ろしいのは賭け金狙いで暗殺が実際に起こることだが、訴追対象はスマートコントラクトの設計者にも及ぶという。
CFTCとは
米商品先物取引委員会(CFTC)とは、商品取引所の上場商品や金利、デリバティブ全般など、米国内の先物取引市場の動向を常時監視し、市場参加者の保護や市場の健全性が保たれるよう、不正防止や摘発を行う権限を持つ独立機関のこと。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

スマートコントラクトによる予測市場の設計に米CFTCが注意喚起

米商品先物取引委員会(CFTC)の理事を務めるBrian Quintenz氏(以下Quintenz氏)は、ドバイで行われた見本市「GITEX Technology Week 2018」にて、スマートコントラクトなどの新技術に対し、既存の法令がどのように適用できるか彼の見解を話した。

スマートコントラクトは「カスタマイズが容易な上に、殆ど適用範囲に制限がない」技術だからこそ、既存の金融商品と同じ仕組みの製品も作れてしまうため、規制上でも、利用面でも注意が必要だという。

特に注意すべきなのは、「広範囲で未来のイベントを予測するスマートコントラクト」だと言及した。

「仮想通貨を活用することで、スマートコントラクトは選挙やサッカーなど未来のイベント結果に対する賭け事を可能にする。予想があたれば、コントラクトはあなたに賭け金を支払う」

未来予測を行うスマートコントラクトは、既存のデリバティブと同じように「予測市場」の枠組みに入ると指摘。

Quintenz氏によれば、たとえ大衆の意に反したとしても、これまで同様に戦争やテロ、暗殺といった予測対象へのコントラクト取引はCFTCが規制の対象とすることが可能となるようだ。

既にAugurでは「暗殺予測」が確認

スマートコントラクトを活用した、反社会的な未来予測には既に前例がある。

以前取り上げた イーサリアムのスマートコントラクトを活用したプラットフォーム「Augur(占い師)」は、その名の通り、あるイベントに対して人々が予測市場(予想賭け市場)を作る場を提供する。

胴元抜きで、誰でも自由に予測対象となるイベントを提案できることが特徴の一つだ。

その仕組みによって、サービスがローンチして2週間という速さで、今年7月には公的人物の暗殺がギャンブルの対象に挙がってしまった。

このような予測を介する商売は「暗殺市場」と呼ばれ、古くから存在する。

これまでにドナルド・トランプ大統領やAmazon CEOジェフ・ベゾス氏、ウォーレン・バフェット氏などの暗殺死が賭けの対象としてAugur上に挙がった。

MIT Technology Reviewによれば、スマートコントラクトによる大規模な「暗殺市場」が恐ろしいのは、大金を得るために暗殺を試みる人間が出かねない点だと言う。

「Augur」を運営するForecast Foundationは、そのプラットフォームを使う人々の行動について責は問われないと考えている様だが、仮想通貨がCFTCの管轄下に収まった今、動きがある可能性は十分にあるだろう。

CFTCはスマートコントラクト予測市場へどこまで手を出せるのか

CFTCは、これまでと同様の基準で、ある取引が従来の金融デリバティブ商品に該当するかといった判断を下せるとQuintenz氏は述べた。

「そのコントラクトがCFTCの管轄する金融商品であれば、ISDAを交わしているか否か、ソフトウェアのコードであるか否かに関わらず、CFTC規制の対象となる」

先月9月末、米連邦裁判所も仮想通貨をデリバティブ商品の定義に当て嵌まるとして、CFTCの管轄権を認めている。

Quintenz氏は、「暗殺市場」のように違反的な予測対象が挙がってしまうと、機能を提供したスマートコントラクトの設計者が訴追される可能性があると述べた。

そのため設計した時点で、アメリカ人がCFTCの規制に反した使い方をできるようになっていないか、合理的な範囲で想定して設計、公開してほしいとQuintenz氏は話した。

先日お知らせ した通り、CFTCは仮想通貨関連の取り締まりを強めており、過去5年で最高の9000万ドルを民事徴収している。

▶️本日の速報をチェック
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
06:35
米政府、1月末に再び閉鎖の可能性浮上 仮想通貨市場構造法案の審議に影響も
米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上した。再び発生すれば1月に審議入りが予定されている最重要な仮想通貨市場構造法案の議決がさらに延期されてしまう。
06:05
アーサー・ヘイズ氏がDeFiトークン買い増し、3億円以上のLDOとPENDLE
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が185万ドルのLDOトークンと97.3万ドル相当PENDLEトークンを追加購入した。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速。
05:50
バイナンス傘下トラストウォレットの10億円不正流出、CZ氏が全額補償を表明
バイナンス創設者のCZ氏が同社傘下のトラストウォレットのハッキング被害について10億円以上の全額補償を表明した。ブラウザ拡張機能の脆弱性が原因で、内部関係者の関与が疑われている。
12/26 金曜日
18:02
Aave、ブランド資産移管案を否決 DAOガバナンスの課題浮き彫りに
Aaveのブランド資産移管提案が26日のSnapshot投票で否決。反対55%、棄権41%、賛成わずか3.5%。CoW Swap手数料問題が発端となった所有権紛争は、DeFiガバナンスの構造的課題を浮き彫りに。
18:00
仮想通貨の税制改正大綱、押さえておくべき重要ポイントを専門家が徹底解説|Gtax寄稿
税制改正大綱で、暗号資産(仮想通貨)税制の大幅見直しが示されました。分離課税・3年間の繰越控除が導入される一方、対象となる「特定暗号資産」や取引形態には制限も。現物取引とデリバティブ取引の損益通算、ステーキング報酬の扱い、NFTの課税方式など、今後の制度設計を見据えて準備すべきことを公認会計士・税理士が詳しく解説します。
16:00
リトアニア、仮想通貨ライセンス義務化へ 申請低迷
リトアニア中央銀行が仮想通貨事業者にMiCAライセンス取得を義務化。2025年12月31日以降、無許可運営には罰金や最長4年の禁錮刑。370社以上が登録するも申請はわずか30社で全体の1割未満。同国はEU内でMiCAゲートウェイとしての地位確立を目指す。
15:05
仮想通貨投資への期待高まる、税制改正で約5割が投資拡大を検討=ビットバンク調査
ビットバンクが発表した2025年仮想通貨投資実態調査によると、2026年の市場期待として「税制改正」が34.3%で最多。税制が20%の申告分離課税に変更された場合、約5割が投資拡大意向を示した。知識不足が投資の障壁だが心理的ハードルは低下傾向。
14:01
ユニスワップ重大提案が圧倒的に可決 1億UNIバーンと手数料スイッチ起動へ
ユニスワップのUNIfication提案が賛成票1億2500万票超で可決。国庫から1億UNIをバーンし、プロトコル手数料を起動。取引量増加が供給減少に直結するデフレ型モデルへ転換。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧