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仮想通貨ビットコイン価格は本来の価値以上で取引されている|豪大学の博士が最新論文で説明

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オーストラリア大学の研究:
オーストラリアのクィーンズランド大学の金融分野博士は、最新の論文にて、『転売オプションの仮説』を裏付ける証拠を下に「仮想通貨が本来の価値以上の価格で取引されている」と論じている。

研究による空売りの困難と価値の保持

オーストラリアのクィーンズランド大学に所属の金融分野のWang Chun Wei博士は今年10月、『転売オプションと仮想通貨の価格の異常』という論文 を公開し、転売オプションの仮説を裏付ける証拠を下に、「仮想通貨が本来の価値以上の価格で取引されている」と論じている。

転売オプション仮説の証明

Wei博士は、仮想通貨の価格をゼロ以上に維持するためには、投資家のセンチメントのみでは成り立たないと考えており、仮に投資家が容易に仮想通貨アセットを借りて、より低価格で買い戻せると予想しながら売却を行ない続けた場合、仮想通貨の価格はゼロになる可能性が高いのではないかと予測している。

同博士は、米大手仮想通貨メディアCoindeskの取材に応じて、ビットコインの価格に影響する要因について、以下のように言及した。

ビットコインの1日における変動率(ボラティリティ)は約4%だ。これは、ファンダメンタルズの影響だけにしては大きすぎる。

したがって、このような現象をより明確に調査するため、Wei博士は、多くの投資家が思うような「ジョーク」と「詐欺」の側面が強く、無価値になりやすい通貨を中心に研究した。

当論文では、学界で長く主張されている金融理論=『転売オプション仮説』が、仮想通貨がなぜ今の価格になっているのかある程度説明することができている。

では、まず『転売オプション仮説』とは何か、簡単に以下のように紹介する。

転売オプション仮説

米名門大学プリンストンの研究者Jose Scheinkman氏とWei Xiong氏は、2003年にこの仮説を立てていた。

⓵価格の不一致であること、⓶空売り困難であること、という2つの状況が続いた場合、相場(マーケット)はロング・ポジション(価格が上昇すると予想する)を持つ投資家に傾きやすいと論じている。

Wei博士は、以上の2つの状況のいずれも、仮想通貨市場によく見られる主張している。

つまり、仮想通貨の場合、空売りをすることが容易ではないため、相場は買い目線を好むということだ。

仮想通貨の価格を釣り上げる要因とは、投資家(投機家)が買値よりも高く売ることができると期待することである。

と、同博士はCoinDeskの取材に答えた。

相場を動かすものとは

ビットコインを動かす明確な要因は、未だ解明されていない部分があるとしながらも、Wei博士は、BitconnectやUrocoinのような詐欺性めいた通貨を主なアルトコインの研究対象としたものの、それらの仮想通貨に見られた価格要素は、ビットコインの価格推移にも応用できると論じている。

また、面白半分で作られたジョークコイン(DogecoinやUETなど)に関しては、詐欺コインよりも価格の安定に繋がる可能性が高いという。

なぜなら、詐欺コインには、いずれ詐欺であるという認識が一致しやすいからである。

また、Wei博士は論文で、「ファンダメンタル的な価値が存在しないと明らかになった場合、信頼もなくなり、転売オプションの価値も落ちてしまう」と書いている。

価値の分析

以上のような価格要素から、市場の時価総額にどのように反映するかに関しては、「転売オプション」の価値を測る正確な方法は現時点では存在しないと博士は、記述。

そして同論文では、取引高・取引価格・実際のボラティリティの統計的相互効果による価格の推定を行なった結果、主流通貨には、転売オプション仮説が立証されたとの分析が記された。

ビットコインやXRPのような主流通貨には、転売オプション仮説が立証された。

この結果は、主流通貨の価格と出来高の相関性は、投機行為の傾向を示しているため、ファンダメンタル的な価値のみを反映していない可能性が十分に考えられる。

さらに、Wei博士は、2017年末にビットコイン先物の開始と全体相場の高騰を実証として、「理論上、空売り手段の導入は、転売オプションの価値を下げ、結果、ビットコイン現物の価値も連れ下げる傾向となるだろう。(実際年始の暴落が裏付けとなっている)」と、CoinDeskに話した。

ただし結局のところ、ショートができる取引所が増えていったとしても、「仮想通貨の価格を釣り上げる要因とは、投資家(投機家)が買値よりも高く売ることができると期待することである。」という理論が正確であれば、価値の向上がサポートされつづけるだろうか。

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