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相場乱高下
トランプ大統領が米国の「仮想通貨準備金」創設を発表した翌日、ビットコインなど主要仮想通貨の価格が急落した。月曜日の取引でビットコインは一時9万4000ドルまで上昇したものの、現在は8万6000ドルまで下落し、24時間で8.3%のマイナスとなっている。
トランプ大統領が準備金に含めると明言したイーサリアム、ソラナ、XRP、カルダノ(ADA)など他の主要仮想通貨も軒並み下落し、それぞれ15%以上の下げを記録している。
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出典:CoinGecko
仮想通貨市場の下落は、トランプ政権が計画する貿易関税とインフレへの懸念から株式市場全体が下落していることとも連動している。ダウ平均やS&P500、ナスダックはすべて下落し、AIの主要銘柄であるNVIDIAも10%ほど下落している。カナダとメキシコに対する関税は4日から開始予定で、さらに中国に対する追加関税も控えている。
関税に関する懸念は4日未明に深まり、トランプ大統領がカナダとメキシコに対する関税を火曜日から開始し、中国に対する関税も10%から20%に引き上げる計画を再確認したとのニュースが市場を一段と押し下げた。
この急変の背景には、トランプ大統領が日本時間3日に自身のSNS「Truth Social」で発表した米国の仮想通貨産業支援策がある。大統領は「仮想通貨準備金」の創設を指示し、この取り組みには主要アルトコインであるXRP、ソラナ(SOL)、カルダノが含まれると強調した。また、すでにETFとして承認されているビットコイン(BTC)とイーサリアムが準備金の中核となることも確認している。
トランプ政権のAI・仮想通貨特命官を務めるデビッド・サックス氏によれば、この新政策の詳細は7日に開催される「ホワイトハウス仮想通貨サミット」で明らかにされる予定だ。業界からはトランプ政権の積極的な姿勢に注目が集まっているが、関税政策との兼ね合いで市場は神経質な展開となっている。
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